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サードプレイス通信#6       楽゛菓子屋ひろば

子どもから大人まで集う通学路のオアシス


子どもと大人が交流できる場所をつくりたい

「楽“菓子屋ひろば」は2020年1月に子どもたちと近所の大人たちの交流の場をつくりたいと近所に住む原弘子さんがオープン。表記を「駄菓子屋」ではなく「楽゛菓子屋」としたのは、「楽しい場所にしたい」という原さんの願いが込められているからなのです。
楽゛菓子屋ひろばは、桃見台小学校やあさか開成高校、桃見台公園に囲まれた場所にあります。店内には駄菓子や飲み物、文房具などが販売され、ベンチやテーブル席で子どもたちが気軽に過ごせる場所になっています。
 学校が終わらない昼間の時間には、ご近所の高齢者がお茶を飲みながらゆったり過ごしている姿も。このお店で高齢者の方々と子どもたちは折り紙を教えたりと交流が続いています。


放課後、店を訪れくつろぐ子どもたち

子どもたちのなくてはならない場所に

開店時間は平日13時30分~17:30。ランドセルを家に置いてからお店に来るのがルールとなっています。それでも、顔見知りになっている児童は帰宅途中、窓の外から学校であったことなどを報告してくれるのだとか。ときには転んで擦り傷を負った子どもたちが訪ねてくることもあり、救急箱を常備しているそうです。
 放課後児童クラブの子どもたちが、活動の中で自分のおやつを自分で買うために100円玉を握りしめてきてくれたり、小学校の授業の一環「街たんけん」で見学に来たりと、楽゛菓子屋ひろばは街に溶けこみ、子どもたちにとってはなくてはならない有名店になっています。


近隣小学校の校外授業「街たんけん」で児童たちが訪れた。

また、「どこでも駄菓子屋」として、子ども会用のラッピングサービスや、出張楽゛菓子屋も開催。依頼に合わせてイベントでの出店や介護施設での出張販売も行っています。介護施設では、お年寄りが懐かしい駄菓子に触れることで、いきいきすると喜ばれているのだそうです。

お母さんたちの忙しさを目の当たりにして

お店を通して子どもたちとつながってきた原さんは、お店に子どもを連れてくるお母さんたちが、一人で何でも抱えて忙しい様子を目の当たりにするようになったそうです。また一人暮らしの高齢者が孤食になりがちなことも心配し、子どもや大人たちの健康を支えたいという思いから、2021年5月から毎月第2、4土曜日に誰でも予約なしで利用できる子ども・おとな食堂「ひろばdeランチ」をスタートしました。地域のボランティアや高校生ランティア、企業ボランティアスタッフが参加しています。「ひろばdeランチ」は学生たちがボランティアに参加するきっかけにもなっているのです。


毎月第2、第4土曜日に行っている子ども・おとな食堂。ボランティアの協力で栄養バランスの良いお弁当を提供している。はじめは店内で準備していたが、最近は桃見台公民館の調理室でつくっている。いつもはテイクアウトで行っている子ども食堂。2022年10月22日は、芋煮会風に公園や近くの公民館で食べることができるのだそう!


県や市の子ども食堂ネットワークに加入し、フードパントリも行っています。

イベントを通して、子どもたちが近所の人たちと触れ合う

また、お楽しみイベント企画も行っていて、 大人も楽しめる「駄菓子屋ナイト」などを行っている。2022年10月30日(日)には、ハロインの季節ということで「トリック・オア・トリートオリエンテーリング」を昨年に引き続き開催する。これは、楽“菓子屋ひろばからスタートし、地図に示されている家を回ってお菓子をもらう企画。子どもたちがイベントを通してご近所の大人たちと交流できる企画になっています。

昨年の「トリック・オア・トリートオリエンテーリング」の様子。ご近所の大人たちが協力し地域で盛り上げている。

申し込みは10月24日(月)までなので、参加したい方は、お店に行ってみてくださいね。
 楽“菓子屋ひろば、地域の大人・高齢者たちが子どもたちと関われるきっかけを作り出しました。
 楽“菓子屋ひろばを通じて、友達と過ごした時間、原さんをはじめ近所にいる大人たちや高校生など年上の人たちとの交流した体験はあたたかい思い出として子どもたちの人生にあたたかい灯を照らし続けていくのだと思います。


近所の清掃ボランティアのあとで。子どもたちがボランティア活動に参加する機会作りも行っている。


楽゛菓子屋ひろばに通っていた小学生たちが中学生になっても寄りたくなる、かけがえのない場所になっている


団体情報
楽“菓子屋ひろば
郡山市桃見台15⁻8(あさか開成高校の西側、桃見台公園の向い 黄色い旗が目印)
月~金 13:30~17:30
・こども・おとな食堂 ひろばdeランチ 
 毎月第2・4土曜日 11時~13時
 (こども100円、ふつうのおとな300円、えらいおとな100円)
Twitter: @dagashiyahiroba


サードプレイスとは、自宅や職場・学校とも違う第三のコミュニティの意味。日常的に担っている義務や役割を離れ、居心地の良い場所で、人と会い、話し、目的を見つけて活動したり、楽しいことを一緒に行ったりします。何かをしなくたって、誰かに会うだけでもいいし、その場所に来るだけでもいいのです。
サードプレイスの条件は、心地よい場所であること。そして、かかわる人達の平等性が保たれていること。
サードプレイス的な場所を持つかどうかは、幸福度にも影響します。「ハーベストカフェ」もまた、シニア世代が幸福であるための交流の場、サードプレイスを目指して、活動しています。
「サードプレイス通信」では、福島県郡山市や近隣の市町村でサードプレイス的な活動をしているグループを紹介していきます。


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