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2014年個人的洋楽ベストアルバム20

今からちょうど10年前になる2014年に発売された洋楽アルバムを聴きまくるマラソンをX(Twitter)とThreads上で続けていました。約80枚聴いたところで気に入ったもの20枚に自分なりの順位を付けて終了します。コメントは必要に応じて修正を加え最後に簡単な所感を書き下ろしました。お時間あればご覧ください!☺️


20位 SBTRAKT/Wonder Where We Land

昨年リリースされた3rd「Rat Sound」も記憶に新しいロンドンの覆面プロデューサーAaron Jeromeによるプロジェクトの2nd。3rdと同様に美声の盟友Samphaが数曲参加し作品に深みを与えている。他にもEzra KoeningやJessie Wareらが参加。静謐で洒脱な音楽。


19位 Ariana Grande/My Everything

日本でもヒットした2nd。Zedd参加のEDM、The Weeknd参加のオルタナR&B、Notorious B.I.G楽曲のサンプリングなどバラエティ豊かな内容は音域が広く声量は控えめの彼女の個性に合ってるんだと思うな!


18位 Run the Jewels/Run the Jewels 2

アトランタのラッパーKiller MikeとブルックリンのプロデューサーEL-Pによるスーパーグループの2nd。Nine Inch Nails張りのインダストリアルロックとバッキバキのラップの相性がこんなにいいなんて!M4「Close Your Eyes (And Count to Fuck)」ではRage Against The Machineのデラロッチャまで絡んでくるなんて!


17位 Coldplay/Ghost Stories

まるっと1枚グウィネス・パルトロウと離婚したChris Martinのハートブレイクアルバム。確かに沈鬱な曲が多いしジャケは2つに裂けたハートにしか見えない。でもだからこそ”A Sky Full Of Stars”の天翔けるアンセム感は際立ち夭折した客演のAviciiに永遠の命を与えているかのよう。


16位 The War On Drugs/Lost In The Dream

袂を分かった盟友Kurt Vileよりも一般受けしそうなアクの弱さを却って苦手に感じていたが何度か聴いてケレン味のない歌声に撃たれた!それにしても一部のアメリカ人にとってBruce Springsteenの存在って大きいんだなあ、と感じさせられる一枚。


15位 YG/My Krazy Life

コンプトン出身のラッパーYGの1st。テン年代西海岸を代表するHIPHOPプロデューサーのDJ Mustardがメインプロデュースを担当。Kendrick Lammerの「good kid, m.A.A.d city」と対をなす作品とも言われる。怖そうだが流麗だったりする「ウェッサイ」HIPHOP。


14位 Alvvays/st

カナダ東海岸島しょ部出身のメンバーによりトロントで結成されたインディーポップバンドAlvvaysの1st。まだ記憶に新しい2022年の名作3rd「Blue Rev」に比べるとローファイで初々しくノスタルジックで甘酸っぱい。初期の頃はYuckとかPains Of Being Pure At Heartとかそっち系だったんだなぁ。


13位 Warpaint/st

LA拠点の女性4ピースWarpaintの2nd。
1stよりもロック色が薄れてアート色強め。知ってる範囲で言うとPortisheadとBeach Houseの中間ぐらい?輪郭のぼやけたドリームポップ的なプロダクトだけど歌声はキュートで割とはっきりしているのでそこが個性。好きな雰囲気です。


12位 Ed Sheeran/X

全世界で1250万枚以上のセールスを記録した2nd。Pharrell WilliamsやRick Rubinが楽曲プロデュースに参加。ベタすぎるメジャー作品と偏見を持たず「新進気鋭の白人男性SSW」の作品だと思って初聴きしてみるとR&Bの要素あり繊細さと骨太さが程よく同居する佳作でした。


11位 Skrillex/Recess

意外にも本作が1stフルアルバム。バッキバキ一辺倒でなくM10”Ease My Mind”のようにエモーショナルな曲もありそれが作品に奥行きをもたらしてる。SkrillexやAviciiをリアルタイムで聴いてたってことにならないかな…EDMを懐かしがってみたいってヘン?


10位 SZA/Z (EP)

SZA(シザ)本格ブレイク前のEP。テン年代前半オルタナR&BのEPやミックステープってThe Weekndの3部作とかFrank Oceanの「Nostalgia, Ultra.」とかヤバいのが多いけどロックテイストや洗練味を武器にこれも負けてないじゃん、と思います。


9位 The Black Keys/Turn Blue

前作「El Camino」に引き続いてDanger Mouseを共同プロデューサーに起用した8th。その前作に比べるとギター抑えめシンセサウンド強めで曲調少ししっとりめ。これはこれでムード歌謡っぽい趣きになりいい感じ!


