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2015年個人的洋楽ベストアルバム25

2015年に発売された洋楽アルバムを聴きまくるマラソンをX(Twitter)上で続けてきました。約80枚聴いたところでいつもは気に入ったもの20枚に自分なりの順位を付けて終了するんですがこの年はどうにも絞れなくて25枚に拡張。コメントは必要に応じて修正を加え最後に簡単な所感を書き下ろしました。最後までご覧いただけると嬉しいです!


25位 Jamie xx/In Colour

The XXの頭脳Jamie Smithの1stソロアルバム。盟友Romyのゲストボーカル入りの曲もあればアンビエントありBurialの曲だと言われても分からないようなダブステもあり。それなのに独特な美意識に貫かれていて散漫な印象にならないのがホント不思議。


24位 Future/DS2

「トラップ・キング」Future の3rd。ブーンブーンという重低音にチチチチチという連続ハイハットの組合せが中毒性を醸し出す。Billie Eilishの初期作を例に取るまでもなくつい最近までこんな音作りの曲がもっともっと溢れていた気がする。本家はやっぱり気持ちいい。


23位 Noel Gallagher’s High Flying Birds/Chasing Yesterday

昨年の東京ガーデンシアター公演で””Don’t Look Back In Anger”もシンガロングできたしということで何となく自分の中でノエルには一区切りついた感があって、冷静な気持ちでこのソロ2ndを改めて聴いたところ存外に良くてXに感想をアップした。1曲目“Riverman”の緊張感が全編を貫く引き締まったいいアルバムだよなぁ…


22位 Erykah Badu/But You Caint Use My Phone

電話をテーマにしたミックステープ作品。Ray Parker Jr.、Todd Rundgren、Usherなどの既存曲の再解釈が楽しい。90s後半から00sにはネオソウルの女王だった彼女が10s半ばにものにしたオルタナR&Bど真ん中の佳作。常に環境に恵まれた人だ!


21位 Alabama Shakes/Sound & Color

活動休止中のAlabama Shakesにとって現時点での最新盤となる2nd。ブルージーでソウルフルでパワフル。「カッコいいとはこういうことさ」というフレーズをここぞとばかりに使いたくなるアルバム。


20位 Beach House/Depression Cherry

ボルチモアの2人組ドリームポップユニットの5th。とてもシンプルな音作りでうっとりするような出来映え。吉本ばななの短編小説「ムーンライト・シャドウ」が影響源の1つとされている。個人的にはちょっと切ない”Space Song”が好き。


19位 Yo La Tengo/Stuff Like That There

自身の過去曲やThe Cureなどのカバー曲主体のアコースティックなアルバム。自分がカフェの店主だったらこういうのかけたい…なんて思えるようなヨラテンのアルバムがあるなんてね。お洒落すぎずリラックスできて良い感じです♫


18位 Courtney Barnett/Sometimes I Sit and Think, And Sometimes I Just Sit

豪州タスマニア出身の左利きギターヒロインCourtney Barnetの1st。Bob DylanやDire Straits的な気怠い歌唱とセットでUSインディー的なギターロックの魅力をこれでもかと投げつけてくる。


17位 Natalie Prass/st

オハイオ生まれバージニア育ちのSSW、Natalie Prassの1st。曲も声も好きだけど「おぉ?!」ってなったのは分厚いホーンの使い方。Laura Nyroみたい。バークリー音大に在籍していたこともあってかデビュー盤から音楽の作り方が手慣れてるというか…2ndも聴こう!


16位 Kamasi Washington/The Epic

LAジャズシーンの中心的存在にしてテナーサックス奏者Kamasi Washingtonの1stは17曲172分の超大作。Robert Glasper聴くのとは訳が違うジャズジャズしいジャズ。長いけど聴き始めるとスルーできなくて何日かかけて聴いた。M6,8,11,13,14が好きだけどそういう聴き方ではなく6曲6曲5曲の3枚組構成なので新しめのジャズを聴きたくなったら「今日はThe Epicの3枚目でも聴くか」というような感じで今後も付き合っていきたい。「BLUE GIANT 」の主人公もテナーサックスだから読んでる時のBGMにもよさそうですね。


