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胆石発作(前編)

前回、コロナ陽性の闘病を書き残したが3、4日ベッドで寝て過ごすと、入院していたあの時のことを思い出す。

2021年5月ある日の未明。味わったことのない、何とも言えない痛みに襲われる。無性に腹が張るのだ。今までの人生、幾度となく食べ過ぎの苦しみは味わってきたが、「腹が張って寝てもいられない」なんてことは初めてである。

「死因は食べ過ぎ」なんて医者に診断されると、80近い母親に会わす顔がなくなるぅ、などと悠長に思いながらも冷や汗が出てくる。

しかし何といっても腹が張るのだ。苦しい。膨満感にもほどがある。いくら食べ過ぎてもたいがいは横になると落ち着くものである。

本当に食べ過ぎると、このまま牛になってもかまわないからと横になって背徳感に浸りながら、自分の弱さに甘えてきたものである。

しかし今回は横になっても治まらない。違う、何かが違うのである。「このままだと腹が破裂する~」と思えるのである。エイリアンが飛び出さない限りこの痛みは治まらないのか

だからといって、まん丸ないつものおなかを見ても、それほど腹がパンパンになっているわけでもない。なのにこの痛み。一体なんなんだ~。

暗闇のベットの中、腹の張りで目覚めてから、1時間ほど我慢する。一応念のためと思い、郵便受けから朝刊を取り、本日の救急外来がどこなのか調べておく。

苦しさのあまり、うんこ座りしようが、生まれたての子鹿の体勢になろうが、楽にならない。動画を見たりマンガを読んだり、他の何かでごまかし続けても限界である

「これはダメだ。」満を持して調べておいた(運よく)近くの救急外来に電話をして向かう。徒歩圏内の大きな病院の存在はほんとうにありがたい。

愛想のいい、若いお兄ちゃんって先生が見てくれた。車いすに乗せられて上に行ったり下に行ったり、いろいろ検査するが一向に治まらない痛み。最終的には最初に運ばれたベットの上でエコー検査

エコーの画像を見た時に、「胆嚢が腫れているのかも」との所見。最終的にはその診断がビンゴ!というわけで痛み止めの点滴開始。これがまたなかなか効いてこない。

たまに横切る看護師さんに訴えかけるも「そうなんです。そんなもんなんです。痛み止め、あんまり効かないんですよね~。」苦笑いすらできない泣泣。

じっと上を向いて寝ていられないので、右向いたり左向いたり、うつぶせになったり。

病院についてから3時間たったあたりの寝返りでふと「ん~、もしや痛みが引いてきたかも、、、」という感覚。そこで上を向いてじっとしてみる。痛くない。パタッと痛みが消えたのである。

後から思えば、これが「石が動いたっ。」ていう状態だったのであろう。未明からの孤独で長い戦いを終えたけだるさの中、帰り支度をするのであった。この時は、来週もここに来るとは思いもせずに。

その後、一週間のうちに3度の発作にみまわれたため、手術に踏み切った。

というわけで、次回は手術の記録で~す。

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