8位 Tinashe/Aquarius

当時弱冠21歳オルタナR&B歌姫の1st。DJ Mustard, Dev Hynes, ScHoolboy Q, Future, A$AP Rockyらこの年代の空気を作ってるメンバーが様々な形で参加するwell-madeなアルバム。艶っぽい声に遅めのBPMと重めのリズムが個人的にツボでした。


7位 Blake Mills/Heigh Ho

カリフォルニア州拠点のSSW/ギタリスト/プロデューサーBlake Millsの2nd。ミュージック・マガジン2022年9月号特集「21世紀のギター・アルバム名盤111」からのピックアップ。スローな展開中心で余白を活かしてギターの鳴りの聴かせどころを心得ているというか何と言うか…好きです❤️


6位 Alex G/DSU

5th。タイトルは架空の大学Dream State Universityの略。ちょっと可愛いくないですか?今回もElliott Smithを強靭にしたような素朴でメロディアスな曲が揃う。フィラデルフィア出身のミュージシャンってTodd RundgrenにKurt VileにAlex Gと好きな人ばっかりだと気付いた。


5位 Beck/Morning Phase

Mutations、Sea Change、Modern Guilt路線のクリスタルクリアに美しいアルバム。しばらくの間サブスクから消えていたが私の2014年マラソン開始に間に合うよう配信再開に向けて奔走頂いた関係諸氏にまずは一言御礼申し上げたい。
注:ホント偶然です。これは嬉しかったなぁ!


4位 FKA Twigs/LP1

英国出身でジャマイカとスペインにルーツを持ちダンサーでもあるFKA Twigsの1stフルアルバム。「ダブステ混じりのオルタナR&B」なんだけど空間的な拡がりを感じさせる音響であったり吐息混じりのエモーショナルな歌声が本作をそれ以上の何かにしている。


3位 Prince/ART OFFICIAL AGE

4年ぶりの新作として2枚同時発売されたうちの1枚。こちらは往年の殿下のイメージに忠実なファンク色濃厚でファルセット炸裂の充実作!同じ年にPrinceフォロワーを公言してやまないD’Angeloの「Black Messiah」が出てるのも何かの縁ですね…


2位 Lana Del Rey/Ultraviolence

The Black KeysのDan Auerbachをプロデューサーに起用したことでUSインディ的なニュアンスも漂う3rd。一方で独特の歌詞世界にもますます磨きがかかり日本人的感覚でいうと阿部貞子や峰不二子を想起させる瞬間もあって戦慄しちゃう(僕だけ?)


1位 D’Angelo And The Vanguard/Black Messiah

Voodooから14年後に発表された3rd。全て生演奏とされるグルーブ感は前作そのままにロック感とファンク感は増してプリンス張りのファルセットには磨きがかかっている。2000年マラソンから約2年聴くのを我慢してきたけどその価値はあった!


所感

「Black Messiah」が出た2014年はD’Angelo好きというかあの手のソウル・クエリアンズ的なグルーブを好む人達にとってはさぞかし特別な年だったのだろうなぁと思います。とはいえ12月リリースだったため色んなAOTYには間に合わず人々がじっくり聴いたのも2015年だったのかもしれません。いわゆる「有力盤12月リリースあるある」ですね!(そんな「いわゆる」あるのか?)

2014年というと一般的にはPharrel Williamsの”Happy”が大ヒット。「アナ雪」も大ヒット。EDMが隆盛の時期を迎えつつありColdplayやLordeが活躍してU2が新譜をiTunesに勝手に無料配布してまあまあ顰蹙を買った年という…後追いの表層的な認識ではそんなイメージを持ってます。

個人的なマラソンの感想としては最近のマイブームであるオルタナR&Bの歌姫たち、SZAやTinasheやKehlaniといった人達が頭角を表しつつあることを示す音源に触れられたのが嬉しかったですね。

あとは20枚に選ばなかった注目作をいくつか。

まずはTaylor Swift「1984」。
国内メディアでは「シンセポップに舵を切った」「キャリアの転換点」「そして彼女は勝った」と折に触れて大絶賛するものとそうでもないものに真っ二つの印象。現在の状況を鑑みると前者が正しかった!僕も曇りのない耳でTaylor’sバージョンともども聴いてみたけど…ごめん、やっぱり「folklore」以降の彼女が好きみたいです。身も蓋もない話ですみません…

Flying Lotus「You’re Dead!」。
SNS上で感想も書いたしリピートして聴いてた時期もあったんだけどnoteにまとめる段になって再聴したら…あれ?もう一生分の回数を聴いてしまったのでしょうか?

