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個人能力の育て方 〜その2〜

以前の記事(個人能力の因数分解)で規定した6つの個人能力分野のうち、今回は「Output Skills: アウトプットスキル」についての育て方です。

私が考える、アウトプットに関する重要なスキルは、プレゼンテーション能力、説得力、フィードバック力、まとめ能力、ファシリテーション能力の5つです。このエリアは、漠然と過ごしていると身につける事ができない重要な能力になってきます。大きく分けて3つのカテゴリーに分けて、3つの育て方を提案します。

一言でまとめてみる

プレゼンテーション能力と説得力を高めるには、「全体像を把握する」 →「筋道を立て、ストーリーを成立させる」 →「最後は一言でまとめる」というプロセスが不可欠です。このプロセスは、あらゆるプレゼンテーションや議論で有効なフレームワークを提供します。
全体像を把握する
まず最初に、話す内容の全体像をしっかりと把握することが重要です。これには、対象となるトピックに関する深い理解と、そのトピックがどのように聴衆や関係者に関連するかを考えることが含まれます。全体像を把握することで、話の方向性を明確にし、聴衆が興味を持つポイントを捉えることができます。
筋道を立て、ストーリーを成立させる
次に、キーワードや主要なアイデアを繋ぎ、一貫したストーリーを構築します。これは、単に情報を列挙するのではなく、それらがどのように連関しているかを示すことで、聴衆の理解を深めます。ストーリーを通じて、情報は意味を持ち、メッセージはより鮮明になります。
最後は一言でまとめる
最後に、プレゼンテーションや議論の要点を一言で要約します。この一言でまとめる能力は、聴衆に強い印象を残すために非常に重要です。要約によって、聴衆はプレゼンテーションの核心を明確に理解し、記憶に残りやすくなります。また、一言で要約できるということは、プレゼンター自身が主題を完全に理解している証拠であり、これが自然と説得力を高めます。
このプロセスは、プレゼンテーションや説得において非常に効果的です。全体像の把握から始まり、筋道のあるストーリー構築、そして効果的な要約によって、あらゆるアイデアや提案を力強く、かつ明確に伝えることができます。

議事録を書きまくる

フィードバック力とまとめ能力を向上させるためには、議事録の積極的な作成が非常に効果的です。この練習は、ただ単に会議の内容を記録する以上の価値を持ちます。議事録を書くことは、会議の議題、総論、議論の詳細、そしてネクストアクションを明確に記録するプロセスを通じて、情報の整理と全体像の把握の訓練となります。効果的な議事録を書き、スキルを獲得するため、以下の点に留意することが重要です。

  • 目的の明確化: 会議の主目的や目標を明確にします。これにより、議論の焦点が絞られ、より具体的で生産的な討論が可能になります。

  • 総論の要約: 会議での主な結論や決定事項を要約します。これは、会議の結果を効果的に伝え、理解を促進するために不可欠です。

  • 議論の詳細: 議論の内容を具体的かつ端的にまとめます。ここでは、重要なポイントや意見の交換を簡潔に記録します。

  • 次のアクションの特定: 会議後の行動計画や責任者を明記します。これにより、会議の成果が実際の行動に結びつきやすくなります。

議事録を書く過程では、会議の背景も含めた全体像を常に念頭に置くことが求められます。必要な結論を明確にし、適切なネクストアクションを導き出す。情報を整理し、重要なポイントを抽出する。このプロセスを繰り返すことで、自然と情報を整理し、要点を簡潔に伝える能力が向上します。
議事録を積極的に書くことは、単なる記録作業を超えて、情報の整理、分析、そして伝達のスキルを高める重要な練習となります。これらのスキルは、フィードバックを行う際や、会議やプレゼンテーションでのまとめを効果的に行うために不可欠です。

俯瞰した視点を獲得する

ファシリテーション能力の育成には、プレゼンテーション能力、説得力、フィードバック力、まとめ能力といった他の4つの能力が土台となります。しかし、これらだけでは十分ではありません。ファシリテーションの真髄は、会議やディスカッションを効率的に進め、成果を最大化するために、参加者一人ひとりの立場や発言力を理解し、議論を適切に導く能力にあります。
会議のダイナミクスを理解する
ファシリテーションでは、参加者間の人間関係やパワーバランスを把握し、それに基づいて適切なタイミングで議題を提起することが求められます。これには、ただ情報を整理するだけでなく、人々の動機や関心、相互作用を理解し、それを活用する洞察が必要です。
ピープルウォッチングを通じた観察力の強化
俯瞰した視点を養う一つの方法として、ピープルウォッチングが有効です。これは、公共の場で他人を静観し、彼らの行動や相互作用から社会的ダイナミクスを読み解く活動です。たとえば、カフェや公園での人々の行動を観察し、彼らの関係性や行動の背後にある意図を想像することで、人間行動の理解を深めることができます。
会議における応用
このような観察力は、会議やワークショップにおいて、参加者の発言や行動を正確に理解し、効果的にファシリテートするために重要です。それぞれの参加者がどのような背景や意見を持っているか、どのように反応する可能性があるかを把握することで、議論をスムーズに進め、建設的な結果を得ることが可能になります。
ファシリテーション能力を磨くことは、会議やプロジェクトを効率的かつ効果的に進行させるために不可欠です。俯瞰的な視点を獲得し、それを会議の進行やチームのマネジメントに活用することで、プロジェクトの成功に貢献し、リーダーとしての価値を高めることができます。

アウトプットスキルの真価: ビジネス成功への鍵

これらのアウトプットスキルを磨くことは、単に技術的な能力を超え、ビジネスにおける影響力と実行力を大きく高めることに繋がります。自らの意識と努力によってこれらのスキルを磨き上げることが、ビジネスの世界での成功への道を切り開く鍵となるでしょう。プレゼンテーションからファシリテーションに至るまで、これらのアウトプットスキルは、ビジネスコミュニケーションの質を高め、より良い結果を生み出すための基礎を築きます。常に自己を磨き続けることで、ビジネスにおける自身の価値を高め、キャリアの可能性を広げることができます。

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