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目標設定ってときには危険かもよという話

もうすぐ新年度が始まるが、会社員の場合は半期ごとの目標設定みたいなものを作ことになる。
だが、これって実は無駄だよなーと思っていたら『目標を設定すること』について警告しているワーキングペーパー(評論みたいなもの)がハーバードビジネススクールから出ていたので紹介しておこう。
[Microsoft Word - Goals_Gone_Wild_1_14_2009_Final.docx (hbs.edu)]

目標設定の危険性

このワーキングペーパーは、目標を設定することが過度に推奨されているが、目標設定には悪影響もあるので気を付けようと警鐘をならしている資料だ。

目標設定はもちろん『正しく行えば』良い効果を出すのだが、実際には正しい目標を設定できる人は少ない。そして間違った目標を設定すれば何もしないよりも悪い結果となる。
例えば有名なところで、アメリカのエンロンなどは過度な収益偏重の目標を立てたために会社が崩壊したなど、枚挙にいとまがない。

ということでハーバードビジネススクールが警告している目標の悪影響を見てみよう。

1.やる気を下げる

攻撃的な管理者やマネージャーは達成がかなり難しい目標(いわゆるストレッチ目標)を立てる傾向がある。

こうした目標は、従業員やチームメンバーはできないと思う心理的プレッシャーとなりパフォーマンスを発揮できない状況を作りだす。
また、そもそも方法が分からず達成不可能と考えてしまいやる気を下げることとなる。

2.視野が狭くなる

高い目標を立てた場合、目標にしか目がいかなくなりリスクを冒す行動をとりやすくなる。
(登山で無謀な登頂をこころみケガ人や死人がでたりするのはこのため)

また視野が狭いと短期的な利益に飛びつきやすくなるため、長期的な成長の妨げとなる。

3.ずるをしやすくなる

目標に対してインセンティブ(ボーナスとか)が与えられると、単純に目標さえ達成すればいいやと考えてずるをする傾向が増える。

例えばカンニングをしたり、わざと低い目標設定にしたりしやすくなる。
そうするとパフォーマンスを発揮する方向よりも、ずるをする方向に力を注ぎだす。

4.学習する気をなくさせる

テストでいい点を取ったらご褒美あげる。などの目標設定をするとそのテストの成績のみに焦点が向きやすくなる。
そのため、いろいろな勉強方法をためしたりとか類似の分野に興味をもったりとか学習で重要な『経験や成長すること』に目が向かなくなる。

5.仲間と協力しなくなる

目標の到達状況を元にランキングしたりすると、従業員同士やチームのメンバー同士で敵対心をあおることとなり協調性を下げることとなる。

まとめ そもそも正しい目標をたてられない

というわけで、目標の悪い影響についてでした。
(こういった悪影響って案外知られていないよね)

じゃあ正しい目標の立て方をすればいいじゃんとなるが、そもそも論として『正しい目標』を立てるというのは非常に難しい。

たとえば半年や1年の目標なども、立てた時点の状況と半年後、一年後の状況はまったく違うので、目標を立てるタイミングでその時の状況を予測するというのはほぼ不可能に近い。
また一度目標を立ててしまうと、目標に目が行きがちなので途中で柔軟に変えるというのも、これまた難しい。

ざっくりまとめると、無駄な目標を立てるぐらいなら何も目標を立てない方が良いというお話でした。

(いい目標の立て方はまた別の機会にでもしようかな)

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