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映画『おしょりん』の感想

皆様、こんばんは。
本日は、11月3日より公開されている映画『おしょりん』を観た感想をお届けしたいと思います。

原作の『おしょりん』がめちゃくちゃ面白くて、X(旧Twitter)でも感想を勢いのまま叫んでたのを思い出します…。
原作の三角関係のような増永兄弟とむめ、職人たちの熱いやり取り、宮大工だった末吉さんの娘がはじめて眼鏡をかけて文字がよく見えるようになったと喜ぶシーン。
何より出だしが、自分の勘違いからはじまった未練のせいで最初にはじめた事業の工場が火事になったんじゃないか。そう自責の念にかられるむめがとても気になって、え、どういうこと?と理由が知りたくて最初のページをめくる手が止まらなかったのを覚えています。

で、その映画です。藤岡陽子さんの作品がどう表現されているのか、俳優さんは豪華だ。けど……と洋画・邦画問わず原作の良さを損ねる作品の数々が頭をよぎりました。
それでも見ずには居られなかったので、映画館へと向かいました。
はじめて訪れた映画館、梅田の映画館には何度か足を運んでいたのに今、再開発中の辺りには何年も行っていなかったので、どこに目的階へ行くエレベーターがあるのか四苦八苦しました。(結局、エスカレーターが建物の外っぽいところにありました)
3階で当日券と飲食物を買って、『おしょりん』は4階のシアターで上映というタイプの映画館でした。

中に入ると、平日の昼間ということで比較的高齢の方が多いかな?という印象でした。

そんなこんなで映画が始まりました。
ネタバレにならない程度に申し上げると、最初はまもなく北陸と大阪が新幹線で結ばれること。今の福井県の観光スポットや伝統工芸品などをしっかりアピールする宣伝から映画がはじまったことに驚きました。
テイストが某体は子供頭脳は大人な少年探偵の映画のオープニングっぽいなぁ。事件が起きないバージョンの。
そんな冒頭からはじまり、原作よりもおしょりん、という言葉を強調する演出となっていました。
話の大筋は原作に近いものの、詳細が原作よりも無理筋では?とか原作にいたあの人とあの人が一人の人物として描かれるのはなんで?とかそもそも班で眼鏡作って競う理由だった仲間意識ができる理由だった制度も端折られていたのが、増永眼鏡の工場の職人を思う気持ちが出ていて良かったのに…と残念に思いました。

何より、三角関係みたいな三人の関係が丁寧に描かれていなかったり、新しい技術を学びたい職人を大阪へ送り出したあとの話も、え、このタイミング?尺の問題?とか原作が好きなだけにモヤモヤしました。

しかし、さすがは豪華俳優陣。脚本や演出を原作好きな人がモヤっても泣かせるような演技や本当にこんな人だったんじゃないか、と実在の人物である増永兄弟や職人たち一人一人から感じられました。
福井県の風景や衣装等、方言についてもちゃんとされていて福井県愛溢れる作品でした。
なので、原作をミリも知らない方にはぜひ観てほしい作品ですし、私のように原作とすぐ比較してしまうタイプではなく、映画は映画、原作は原作、と作品をそれぞれ愛せる方には絶対観てほしい!

ちなみに映画終了後、パンフレットを購入しました。桜と眼鏡と眼鏡作りに関連のある道具たちが表紙にあしらわれたとても可愛い作りになっていました。
おそらく映画とパンフレットの両方を観ると福井県へ旅行に行きたくなります。
そして、増永眼鏡の眼鏡を買いたくなるかもしれません。

公開がいつまでされているか、映画館によって違うかもしれませんし、そもそも上映映画館が少ないかもしれませんが、機会があればぜひ観てください。

そして、映画を観て気に入ったけどまだ原作読んでないなぁって方はその足で書店へ行ってもらえると私の気持ちがわかるー、ってなる人とならない人が出てくるかもです。

まずは一度お試しあれ!ですね。

今回もおつき合いいただきありがとうございます。
次回もぜひよろしくお願いします。

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