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悪いニュースを伝える人は嫌われる

ときどきレジで他人のミスを怒る人がいるとか、ホテルのフロントに関係ないことでもクレームを入れる人がいるとかのニュースが流れることがある。
あれは年齢による自制心が弱くなった影響かなと思っていたら、どうやら人間には悪い知らせを伝えられると、その原因に関係があるなしに関わらず伝えた人を嫌いになる性質があるとハーバード大学の研究が上がっていたので紹介しよう。
[https://psycnet.apa.org/record/2019-19962-004]

悪いニュースを伝える人

英語の諺に『Shooting the messenger』というのがあり、「報告した人を撃つ・非難する」という訳となり、転じて「関係ない人を非難する」という意味となる。
(「Don't shooting the messenger:関係ない人を非難するな」みたいな使い方もする)

こちらの研究では11個の様々なパターンで、実際に『悪い知らせ』を伝えてきた人に対してどのような印象を持つかということを調べている。

例えばこんな感じ

・実験に参加すれば、ランダムで2$もらえることがありますと研究者が伝える。
・くじ引きをして結果を第三者にあたる別の人に伝える。
・別の人から参加者にくじの結果を参加者に伝えてもらう。

この状態で参加者に第三者の人の印象を聞いたところ、くじ引きが悪い結果だった場合のみ全く関係がないにもかかわらず第三者の印象が悪くなることが確認された。
(たった2$(200円ぐらい)でも影響はでるみたい)

仕事のことでも嫌われる

また別のパターンとして、空港で待っているシチュエーションを想定してもらい、搭乗する飛行機が遅れているという事務的な連絡や、医者として患者に悪い結果を伝える(癌が見つかりましたよ)といった場合でも、やはり被験者からは嫌われてしまったらしい。

とくに医者のパターンでは、1週間前に検査の結果が良くないので来週結果を伝えるときに悪い結果をお伝えするかもしれませんと事前に通知していても、当日伝えられた印象は悪くなったそうな。

https://psycnet.apa.org/record/2019-19962-004
Fig2

この現象についてだが、研究者は悪いニュースを伝えられると次の心理的な動きが発生するからではないかと推測している。

  1.  なぜ自分に悪いことが発生したか知りたいという気持ちが生まれる

  2.  でも明確な理由が無いから分からずにイライラする。

  3. そのイライラを解決させるため、ぶつける対象が目の前にいる人に向かう

  4. この人が嫌いと感じることで、悪いことの原因を押し付けイライラを解消する

人間の危険や悪いことを理解して避けようとするという特性が、手ごろな対象としてメッセンジャーに向かうのではないかということでした。
(ただの八つ当たりなのね)

というわけで、自分に悪いニュースが伝えられても伝えている人と中身は分けましょうという話でした。
(あと自分がメッセンジャーになるときは、どんな言い訳しても嫌われるのであきらめましょうという話かな。)

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