「浮雲」を読んで

「言文一致体」を導入した近代文学の先駆的作品として知られているこの小説。恥ずかしながら、先日初めて読みました。
裕福ではない家庭に生まれながらも学問を修め、官吏として勤めていた文三は、上司と良好な関係を築けず解雇されてしまいます。友達以上恋人未満だったお勢も心変わりし、同居している叔母から毎日のように小言を言われるうちに、文三は精神的に追い詰められていきます。
未完のこの小説では、当時の知識階級の若者が社会と向き合う中で直面した苦悩(自分の信念に背いても上司に迎合すべきか、などなど)が描かれており、ユーモアが漂う中でも暗い結末を感じさせました。
人物描写が巧みで、読んでいて作品に引き込まれます。ぜひ読んでみてください!

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