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はじめて出会った本

「小さい頃はどんなお子さんだったのですか?」
「とにかく本が好きな子でした」

15年程前のこと。某ホテルの日本料理屋で行われた結婚相手のご家族との顔合わせの席での会話が妙に残っている。
今も変わらず朗らかな雰囲気をもつ義父からの質問に、母がまず答えた言葉だった。どうやら私は赤ちゃんの時から本が好きだったようだ。

はじめて出会った本は、オランダの絵本作家ディック・ブルーナさんの『ちいさなうさこちゃん』のシリーズ(福音館書店)。
『ゆきのひのうさこちゃん』『うさこちゃんとどうぶつえん』『うさこちゃんとうみ』他にもあるが、特にこの3冊から流れる幸せな空気感は、私という人間のベーシックな部分の幸福感に影響を与えてくれた大事なピースであったと思う。

大人になり、ブルーナさんの名言集『ディック・ブルーナ 夢を描き続ける力』(2015年10月23日初版発行,KADOkAWA編,株式会社KADOKAWA)を読んだ時、
私が受け取った「幸福感」の答え合わせができた気がした。


ブルーナさんへ。

あなたが絵本に込めた思いは、遠く離れた日本の小さな小さな女の子にもちゃんと届いていました。
心からありがとうございます。


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