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よちよちある記#414『別れ』

雨降りの朝

しとしとでもなく
ポツポツでもなく
もう少し早い雨音が
窓の外から聞こえてる

しんみりとしてしまう朝
どうにも動き出せず
布団の中で雨の音を聞いてる

 
ひとつひとつ 消えてゆく雨の中
見つめるたびに 悲しくなる
傘もささず 二人だまっているわ
さよなら 私の恋

思いきり泣いて 強く抱かれたいけれど
今の私は遠すぎる あなたが

雨は冷たいけど ぬれていたいの
あなたのぬくもりを 流すから
雨は冷たいけど ぬれていたいの
思い出も涙も 流すから

森高千里の『雨』が
頭の中を流れてる

恋してたわけではないけど
大切な方が旅立っちゃった…
信じられないんだよな…

まだまだやりたいことが
たくさんあっただろうに

いつか孫だってその手に
抱きたかっただろうに

会えばいつでも明るい笑顔で
ケラケラと笑い転げてて

 
誰からも愛されてたんだろうな

いち個人なのに
セレモニーホールの駐車場が
第2の方まで満車で
道路にクルマが溢れてる

お焼香に集った方々が
鼻をすすり目を充血させ
目頭を押さえて

強くこらえていたけど
そんな人たちの姿に
堪らず涙が落ちる

 
思い返してみれば
病氣が見つかったことを
聞かせてくれたときに
もう生きることに執着を
してなかったよね
どこか達観していたというのか…

データ上では
かなりの悪い状況なのに
「何かさ私にはそんなこと
起きない氣がするの」
って笑顔で話してくれたっけ

あのときの笑顔を
そのまま信じちゃったな…

 
それにしても若すぎる…

 
こちらをひと足先に卒業だね
あちらに行っても
そのまんまの笑顔でね

今までありがとう
ゆっくりと眠ってね

合掌…

 

こんな氣分なんで
いつもの言葉はゴメンナサイ

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