Led Boots/JEFF BECK
ジェフ・ベックに初めて衝撃を受けた曲。
忘れもしない。それはジャズ好きの彼氏との車での初デートの時のこと。ドライブ中に聴くから自分の好きなCD持ってきなよーと言われていたので何枚か選んで持って行った。
デート当日。車に乗り、まず彼のほうのCDから聴かせてもらおうと思い、彼のCDボックスをあさってみた。その中にジェフ・ベックという人のアルバムが二、三枚入っていた。
めずらしそうにジャケットを眺めていると彼が「ジェフ・ベック、聴いたことない?」と話しかけてきた。「まあ、聴いてみなよ」と言われたのでカーステレオにCDを差し込んだ。
その曲に、衝撃が走った。今までに聞いたことのないギターサウンドだった。歌の伴奏にしか使われないギターと違って、ギターがシンセと絡み合いながら主役を務める曲を聴くのは初めてだったかもしれない。曲が終わるまで黙り込んで聴いていた。
曲が終わり「気に入った?」と聞かれたので「うん」と答えた。すると彼は「俺たち、仲良くやれそうだね」とニコニコと笑った。この人にはかなわないかもしれない。そう思って自分のCDをひっこめ、その日は一日彼のCDを聴いていた。実際その後も彼の音楽的センスにはかなわなかった。彼には教わることが多かった。20代後半以降のわたしの音楽は彼に影響されたものが多い。
『Wired』(1976)収録。ソロ二枚目のアルバム。この曲は一曲目に入っている。ジェフ・ベックは今年の一月78歳で亡くなった。惜しい方を亡くしたと思う。
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