憧れの人を見に神保町まで行く 映画『119』竹中直人監督
神保町シアターで1994年の映画『119』を観に行った
7月19日に神保町シアター竹中直人監督の『119』(1994年)という映画を見てきた。長年火事が起きてない町での一夏の出会いと別れをテーマにした映画だ。
こちらの目的はもっぱらヒロイン役の鈴木京香、あらすじもろくに確認せずに夜の上映に足を運んだ。
感想は…行ってよかった!
の一言に尽きる。座り心地のいい椅子に座って、ひたすら目の前の大画面で見る推しの姿はすごいよかった。見終わったあとも、余韻に浸っており、こんなに日数が経っているのにこうして感想をしたためるほどだ。
リバイバル上映に行ったのは大学生のとき依頼だから、ずいぶんと久しぶりだけど、やっぱ見たいものは見に行くべきだなと実感した次第。
大きい画面で見ることの効用
当たり前だけど映画館だとスクリーンが大きい。普段映像を見るのはパソコンかスマホのみという生活をしていると、映画館のスクリーンに圧倒される。大きな画面というのは細部まで良く見せる、何気ないシーンであっても大きく見える。
『119』の舞台となる町は、今ではもう見られないような木造の家が立ち並び、町中を水路が走っている。当時ならどこでも見れただろう景色が細部まで見えることの驚異を感じずにはいられなかった。
雨の日に水たまりに反射する、町あかりや家の電気、海辺での移りゆく陽の動き。大きな画面で見ること自体が映画という体験の良さなんだなーと実感した。
『119』感想
『119』はジブリ映画の実写版みたいな爽やか青春ムービーだった。火事が長年起きていない町で消防士を務める竹中直人や赤井和英たちのもとに、東京から来た鈴木京香が現れる。
東京からヒロインと消防士たちとの一夏の交流を淡々と描いていく。ところどころにクスリとするシーンもあるし、ときにはドキリとするような各自の事情も垣間見える。
時間軸は直線的で、明確なストーリーで観終わるとああ面白かったなと、ちょっと寂しいような感傷が残る作品だった。まさに王道の青春映画。
今は見れない景色にうっとり
この映画に出てくる景色はもう今の日本じゃ見られない。だいたい消防署が木造建築だし、町中を流れる水路は残っているにしても、家々はもう建て替えが進んでしまっているだろう。
ヒロインが滞在する親戚の豆腐屋もそう、鍋で豆腐を買いに行くなんて経験が皆無な身としてはノスタルジックというか、もう一種のファンタジーにすら感じるほどだ。
たった30年でこんなにも景色は変わってしまうのだなと、時の流れの容赦の無さを実感する。そんな古き良き時代?の感傷にうっとりできるいい作品でした。
これからも気になるなら見に行く姿勢を大事にしていきたいなー。
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