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「1万時間の法則」が否定されているって知ってた?

前々から書店にいくと、よく自己啓発系の本に1万時間でうまくなるからコツコツやれということ書いてある本があるなぁと思っていたが元ネタとして「1万時間の法則」というのがあるらしい。
が、実はその1万時間の法則がけっこう前に否定されていたそうなので紹介しておこう。

1万時間の法則とは

もともとの「1万時間の法則」というのは1993年に発表されたエリクソンの論文[ The role of deliberate practice in the acquisition of expert performance. (apa.org)] が元らしい。
こちらはプロになるには意識的な練習が10年分必要だという論文。

これを別の人が書籍にした『天才! 成功する人々の法則』にて「1万時間の法則」ということで紹介されて広がったよう。この法則によれば誰でも1万時間練習すればプロレベルになれるとのこと。

この法則自体はいろいろなところで信じられていて、「プロになるには時間がかかるから小さいうちから練習しなければならない」みたいな言説につながっているんだとか。

ちゃんと調査したらそんなことなかった

んで、その1万時間の法則を再調査したところ、どうも元の論文が言っているような結果にならなかったと。 [(PDF) Accounting for expert performance: The devil is in the details (researchgate.net)]

この研究によると実際のデータを確認したら練習時間について主張されているような特定の数値は見つからなかったらしい。

プロのチェスプレーヤーとミュージシャンを調査したところ、練習時間との相関は1/3ほどしか見られず、プロになるまでの練習時間がおよそ700時間から16,000時間(別のデータでは800時間から24,000時間というのもある)と結構な個人差が見られた。

(エリクソンの論文は意図的に不都合なデータを無視しているんじゃないのとか反論に矛盾があるよと指摘している。)

じゃあ何が大事なの?

ということで、練習時間だけではプロレベルに達するかどうかは説明できないということ。
じゃあ上達するには何が重要なのかというと、『今のところよくわからない』そうな。(なんじゃそりゃ。)

何となくワーキングメモリ(短期記憶のところ)とか相関がありそうなんだけどと記載があるが、ワーキングメモリがいいからその種目が上手いわけでもないらしい。
(この辺りはまだまだ不明なことが多いようす。)

というわけで、何でもかんでも長時間やれば上手くなるわけではないということなので好きなことをやればいいんじゃないかな。

(下手でも楽しめる人はいいよね)

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