DXにおける大きな勘違い(その2)
前回は、DXとは、まず第1に”人体に張り巡らされた「神経」が全身の状態を一瞬にして「脳」に送り、脳が即座に「判断する」ように、企業内にデジタルによる「感知システム」を構築し、迅速な「経営判断」が行えるようにすること”とお伝えしました。今回は、IotやAIと言うデジタル技術の使い方について考えてみましょう。
よく聞くことに、DX部門が設立されて、経営者から「IotやAIの活用を考えろ」と言う指示が来る・・・と言うものがあります。このような「漠然とした指示」に戸惑っている担当者の方も多いのではないでしょうか?
こうした指示の許にコンサルやITベンダーに開発依頼をしている企業も多いと考えますが、どうでしょう、プロジェクトは上手く進んでいるでしょうか?
日科技連(一般財団法人日本科学技術連盟)から興味深いレポートが出されています。「PoC貧乏になる原因と対策の研究」
このレポートは、ITベンダーの技術者がAI開発の成功と失敗について、執筆しています。興味深い点は、「失敗案件の場合、「顧客が課題設定したが、技術的ハードルが高い」「開発が課題設定を行い、現場ニーズと乖離」といった要因で失敗。」と失敗の背景を指摘し、対策として「②課題設定時には顧客と共創すべし」とされていることです。
筆者は、この点について驚いたのですが、AI開発において「課題設定」の多くがベンダーによって行われている・・・のです。ここに書かれている「顧客」はユーザー企業です。つまり、ユーザー企業がAI開発の目的すらベンダーに任せている(投げている)ケースが多いと言うのです。ユーザー企業の担当部署が「AI」と言う言葉を相手に何をしていいか分からず、兎に角、上から指示されたのでプロジェクトを立ち上げて丸投げし、失敗しているのです。これでは、DXどころではありません。お金をドブに捨てているようなものです。経営者の立場からしても、自らがDXを考えずに下に丸投げしたのですから部下を叱る訳にも行かないのでしょう。下の立場としても無責任な行動です。
では、こうした状況を避けるためにどうしたら良いのでしょう?
これは、そう簡単ではありません。
別の機会に、DXを進める上で重要な経営戦略・DX戦略について考えます。
この点も、本の中で触れていますので、ご一読をお願いします。
DXについてのご相談を承ります。
⇒こちら Whitetree Consultingのホームページ
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