本の選び方

書店に立ち寄ると、あらゆる分野のさまざまな本が並んでいますね。
小説や漫画、エッセイなどはお好きなものを選べば良いと思います。

ここでは、健康に関連する本について、少しお伝えしていきます。
健康に関連する本もたくさんあるのはご存じの通りで、
まさに玉石混交です。
つまり、質の高い本も、クソの役にも立たない本もあるということです。

私たち、医療専門職は学生時代から叩き込まれることがあります。
それは、「エビデンス(科学的根拠)はあるのか?」ということです。
エビデンス(科学的根拠)とは、実験や調査などの研究結果から
導き出された裏付けのことです。
「エビデンスがある」とは、この裏付けが論拠となっている内容で、
反対に「エビデンスがない」とは、当人のただの主観であり、
言いたいことを勝手に言っているだけとみなされます。

健康に関連する本を購入する時は、エビデンス(科学的根拠)がある内容が書かれた本を選んでいただきたいと思います。
具体的にどのような本かと言いますと、書かれている内容に関して、
公的に発表された論文や研究データなどが論拠として示されている本です。

例えば、ダイエットに関する内容で、
「夜遅くに食事を摂ると、1日のエネルギー消費量を減少させます。」と
書かれてあったとして、下記のようにその根拠となるものがきちんと
示されていたら、その内容は信用できると言えます。

関野由香,柏絵理子,中村丁次
食事時刻の変化が若年女子の食事誘発性熱産生に及ぼす影響
日本栄養・食科学会誌 2010年 第63巻 第3号 pp101-106

健康に関する本で、まともな内容の本なら巻末や付録などで引用論文や
参考文献が数多く明記されています。

反対にエビデンスがない本は、おおよそタイトルからアヤシイです。
『楽して3週間で5キロ痩せる魔法のダイエット法』などというタイトルが付けられていたら、思いっきり疑いの目を向けましょう。
そのようなダイエット法はありません。
もし、そのような方法があるなら、ダイエットが成功しない人などいない
はずですよね。
なぜ、このようなアヤシイ本が書店にたくさん並んでいるかというと、
単純に「売れる」からです。
原則として、企業は営利目的ですので、利益を上げることが優先されます。
つまり、売れれば良いわけで、はっきり言ってしまえば本の内容はどうでも
いいのです。
だから、出版社はとにかくセンセーショナルなタイトルを付けて、
人の目を引こうとします。
そうして、「あら、面白そうじゃない」などと思ってしまった人が、
クソの役にも立たない本を買わされることになってしまいます。
カモになってしまうわけですね。

エビデンス(科学的根拠)というのは、一般の方にとってはあまり馴染みがないかもしれませんが、私たち医療専門職はメチャクチャ重要視します。
健康に関する内容を発信する上で、エビデンスを明示することは、
最重要かつ絶対条件です。基本中のキホンです。
医師、看護師、薬剤師、理学療法士といった医療専門職が書いたもので、
巻末や付録などでエビデンスとなる引用論文や参考文献が数多く明記されている本が、質の高い本と言えます。
健康に関する本・身体に関する本を探すのであれば、このような視点で
選ぶと間違いがないと思います。

※ちなみに、ダイエットに関する内容なら、この本がオススメです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?