残念な家づくり@木造住宅の耐震性のお話

「 子供も大きくなってきたし、今の賃貸だとちょっと手狭になってきたし、賃貸料支払うなら住宅一戸建てを買った方がいいのかなぁ」

「Aさんも家買ったんだって!」

「うちも家を検討してみようか!」

そう思って実際に【 家を買いましょう 】というときに、何から始めますか?

地域の住宅展示場に行く?
それとも地域の不動産店舗に行く?
ネットで検索して物件情報を集める?
どうせ買うならカッコいいデザイナーズ住宅も検討する?

私は買い物は買うまでが楽しいタイプの人間なのでこのような悩みはウエルカムなのですが、まったく知らない業界ですと何から手を付けたらいいのやら。。。

住宅一戸建てはとても大きい買い物です。そしてネットの普及によってさまざまな情報が手に入る時代です。何を基準に判断したらいいのか逆にわかりにくい時代になったともいえると思います。
私はスーパーでお味噌を買うときに「どの味噌がいい?」と売り場でいつも悩んでいます。結局はコストバランスで決めていますが、いつもお味噌の判断基準を知りたいものです。

では住宅一戸建ての判断基準はなんでしょう?
『住宅一戸建ての選択』をすごく抽象的にすると
建売住宅or注文住宅の二種類だと思います。

建売住宅ってしょせん建売でしょ?
注文住宅ってお高いんでしょ?
そんなイメージが漠然とありますよね。
では建売住宅と注文住宅の違いを。。。

っとその話をする前に大切なお話をひとつ

なにより住宅一戸建てを買う・建てる時に一番気になることがこれだと思います。

2023年、現在の木造住宅の耐震性ってどれぐらいなの?というお話です。


実際、新築の打ち合わせで必ず上がるのが「地震が来ても大丈夫ですか?」という質問。

人生で一番大きい買い物といわれる住宅。安全性の確認はマストで大切なことなので当たり前の質問です。


そこで説明するのが耐震等級の話です。


耐震等級とは、法律で建物に必要な耐震性を定めた基準になります。
耐震等級が1~3の3段階あります。


等級1:数百年に一度程度の地震に対しても倒壊や崩壊しない・数十年に一度発生する地震は住宅が損傷しない程度

等級2:等級1の1.25倍の耐震性

等級3:等級1の1.5倍の耐震性


現在の建築基準法では最低限の等級1の建物でなければいけません。


これは個人的な意見ですが、私としては等級1でも問題ないと思っています。
実際、自宅は耐震等級1です。
理由は耐震等級2が必要な長期優良住宅を建てようと思いましたが、意匠上の問題で諦めました。

ハイ、性能より住み心地より雰囲気を優先するべくリビングの天井の高さを最優先しました。

私の場合、耐震等級がマストというよりも「税金的に優遇されている長期優良住宅にしようかな」ぐらいの軽い考えで

建てる重要度も【 映え>>>耐震等級 】でした

なので長期優良住宅をサッと諦めて耐震等級1で建てました。


ではなぜ耐震等級1で建てようと思ったのか。


今の新耐震基準が決まったのが1981年とかなり前なのですが、では1981年の建物と今の建物の構造って同じなの?っというとかなり違います。

基準は変わらずだったのですが、建物の強度は

プレカットの普及
構造金物の強化
集成材などの材木の進化

などなど
基準は同じですが市場競争の原理のごとく、構造強度は年々進化していきました。

べた基礎の普及、剛性の取り方、金物の取り付け、新耐震基準に以上のマシマシの耐震性の向上。日本のものづくりのすごさだと思います。
正直現場としては「どれだけやるねん!」という感覚もありました。



そして、建物の寿命問題。



長く住めるのが理想ですが実際問題40~50年に一度は建て替えが必要だと思います。


だって今でも50年前の建物に住もうと思わないでしょ?

50年後に今の住宅は古臭くなっていて、50年後には50年後の新しくて新時代的な建物があるわけです。


50年後の新築物件ってきっと・・・
最新のキッチンはビルトインで自動調理器が入っててボタンひとつで料理を作ってくれたり、洗濯機も干すまで全自動!?そんな未来だと思うんです!(笑)
子供たちが大人になったらそんな建物に住むのが普通だと思うんです。
なのに、現代の建物に住んだら・・・


「えーーこの家、食洗機しかないじゃーん。」とかなっちゃいますよね。(笑)



特に高温多湿のこの気候、これからはもっと気温も上がっていくのでしょう。
その環境に対応するべく日本の住宅も進化していくはずなのです。

なので日本の木造住宅って建て替え前提だと思っています。

そんな木造住宅に数百年に一度の地震の対策で等級3ってコスパどうなんだろう?っと思っています。


もちろん、地震が心配なんです!っというお客様もいらっしゃいますし、そういうお客様にはちゃんと耐震等級3で建ててました。


そして建築会社によって「耐震性は変わるの?」という心配もありますが


今は中間検査、瑕疵担保責任保険の検査は厳密に行われています。

なので
どこの建築業者でも問題ありません。等級通りの住宅を建てています。

これはあの耐震偽装事件からより一層厳しくなって十分過ぎるほど担保されています。


耐震性については等級を選んでしまえば建売だろうと注文住宅だろうとその等級の建物がちゃんと建ちますのでご心配なく。

建築業界に20年いましたが、本当にすごいスピードで進化したのが今の日本の木造住宅なのです。


以上、耐震性のお話でした。


次は建売住宅のお話をする予定です。

今日も読んで頂いきありがとうございました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?