15位 FKA twigs/M3LL155X EP

1st「LP1」の翌年に出たEP。「メリッサ」と読む。スローで空白の多いエレクトロニックサウンドと吐息混じりの歌で構成される5曲18分。彼女自身が監修した16分のMVは尋常でない内容に見事なダンス。頭のてっぺんから爪先までアートな人だと思う。

タップすると再生できます

14位 Kurt Vile/b’lieve i’m goin down…

この人とかMac DeMarcoとかMark KnopflerとかもちろんBob Dylanとか脱力系の人達ってつくづく「知的な野生児」だと思う。適当に本能のまま歌ってるようで歌詞も音作りも色んなこと考えてる。でなきゃ何作もいいの出し続けられないよ…


13位 Hiatus Kaiyote /Choose Your Weapon

メルボルンのネオソウルカルテットHiatus Kaiyoteの2nd。ジャズの要素が濃厚でラテンフレーバーに加えて西アフリカファンクの影響も入っているんだとか。全体を貫くボーカルは艶っぽく自由でグルービーな独特の音楽を展開。これは凄い!


12位 Tyler, The Creator/Cherry Bomb

LAラップ集団オッド・フューチャー(OF)リーダーの3rd。1st「Goblin」2nd「Wolf」と順番に聴いてきたけどここにきてスタイルが変わってきたと言うか曲によってはプログレッシブだしM10”FUCKING YOUNG/PERFECT”なんてKali Uchisが歌っちゃう普通にいい曲だし。面白い!


11位 New Order/Music Complete

僕は決して熱心なNew OrderやJoy Divisionのリスナーではなくてその分フラットな気持ちでこの10年ぶり10作目を聴けたけどとても気に入ってしまった。ロックとエレクトロの融合。10年代現役アーティストとしての80年代音楽の参照。そんな感じがいい。


10位 Travis Scott/Rodeo

幾つかのミックステープを経てリリースされた1st。段々わかってきたけど10年代半ばからのメインストリームの音楽ってこんなイメージ…まあその…トラップ?その中心周辺にいる人の作品はやはり強度というか中毒性があるなあと…M4〜9の流れとか好きだな♫


9位 Nico Segal/Surf

かつてDonnie Trumpetと名乗っていたシカゴのトランペッターが同郷の盟友Chance The Rapperと組んで制作したアルバム。僕が知らなかっただけで超有名な作品なのか知る人ぞ知るレベルかわからないけど多幸感に溢れた他に類を見ないタイプの傑作なのでは?


8位 Young Fathers/White Men Are Black Men Too

エジンバラのトリオによるポリティカルなタイトルの2nd。ヒップホップ、R&B、クラウトロック、ゴスペルなど色んな構成要素を指摘されているが全体的にはポップ。そして骨太で祝祭的で凄い熱量。ソニマニで観たいけどね…


7位 Ty Dolla $ign/Free TC

Kanyeの最近作「VULTURES 1」でがっつりタッグを組んでたLA出身シンガーの1st。無期収監中の弟の釈放を願って作られたという重い背景の割には聴きやすい。骨太な部分とポップネスのバランスがいいんだろうか。飛び切りのR&B作品になっていると思う。


6位 Lana Del Rey/Honeymoon

比較的影の薄い4thだが内容に遜色なし。”The Blackest Day”なんてかなりの傑作だ。このアルバムに限らずだが勢いで誤魔化しの効かないスローテンポの曲で歌詞・メロディ・唄い方があまりにもフィットしていてある種のマジックが起きてるように思う。 “High By The Beach”のMVなどを観ているとラナと虚構の世界のヒロインを同一視してしまいそうになるのもそうしたマジックのなせる技かと。


5位 Sufjan Stevens/Carrie & Lowell

「Michigan」「Seven Swans」から来て「A Beginner’s Mind」「Javelin」につながっていく流れの中で一際美しく悲しい7th。母親の死をモチーフにした個人的な内容で基本的にギターとバンジョーで綴られる。悪く言う人を見かけないので逆に身構えてしまったがやはりいいものはいい。↓こんな風にイジられるのも名盤の証ってことか。(画像は拾いものです)


