見出し画像

マミートラックと中年の危機的な戯言【6日目】

私は働く母親。
またの名をワーママ。
週5日、時短で働いている。

高齢出産でようやく授かった子どもは
まだ幼い。
夫は不規則なシフト勤務で、長期休暇は年間通して一切ない。
平日は朝か夜のどちらかをワンオペでこなしている。
土日もほぼワンオペ。

仕事は非正規。
十数年目。
正社員になれることはないし、その気もない。
給与は今の職種ではもうこれ以上は上がらない。
職種を変えれば年収アップも可能だけれど、それだと保育園のお迎えが不可能になる。
今の仕事は好きだし、できるし、福利厚生も良いし、人間関係も良好。
けれど、なんだか飽きた。
長く働くと、どうしても傲慢な気持ちになる時があるのを、ぐっとこらえる。
家族のために。
お金のために。

ネットや雑誌を開けば、同じワーママの情報を探す。
読んで、見て、共通点を見つけては嬉しくなり、
プロフィールを見て、
経歴の華やかさに、“東京”の文字に、
高い壁を感じて画面を閉じる。
輝いているワーママは、都会の人たちだと、
自分とはそもそもが違う“できる”人たちだと、
勝手な思い込みだとわかっていても、拗ねる。

40代になって、太った。
肌荒れがなかなか治らなくなった。
鏡を見たら、また白髪を見つけてしまった。
夜は疲れて22時にはもう瞼が閉じようとする。
世間では「不適切」と言われる時代なのかもしれないけど、昭和を懐かしく感じてしまう。
子どもに戻りたくなる時がある。

子どもはYouTubeに夢中。
夢中にさせてしまったのは
私かもしれない。
学生時代の友達から久しぶりにLINEが届いた。
転職と、それに関する動画の知らせ。
羨ましい。
でもそのLINEを見る時間を作る気になれない。

友達は年々減る一方。
子育てしている、仕事に夢中、実は気が合わなかった、親の介護、経済的な違い、なんとなく…。
理由はわからないし、深追いもしない。
誰かと過ごすよりも、一人の時間が欲しい。

たまの贅沢として、カフェに入ってみる。
辺りを見回すと、ノートパソコンをカタカタと、ノマドワーカー的なお洒落な人たちが、令和を生きている。

私も令和を生きているはずだけど、
なんだろうか、平成の、あの特有の、
キラキラした感じとは
いつの間にか遠く離れてしまった気がする。

おばさんになってしまったのかな、私。
このカフェは、似合わなくなってない?
私、大丈夫?
そんなことを思いながら、noteを、スマホで、
ガラケーの打ち方で一生懸命書く。

さて、今年度が終わろうとしている。
私は4月からも、何も変わらない。
変わらないのだ。

それでも、
生きる。

それでいい。

家族のために。



私のために。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?