…まあ、現時点の気分ということでここは一つご容赦を。

さてこのマラソンも回を重ねてきて最近思うのはこの先何年にも渡って繰り返し聴ける愛聴盤に巡り合うためにやっているんだという目的意識や視座を失ってはいけないなということ。漫然と自分が音楽をあまり聴いていなかった時期の空白を埋めるためにやってるって言うんじゃ時間がもったいないですよね。はい、これは自分に言ってます。そう言う意味では上位陣に行くほど自然と愛聴盤候補が揃ってる!うん、大丈夫!

X(Twitter)やThreads上でお薦めやいいねやコメントを寄せて頂いた皆様、本当にありがとうございました!名前を上げておすすめ頂いたものはサブスクにあれば聴いております。全部に感想を書けなくて申し訳ありません🙇

以上、最後までお読み頂きありがとうございました!

以下に資料として感想を書いたもの書かなかったもの全曲聴いたもの途中で挫折したもの含めて聴いたもののリストを掲載しておきます。

  1. D’Angelo And The Vanguard/Black Messiah

  2. Lana Del Rey/Ultraviolence

  3. Prince/ART OFFICIAL AGE

  4. FKA Twigs/LP1

  5. Beck/Morning Phase

  6. Alex G/DSU

  7. Blake Mills/Heigh Ho

  8. Tinashe/Aquarius

  9. The Black Keys/Turn Blue

  10. SZA/Z (EP)

  11. Skrillex/Recess

  12. Ed Sheeran/X

  13. Warpaint/st

  14. Alvvays/st

  15. YG/My Krazy Life

  16. The War On Drugs/Lost In The Dream

  17. Coldplay/Ghost Stories

  18. Run the Jewels/Run the Jewels 2

  19. Ariana Grande/My Everything

  20. SBTRAKT/Wonder Where We Land
    以下順不同
    Aphex Twin/Syro
    Pharrell Williams/Girl
    J. Cole/2014 Forest Hills Drive
    Flying Lotus/You’re Dead!
    Angel Olsen/Burn Your Fire for No Witness
    Linkin Park/The Hunting Party
    Arca/Xen
    Foster The People/Supermodel
    Foo Fighters/Sonic Highways
    Grouper/Ruins
    30
    Kasabian/48:13
    Cloud Nothings/Here And Nowhere Else
    Nels Cline & Julian Lage/Room
    The Hotelier/Home, Like Noplace Is There
    Chet Faker/Built on Glass
    Royal Blood/st
    Temples/Sun Structures
    Sam Smith/In The Lonely Hour
    Jack White/Lazaretto
    Mac DeMarco/Salad Days
    40
    Madlib / Freddie Gibbs/Pinata
    Manic Street Preachers/Futurology
    Perfume Genius/Too Bright
    Kero Kero Bonito/Intro Bonito
    Kehlani/Cloud 19
    Maroon 5/V
    St. Vincent/st
    Jessie Ware/Tough Love
    Thom Yorke/Tomorrow’s Modern Boxes
    Real Estate/Atlas
    50
    Andy Stott/Faith in Strangers
    Jungle/st
    Damon Albarn/Everyday Robots
    Taylor Swift/1989
    U2/Songs Of Innocence
    ScHoolboy Q/Oxymoron
    Meshell Ndegeocello/Comet, Come To Me
    Slipknot/.5:The Gray
    Nicki Minaj/The Pinkprint
    Theo Parrish/American Intelligence
    60
    Caribou/Our Love
    The Horrors/Luminous
    Quantic/Magnetica
    Actress/Ghettoville
    Vince Staples/Hell Can Wait EP
    Catfish And The Bottlemen /The Balcony
    Ryan Adams/st
    The Roots/ ...And Then You Shoot Your Cousin
    Charli XCX/Sucker
    Sia/1000 Forms of Fear
    70
    Tony Bennett & Lady Gaga/Cheek to Cheek
    Laura Mvula/with metropole orkest...
    Geotic/Sunset Mountain
    Hundred Waters/The Moon Rang Like A Bell
    Hozier/Hozier
    Spoon/They Want My Soul
    Anderson .Paak/Venice
    Eno・Hyde/Someday World
    Eno・Hyde/High Life
    Tom Petty & The Heartbreakers/Hypnotic Eye
    80
    Bruce Springsteen/High Hopes [feat. Tom Morello]
    Neil Young/A Letter Home
    Neil Young/Storyone

番外編(邦楽)
坂本慎太郎/ナマで踊ろう
森は生きている/グッド・ナイト
くるり/THE PIER
赤い公園/猛烈リトミック

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