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「20代で得た知見」 F(読書感想部)

はじめに

20代の共感が詰まった1冊。
みなさんは、"20代でやってよかった"と思えることはありますか?
私は20代を終えかかっている今やっと、あのころの経験が私を形作っていることがわかってきました。この1冊はそんな、誰にでもある"あのころ"を鮮明に思い出させてくれる本です。

筆者について

Fさんに関する詳細な情報はなく、1989年11月生まれ、男性、神戸出身、新宿在住というのみです。経歴等は不明ですが、作家歴としては、2017年に作家デビューし現在3作書かれています。(本書は3作目)3作品で累計50万部以上売り上げており、2作目である「真夜中乙女戦争」は永瀬廉さん主演で映画化もされました。すごいです。
XやInstagramで情報発信されているようです。

読んでみての感想

特に共感したところを挙げていきます。

5位:良いと思ったものに対しては良いと発信した方が良い、発信しないと伝わらない。悪いと感じたら、それは自分が本来届けるべき人じゃなかっただけだと思う。
1文目は、例えばこうやって本の感想を書いたり、Filmarksで映画のレビューをつけることは、案外当人に届いているのかも、エゴサとかしてるのかも、と思いました。これからも書いていきます。
2文目は、例えばYoutubeで動画を見て、「あ、これちょっと好きになれないな」と感じたとします。軽い気持ちで低評価を押したりしてはいけないんだなと改めて思いました。多分これも本人に届いていて、行き過ぎた批判で人は折れちゃったりする。ちょっとした気持ちかもしれないけど、そのちょっとは、自分が思っている以上に本人に届くということを忘れないようにしようと思います。

4位:20代でして良かったこと1位は、「誰かと一緒に暮らすこと」
ここでの”誰か”というのは猫を指していて、広い意味では"誰か自分以外の生き物"ということなのですが、これは私もその通りだと思います。
私は親元を離れての一人暮らし、猫を飼う、同棲する、シェアハウスに暮らす、と経験してきましたが、自分の生活や考え方が大きく変わったのは猫を飼い始めたときと同棲を始めたときだと思います。
自分のやろうとしたことができないときや、考えていなかったことに遭遇したとき、「まぁいっか。」と思えるようになったのは、人生で大きなことです。

3位:あなたがこれまで信じてきたものは、あなたの故郷である
10代の頃に好きだった映画や音楽、良いと思った言葉、それらを久しぶりに見た時に心が全然動かなくて、ちょっとだけ悲しかったりすることってあると思うのですが、それってFさんによると、年を取ったということらしいです。年を取っただけで、冷淡になったわけじゃない。そのとき好きだったものにはその当時の自分の考えや性格があって好きだった。それすなわち故郷ってことらしいです。これを読んで、私はあの頃一生懸命だった自分の形を思い出しました。そして同時に、過去ばっかり考えて私って老けたなぁ、、とも思いました。老化を実感させてくれたので3位。もっと未来の楽しいことを楽しみにして生きたいものです。

2位:私たちは、勝つために生まれてきたのではない、美しく敗北するために生まれてきたのだ。
自分が変わったと思える瞬間には、必ず”私はこの人には勝てない”という気持ちがあるらしい。
確かにそうなんですよね。人のことを嫌だと思ったり、こうしてほしい、と思う気持ちは自分側に向いているけど、それが”この人には勝てない”に変わった時、人への愛情の気持ちになっているのだと思います。私は、昔の恋人の一人や、母親、実家の猫に対してそう感じます。10代の頃はそうじゃなかったけど、最近はこの気持ちがわかります。この人のすることならなんでもいい、間違ってても、ちょっとうざったくても、それでも好きだ、この人にはかなわない。そういった感じです。この気持ちを20代で感じられて本当に幸せだと感じます。そんな人との出会いに感謝です。

1位:矛盾まみれの瞬間
Fさんの知人男性の妻が、出産を間近に控えていたときに、その男性は矛盾まみれだったそうです。寂しくて寂しくてたまらないけど、嬉しい。嬉しくてたまらないけれど、むなしい。だけど幸せでしょうがない。私は、この部分を読んで、子どもって良いなと思ったわけではありません。
人生にはこのように言葉を超えた矛盾のような、大きなインパクトをもたらす何かが起こるんだ、と衝撃を受けました。正直言うと、そうした出来事が無かったわけではありません。でも自分にもまだこれから起こる余地があるのだと、これを読んでそう感じ、その瞬間は死にたい気持ちをちょっと忘れました。この本の巻末に書かれているのですが、1冊の中でこの部分が一番よかったです。

最後に
私が20代で得た知見は、転職前に有休を消化して夜行フェリーの旅に出たこと。小さな村の民宿に泊まりながらレンタカーで秘境の絶景を見たこと。帰路、東京で大雨に遭遇し、地下鉄を上がって地上に出る階段から降ってくる雨粒を見つめていたときに、見知らぬサラリーマンが傘をくれて、私も与える人になろうと思ったこと。
みなさんのこれまでに得た知見は何だったでしょう。この本を読むと自然と思い出すことがあろうかと思います。

全体を通して思ったのは、この作者は恋愛に対して卑屈めいた部分があるなということ。実際問題として筆者がモテなくて、良い思いをしてない、とは思いません。多分それなりの経験を積んでおられるでしょう。がなんか、可愛い女だとかイケメンに対して、どうせ自分なんて、といった要素を感じざるを得ませんでした。私は言いたい、”どうせイケメンなんて、、というやつがいちばんイケメンが好き(面食い)である”と。

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