父が亡くなった

父が亡くなった。

入院してから2週間、面会のたびに父が死に近づいて行くのを目の当たりにしてきた。それと同時に父に対して少し持っていた負の感情は消え、浄化されたように感じる。父を全て受け入れられる。子どもに死に様を見せるまでが親の務め、と聞いたことがある。父は私のために、その務めを果たしてくれた。

葬儀はこじんまりと近しい親族だけで行った。亡くなった次の日の葬儀にも関わらず、私のいとこ達も仕事をやり繰りして遠方から駆け付け、4人の孫も全員揃った。みんな父に恩や愛着を持って集まってくれた。父がしっかりと生きてきた証だ。

施設から連れて来た母は悲しさより、久しぶりに親しい人たちに囲まれて嬉しそうだった。良かった。

4才と10才の孫が母親と一緒に摘んだ野の花を手向けられ、晩年愛用したリュックと登山靴、帽子を持って旅立って行った。

パパ、ありがとうね。どこでも好きな所に行けるよ。行ってらっしゃい。

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