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退屈な仕事に価値を与える

最近では転職サイトのCMが増えていたり、新入社員が3日でやめたなどの記事を目にすることがあるが、『意味がなく退屈だ』と思われている仕事に意味を持たせたら従業員がやる気をだしたという研究があったのでメモ。
[Jobs, Careers, and Callings: People's Relations to Their Work - ScienceDirect]

人が仕事に求める3要素

この研究の元になった研究では仕事の満足度と何がやる気や満足度とつながっているのかというのを調べていたらしい。
そうしたところ、仕事に対して人々が考えている要素として3つが上がってきた。

  1. 生活やお金のため

  2. 昇進など自分のキャリアのため

  3. 自身の満足や社会へのつながりのため

そうしたところ、特に生活を維持するために仕事をしていて、自分の仕事は大して重要ではないと考えている従業員は満足度が低かったそうな。
(結構多くの人が当てはまりそうね)

仕事に価値を与えてみる

そこで、こちらの研究では病院の清掃スタッフ(毎日死や病気と対面しつつハードな仕事をしている人)に次のような指示を与えてみたそうな。

  • あなたの仕事は病院の『治療』の一つに含まれている

  • あなたは患者や患者の家族に対し、この病院の顔として映る大事な役割がある

そうしたところ、指示を与えただけでスタッフの仕事への満足度が上昇し、清掃もテキパキと行われるようになったとのこと。

Satisfaction with life and with work may be more dependent on how an employee sees his or her work than on income or occupational prestige.
(人生と仕事に対する満足度は、収入や職業上の名声よりも、従業員が自分の仕事をどのように見ているかに左右されるかもしれない。)

Jobs, Careers, and Callings: People's Relations to Their Work - ScienceDirect

つまり、同じ仕事をしていてもそこに意味が与えられるかどうかによって満足度ややる気というものは変わってくるということ。

一方で、この研究では若い人たちがやる気を持ち失っていく理由についても指摘していたので紹介しておこう。

比較的貧しい職業に就いている回答者は、仕事の目的について「生活とお金」と「キャリア」のいずれかと考えているようだ。キャリアと答えた回答者は、回答者の中で最も若い傾向がある。これは、若い従業員が組織内で昇進するために、年上の従業員よりも懸命に働くことを望んでいる可能性を示唆している。もしそうであれば、より高いレベルの生産性を生み出そうとするマネジャーにとって、重要な意味を持つだろう。
一方、「若さ」と「キャリア」の関係は、若手社員は懸命に働くことを望んでいるのではなく、若手社員が「自分はいずれ良いポジションに移れる」という期待を持っていることを意味している可能性がある。このように解釈すると、さらに良い待遇を与えようとしても、望んだことよりハードに働くことはないだろうと予測される。
実際、キャリアを手に入れたと思った若い人たちの多くが、数年後は生活のための仕事しかないことに諦めを抱くようになっているのかもしれない。

Jobs, Careers, and Callings: People's Relations to Their Work - ScienceDirect

というわけで、お金や昇進のための仕事を続けているといつか壁にぶつかってしまうかもよとのこと。

自分の仕事が退屈だと感じるかたは社会や自分の人生とのつながりについても考えてみるのが良いのではないでしょうか。

(でも悪い環境の職場だったらさっさと辞めたほうがいいかもね)

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