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プロの漫画から学ぶ漫画の描き方8(2のリメイク)

※この勉強法は劇薬です。

もの凄いしんどいです。

時間もかかります。

初心者には早すぎる勉強法です。

最低でも視線誘導を意識したり

コマの中の情報量を調節したりしながら

漫画を製作してる人でなければ

ついていけません。

その上

ぼくは丁寧に教える気がありません。

それでもいい人は覗いていってください。



まずやることは

プロの漫画を軽く模写することです。


売れてる作家

上手い作家

自分の目指す作家

どれか参考にしたい漫画を選んでくださいね。


ポイントは長期連載してるものより

読み切りのほうが良いということです。


読み切りは

1話完結なので長期連載より作り込まれていて

作家の技術がふんだんに詰まっています。

あとは

新人時代のものより

連載を経験したあとの漫画のほうがいいです。

どの方も

新人時代よりはるかに力をつけています。




第8回です。

今回は4ページの3コマ目です。




4ページ



3コマ目 


「男(主人公)」がしゃべっているシーンです。

このコマは

次の4コマ目へつなげるための

タメのコマだと考えられます。




コマの中の絵は

2コマ目と同じバストアップ

キャラクターの絵です。


これは「2コマ目」「3コマ目」

同じリズムで読ませるため

仕掛けだと考えられます。


さらに

背後に背景を入れることにより

2つのコマを

関連付けさせようとしているようにも思えます。



こうすることで

「警官(人造人間)」「男(主人公)」

会話していることを

無理なく演出することが

できているのではないでしょうか。



なぜこのようなことをしたのかというと

この場面には「警官(人造人間)」「男(主人公)」

同じコマに入っているコマが

どこにも無いからです。




「警官(人造人間)」「男(主人公)」

同じ場所で対面になって

会話していることに説得力を

もたせるための演出だった

ということが考えられます。




コマの形は

下から上へ斜めの枠線で

区切られていて

上から下へいくにつれて少しずつ小さくなっていきます。




なぜこんな形をしているのでしょうか。




それは

視線誘導

読者の受け止める印象

コントロールするためだからと

考えられます。



フキダシを

2つとも上に配置したのも

読者が感じる印象を

コントロールすることが

目的だと考えられます。



これによって

読み手の意識にかかる負荷を

より効果的にコントロールして

物語に没入させることができるのだと

考えられます。



このコマの視線誘導は

「右のフキダシ」→「男(主人公)」→「左のフキダシ」

です。



気になることは

2つのフキダシの構成です。


フキダシの形は丸いです。

この形から受ける印象は

大きな感情の起伏もなく

自然体で話しているということです。


さらに2つのフキダシは

両方とも同じ大きさであるため

同じトーンで喋っているように感じます。


そして

2つのフキダシともコマの中に

完全に収まっています


これはなぜでしょうか。



フキダシがコマの中に

収まっていることで

どうしても受ける印象が

弱くなってしまいます。


そのため

フキダシの声が小さく感じて

遠くから喋っている印象を受けます。



次のコマを見れば分かると思いますが


これは次のコマで「男(主人公)」の言葉を

より強く印象づけるための

演出だということが分かると思います。



このコマと次のコマを

カメラの「引き」と「寄り」

に見立てて構成をすることで

それぞれフキダシの声の

「小ささ」「大きさ」

表現しているのだと考えられます。




これを強調するために

フキダシから発せられる声が

次のコマとの対比で

より小さく感じるられるように

コマの中に完全に収めているんだと

考察できます。



このコマには他にも仕掛けがあります。


それは

背景のアウトラインが

コマの中に区切りをつけて

2つのコマを疑似的に

構築していることです。


詳しい内訳は

「背景の右側の小さな空間」「背景のある空間」

です。



これは次のコマも含めて考えると

左に読み進めていくことで

「背景の右側の小さな空間」→「背景のある空間」→「4コマ目」

という流れができあがります。



記号的な解釈で改めて確認すると

「小」→「中」→「大」

となります。



これは

マジックナンバー3

を引用した仕掛けだということを

示唆しているのだと思います。


マジックナンバー3の法則

人間は「3」という数字に対し、安定していて丁度いい、という感覚を持つとされる。
マジックナンバー3の法則では、物事の説明をするとき、具体例を3つ挙げると説得力が増すとされ、これは2つだと乏しい・足りない、4つでは多すぎる、3つが丁度いいと感じる人間の心理傾向があるためである。

ENGINE


このコマの中には他にも

マジックナンバー3

を使った仕掛けが2つあります。


「右のフキダシ」「男(主人公)」「左のフキダシ」

「背景の右側の小さな空間」「男(主人公)」「背景のある空間」

です。




先程の

「背景の右側の小さな空間」→「背景のある空間」→「4コマ目」

も含めて考えると


4ページ3段目は

マジックナンバー33パターン使った

多重構造の場面なのだということが分かります。



そして

計9つの情報からこの場面は

マジカルナンバー7±2(ミラーの法則)

を取り入れて創られた場面だということにも

思い至ります。


マジカルナンバー7±2(ミラーの法則)
マジカルナンバーとは、人間が瞬間的に保持できる情報の数は「7±2」であるとするもの。アメリカのハーバード大学の心理学者、ジョージ・ミラー教授(George Armitage Miller)による1956年の論文「The Magical number seven, plus or minus two」で登場し、人間が短期記憶に保持できる情報の数は7±2(7を中心としてプラスマイナス2、つまり5~9)であることを主張していると解釈されることが多い。認知心理学の研究の先駆けとなった。「マジカルナンバー7±2」「ミラーの法則(Miller’s law)」とも呼ばれる。
短期記憶とは人間が瞬間的に保持できる記憶のことで、数十秒しか記憶されず、また情報の容量の大きさにも限界がある。ミラーは、保持する情報の単位を「情報のかたまり」として「チャンク(chunk)」と呼び、短期記憶で保持できるチャンクは「7±2」であるとした。ただし該当するのは日常的なものに限定される。

シマウマ用語集


さらにこのコマには

もう1つ仕掛けがあります。

それはこのコマは9つ

区切られているということです。


上から順に

「右のフキダシ」「2つのフキダシの間の空間」「左のフキダシ」
「男の頭の右側の空間」「男(主人公)の頭」「男の頭の左側の空間」
「男の体の右側の空間」「男(主人公)の体」「男の体の左側の空間」


これも

マジカルナンバー7±2(ミラーの法則)です。



この仕掛けをつくるにあたって

いくつか工夫がされていることが

見受けられます。


それは

背景の中に枠(仕切り)を描写すること

男(主人公)の腕を動かして空間を作ること

です。



視線誘導について

もう1度考えたいと思います。



気になるのは

男(主人公)の肩から出ている斜めの枠線です。

これは次のコマへの視線誘導も考慮した上で

描写されたものだと考えられます。


枠線の角度は

「男(主人公)」→「左のフキダシ」

の角度と同じにして揃えられています。


場合によっては

「左のフキダシ」

の中の言葉も角度が

揃えられているかもしれません。



なぜならこれで

マジックナンバー3

が成立するからです。


「男(主人公)」→「左のフキダシ」の角度
「男(主人公)の肩から出ている斜めの枠線」の角度
「左のフキダシの中の言葉」の角度

この3つです。




今回はここまでです。

お疲れさまです。

ありがとうございました。


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