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エオランデ:孤独のエルフ

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エオランデ:孤独のエルフ短編州、ファンタジー小説書きます。剣と魔法の世界ですが、剣も魔法も出てきません。人間もドワーフもエルフもオークもいますが、エルフがほぼ一人で旅をするだけの…
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2023年10月の記事一覧

「秋の空 時計」 エオランデ終章:時の羅針盤

「秋の空 時計」 エオランデ終章:時の羅針盤

空は高く澄みわたり、その広がりはまるで無限のよう。エオランデはその空を見上げながら、つぶやいた。

「新しい冒険が始まるわ。」

異国のこの地に根を下ろした友は息災だった。冒険の旅に出るエオランデにとって、大きく強い心の支えと感じられた。

新たに手にした時計を懐から取り出してまじまじと眺めた。その時計は持ち主の時を刻むという。その心を、運命を、未来を。

その時計は羅針盤のように、長針も短針も秒

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異国の風

異国の風

異国の風が吹く、

銀色の髪に絡まり、

遠くの地平線を指し示す。

エオランデ、冒険者の心に

新たな夢を呼び覚ます。

緑の瞳に映るは、

未知の大地と星々。

風は語る、

過去の戦い、失われた友、

そして未来への約束。

彼女は立つ、

風に導かれ、星に願いをかけ、

新たな冒険へと足を踏み出す。

異国の風が吹く、

エオランデの心にも。

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エオランデ外伝:ミーラの冒険

エオランデ外伝:ミーラの冒険

ミーラは灯台のベッドに寝転がり、天井を見上げた。セリュナスとエオランデの冒険話が頭の中で鳴り響いていた。彼女はサーカスでの過酷な日々を思い出し、今の暮らしに感謝していた。しかし、心の中では冒険への憧れがくすぶっていた。

「ぐーぐー」と、灯台の階段から聞こえてくるセリュナスのいびき。ミーラは笑いながら布団をかき集め足場とし、窓の外を眺めた。

月明かりが窓から差し込み、部屋に幻想的な雰囲気を作り出

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灯台守の遺言と再会

灯台守の遺言と再会

灯台の灯火が遠くの海に光を投げかけていた。エオランデは灯台の扉を開け、中に足を踏み入れた。灯台の中は暖かく、古い木と海の塩気が混ざった独特の香りが漂っていた。

「友よ、私は来た。」エオランデの声が灯台の中に響き渡る。

「おい!4、5日足止めしとけと言ったろ!」灯台の奥から声がした。その後、灯台守の顔が現れた。彼の名前はセリュナス、エルフの元テイマーであり、エオランデの師匠だ。

「エオランデ、

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