4位 Tame Impala/Currents

多くのメディアから高い評価を得た3rd。粘着質の前2作とは異なり乾性のあるサイケデリックさ。猛威を振るっていたギターとスネアが大人しくなりキーボードとファルセットが前に出てその分クリアな印象に。Kevin Parker1人だから変化もスムーズですね。


3位 The Internet/Ego Death

ブレーク作となった3rd。当時高校生だったSteve Lacyはここから参加。才気走ったメンバー達の化学反応で生演奏グルーブとアンビエントR&Bの融合した作品に。「D’Angelo/Voodoo」や「The Weeknd/Trilogy」がツボる僕には当然のようにブッ刺さってる!


2位 The Weeknd/Beauty Behind The Madness

2015年に最もSpotify で再生されたアルバムとなりM7”Can't Feel My Face”は初の全米1位となった出世作。初期ミックステープ3部作のダークな雰囲気は残しつつMax Martinのプロデュースを受け入れ、Ed Sheeran, Lana Del Reyとのコラボなどで垢抜けていく過程は聴き応え満点💯「House Of Balloons」から順聴きしていると彼がダークなオルタナR&Bヒーローからポップスターへと昇華する覚悟を決めた瞬間のドキュメンタリーを目の当たりにしているようでオモロいですね😆 ゴゴゴゴ音が鳴ってるような気がするわ。


1位 Kendrick Lamar/To Pimp A Butterfly

業界腐敗、自己矛盾などで苦悩した先に辿り着く自己愛と2Pacとの「会話」…各曲単体でも濃いのに曲の配列にもちゃんと意味があり…七尾旅人作品を思い出す…加えてFlying LotusやKamasi Washingtonに音楽面でも支えられ…改めて聴けば聴くほど多層的で深い…


所感

1位には何の迷いもなく希代の名盤ケンドリックTPABを選びました。…がっ!それにとどまらない大豊作の年だったと思います。特にオルタナR&B、トラップと呼ばれるジャンル(所有のディスクガイド等で分類が確認されたもの)の層が厚くて束になってうねりを成してるようにさえ感じられました。当然順位もそれを反映した結果になっていて
オルタナR&B:2、3、7、15、22位
トラップ:10、24位
と気づけば25枚中7枚も選んでいました。

↑選外のYoung Thugを含めた8枚のサムネです

このマラソンも90年代半ばを走ってた頃と違って「ついこの間」みたいな時期に差しかかってきました。少し前に流行ったものってまだ一巡感がなくって却って一番古臭く感じたりしますよね。でもこれらのジャンルって一時のブームというよりは今のシーンに血肉化して溶け込んでるように思います。そうなるには理由があって浮遊感、酩酊感あるプロダクト。その根底にあるしっかりした歌唱やラップ。その結果としての強い中毒性。そんな魅力についつい引き込まれて色々手を広げて聴いてるうちにたくさん選んじゃったという感じですかね。今現在の、特にメインストリームの音楽がよりよく理解できた(気がする笑)という副次的効果も得られました。

そういう話とは関係なく「あー聴いてよかったな」と思ったのが11位のNew Orderです。このバンドはJoy Divisionも含めて”Bizzare Love Triangle”ぐらいしか強い印象に残ってなかった人生でしたがソンしてたんだなって感じました。これからちゃんと聴いていこうと思います。

ロックは好きだけどロックだけが好きなわけではなく好奇心の強い自分にはこういう年度で区切って幅広く聴くやり方があってるなとつくづく思った年でした。ゴールの2020年まであとわずか。楽しみながらやっていきます♫

…X(Twitter)上でお薦めやいいねやコメントを寄せて頂いた皆様、本当にありがとうございました!名前を上げておすすめ頂いたものはサブスクにあれば聴いております。全部に感想を書けなくて申し訳ありません🙇

末尾に資料として感想を書いたもの書かなかったもの全曲聴いたもの途中で挫折したもの含めて聴いたもののリストを掲載しておきます。

最後までお読み頂きありがとうございました!

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41〜60枚目
61〜83枚目

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