素人がオーストラリアでパティシエとして働いた話①
暇なので、ワーホリ中にオーストラリアのパースで働いたお話を。
オーストラリアの貸オフィス会社、Cliftonのメルボルン支店でケータリングのバイトをしていたとき、パースに支店があるので、メルボルン支店のマネージャーに、パース支店で採用してもらえるか掛け合ってもらった。(その時パースに行きたいと思っていた)
ちなみにcliftonでの仕事は、貸しオフィスで開かれるセミナーの休憩時間に、ランチとかアフタヌーンティーを用意するお仕事。
チーズボードを盛り付けたりケーキやフルーツを切ったり、簡単な調理をしてカウンターにセッティングする。この仕事はjorajobというアプリで見つけた。
盛り付け方とか切り方とか、どのフルーツやトッピングを使うかとか、ほぼ何もルールがなくて、各自のイマジネーションを発揮しちゃいましょう♡!!みたいな張り紙がキッチンに貼ってあり、そういうのが大好きな私はめちゃくちゃ楽しかった。
可愛くデコレーションしたら上司や仲間に褒めてもらえた。
接客といえば、カウンターに立ってこれはグルテンフリーですよとか、コーヒーサーバーに牛乳を補充したり、場所の案内をするくらい。あとは掃除や皿洗いで、わりと一日中動き回るバイトだか、接客が苦手だった私にとってかなり神バイトだった。
マネージャーのダニエル(優しいオーストラリア人。私の初出勤日にシドニー支店から移動してきた)が、かなりいい感じに私を紹介してくれたみたいだったが、残念なことにパース支店は最近新人を採用したばかりとのこと。
その代わりと言って、マネージャーの元同期であるラデックを紹介してくれた。
ラデックはパースにある展示場PCECのレストラン部門でシェフをしており、そこでパティシエとして働かないか?とのこと。
えっ、パティシエっすか?
Cliftonではわりとゆるーい感じで
冷凍のケーキ切ったりフルーツ盛り付けたりしてたけど、パティシエってガチなやつじゃん???
とりあえずラデックに電話。
若干高圧的で怖くなったが、パースでの仕事先を先に確保できることがありがたく、働かせてもらえることになった。いぇーーーい!!!!
このあと地獄を見ることになるとも知らず。(毎回このパターンじゃねえか)
初日!
なんやかんやありパースに引っ越し、パティシエ初出勤。朝の7時から勤務開始だ。
ちなみに、ラデックは結構イケメンだった。
キッチンセクションはざっくりホット、クール、スイーツセクションに分かれている。私が働くのはスイーツセクションだ。
ラデックに案内してもらってスイーツセクションに行くと、太ったインド系の男が1人。腕に包丁のタトゥーが入っている。彼の名前はジャイヤ。
ラデックが、『彼女はパティシエの経験はない。ともかく仕事を丁寧に教えてやってくれ。』
ジャイヤからしたら、英語もまともに話せない日本人の女(パティシエ経験なし)をなぜ寄越したのだという感じだろうが、とりあえず私も挨拶し、仕事を開始した。
ジャイヤはインドの大富豪のような見た目をしているが、マレーシアで生まれ育ったとのこと。彼自身、一週間前前にこのPCECに転職してきたらしく、ヘッドシェフとなったようだ。
私の最初の仕事は、ジャイヤが作ったチョコレートムースのカップに、小さいスプーンを刺すことだった。パティシエとは言え、こういう補助的な仕事かと思い安心した。
その後も、作ったものを冷凍庫に運んだり、冷凍庫から言われた材料を取ってきたり、お皿にケーキを並べるなど、その都度指示をされて動くような形だった。
スイーツセクションの仕事は、展示場で開かれるセミナーのブッフェや、ディナーセッションで出すコース料理のデザートを作ること。作ったものをCAさんが運ぶ奴みたいなキャスター付きのケースに入れて、それをウェイトレスたちが各場所に持っていく。その日によって参加者数やメニュー、規模が変わるので、前日や前々日にあらかじめスイーツを用意しておき、冷蔵庫にコンテナごと保存しておくスタイルだった。
その辺の前提情報は働きながらおいおい理解したことであり、最初は訳も分からずジャイヤの指示通りひたすら作業をするだけだった。
午後になると、ベトナム系オーストラリア人のカルビンがやってきた。
日本人が珍しかったらしく、最初フレンドリーに色々と話しかけてくれたが、オーストラリアアクセントの英語がまっっったく理解できず、質問にも答えられず、ハハハ、、と乾いた笑いをするしかなかった。また、指示されたことが聞き取れない。彼も次第に私への興味を失ったようである。(切ねえな)
ジャイヤのインド訛りの英語も聞き取れない。カルビンのオージーイングリッシュも聞き取れない。たまにスイーツセクションに入ってくるオージーが、やあ!!新人さんかい?!的な感じで話しかけてくれるが、、、聞き取れない。
やっと休憩時間になった!!!
でも広すぎて休憩室の場所がわからない。
廊下でうろうろしていると、アジア人のおじさんが紙コップで紅茶を飲んでいた。休憩室の場所を聞くと、連れて行ってくれた。
彼は香港人のトニー。トニーは洗い場で皿洗いをしているとのこと。初対面は少しそっけなかったが、その後会うたびに話しかけてくれて、気がつけば仲良くなっていた。見た目が私のおじいちゃんに少し似ていて、毎日いるわけではないので、会えると嬉しかった。
休憩室は、オフィス部門で働く華やかなレディ達、スーツを着こなすイケオジ集団、事務の人、シェフ、調理専門学校の生徒達、ウェイター、ウェイトレス、洗い場担当、謎のおじいなど、PCECで働く全スタッフがランチを食べている。
自分でサンドイッチやタコスを作れるバイキング形式で、日替わりのスープもあった。たまに余ったホットフードやスイーツも置かれていた。
1人でサンドイッチを作って食べる。
ふえええ、寂しいよう、、( ; ; )
みんな楽しくおしゃべりしてる中、孤独に包まれながら黙々と食べた。
13時半きっかりに全てを片付ける決まりにやっているらしく、遅めに休憩に入った私は、早く片付けたいフィリピン系のおばちゃんに急かされながら食べた。
寂しかったし疲れたけど、好きなものを入れて作ったサンドイッチは美味しかった。
続きます♡