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むずむず病②🦶

むずむず病で眠れなくなり、睡眠導入剤を飲んでさらに悪化した話の続編である。


夏の昼間でも、ゾクゾクして、突然冷や汗が出て止まらない。当時はソフトボールの監督をしていたが、土日の試合中でもベンチに座っていられない。ものすごい不安に襲われる。何かが気になっているわけでもない。漠然とした不安に襲われるのだ。試合中にもかかわらず、ウロチョロしてしまう。息をするのも苦しい時がある。訳分からず、涙がこぼれてくる


昼間にむずむず感を味わうことはなかった。寝不足はあっても体調が悪いわけでもない。心が不調なのだ。わけの分からない不安、自分だけが暗闇の中にいるような、先の見えない不安の中にいた。「自分はこのまま廃人になるのか、、、、。」大げさでなく、その時は本当にそんな風に思ってしまう沼の底にいた。人生初の「うつ病」だ。


しばらく沼の底を味わうが、「やっぱりこれは眠剤の影響だろう」と考え、服用をやめる。やめるとやはり足がムズムズして眠れない。そこで発想の転換をした。「眠るのをやめよう」と考えたのだ。「眠剤に頼るのもいやだ。眠たくても眠れないのなら眠るのをやめよう。仕事にならないならそれでもいいから、眠れない夜を楽しもう。」追い詰められ、ようやく割り切った考え方にたどり着いた。


後から思えば、その発想の転換から復調へと向かうことができた。あのまま眠剤の服用を続けることは、自分には合っていなかったと思う。


むずむずが始まったら布団から抜け出す。ソファで本を読み、テレビを見て、スマホでユーチューブを楽しんで時間をつぶした。しょっちゅう夜中の散歩にも出かけた。さすがに誰にも出くわさない。新聞配達のバイクの音がときおり聞こえてくるくらいである。


シックスパッドフットフィットや、屈伸やスクワットなんかもした。ある程度足が疲れるとその後は比較的むずむず感が薄れ、ようやく眠ることができた。睡眠不足で仕事は思うようにできなかったかもしれないが、自分のことを思えば正解だったと思う。


のちのちに「むずむず脚症候群」が分かってから調べると、まったく同じように眠れない夜にそんなことをしてマシになっている人がいると知ってうれしかった。改善策を自分で見つけていたことのうれしさもあった。


むずむず病と闘っていた2012年くらいに、まさに「むずむず脚症候群に新薬」というニュースが新聞に載っていた。かかりつけのお医者さんもいち早く情報を持っていた。その先生が処方してくれた薬は「ニューロパッチ」だった。湿布でもない張り薬なんて初めてだった。この薬はパーキンソン病に使う薬だそうだ。


この薬は張る場所がけっこう限定されている。幻覚・幻視などの重めの副作用もあるような薬だ。しかし、これが効果てきめん。この症状に張るだけで効果があるなんて、不思議でならない。でも、おかげで症状がそうとうやわらぎ、いずれ服用せずとも、眠れないほどのむずむず脚が再発することもなくなった


ネットによると、「むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)」は人口の3%程度。原因も正確には解明されていない。「睡眠薬ではかえってむずむずが解消されず、症状が悪化し、うつ病などの精神障害を合併することがある。」病気である、とのことだ。


「眠れない」から病院巡りをしてしまったのも反省であるが、知識のある良い医者に診てもらう大切さを痛感した病気である。早くに分かっていれば「うつ病」を味わうことはなかったと思う。そして「こんな薬も開発されてるんや~」と感心もした。医学ってすごい👏

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