石塊

趣味の俳句をnoteで始めました。独学で句会にも参加しておりませんので駄句ばかりと存じ…

石塊

趣味の俳句をnoteで始めました。独学で句会にも参加しておりませんので駄句ばかりと存じますが、皆様よりご意見・ご感想を頂けましたら幸いです。どうぞよろしくお願いします。 俳号を名乗るほどの腕前でもないのですが、昨年他界した伯母より授かった号が石塊です。ここに故人の意志を継いで。

最近の記事

春立ちぬ。椿の花が綺麗です。

2月4日の今日は立春です。まだまだ寒さ厳しい日が続きますが、暦の上では春となりました。 と、ニュース番組の冒頭の挨拶で聞こえてきそうな、もはや使い古されたこのフレーズ。 ゆっくりと静かに季節の移ろう今日この頃、あたりの景色はまだまだ枯れた冬の装い。そんななかで、椿の花の色がいっそう目に鮮やかだ。 木へんに春の字の如く椿は春の季語だが、早咲きのものは冬椿・寒椿として、晩冬の季語ということになる。 園芸花木でもある椿には多様な品種があり、早咲きのものから遅咲きのものまで、

    • 職業訓練校にて

      先日、仕事の関係で、市内の職業訓練校の様子を見せていただいた。 見習いの大工、技能競技大会に臨む佐官職人、畳屋の跡取り。 そこにはそれぞれの分野で技能の向上に励む若者が集い、休日返上でベテランの職人から指導を受けていた。 冬の季語でもある寒稽古という言葉があるように、寒の時期には、努力研鑽という行いがいっそう尊く美しいものに感じられる。 人が試練に挑むとき、暑さ寒さの中では、それはいっそう厳しいものとなる。挑む者を見守る側にしても、尊敬や賛美の念が高まる。 夏の甲子

      • 星の話をしよう④

        シリーズで掲載させていただいた 「星の話をしよう」も、今回が締めくくり。 これまで広大な宇宙の広がりに寄せる思いを、人類の歴史と紐づけた俳句と自解でまとめてきたが、最後はぐっとスケールを縮小して、より身近な星の景色を描いてみる。 主役となる星は、金星。 私たちの暮らす地球の属する太陽系の第2惑星で、地球から最も近い距離にある惑星だ。 太陽と月を除き、地球上から観測できる最も明るいこの天体は、月やほかの惑星と同様、太陽の放つ光を反射して輝いている。 夜明け前の東の空と

        • 星の話をしよう③

          今回は、インチキ冬の星空俳句。 何がインチキなのかというと、季語が無い。 季語が無いけど、これは冬の星空を詠んだ句。 冬の季語である「オリオン」の、その一部を構成する星のひとつに、フォーカスしてみた。 平家星というのはオリオン座の、三つ星を中心とした臼のような(あるいは砂時計のような)形をした部分の、左上の星。冬天のなかでも特に目を引く赤い色をした星で、ベテルギウスという。オリオンはギリシア神話に登場する巨人の狩人だが、 星組みの上にその姿を重ね合わせた図でいうと、棍

        春立ちぬ。椿の花が綺麗です。

          星の話をしよう②

          おうし座に属する、プレアデス星団。 地球から443光年の彼方にある、恒星の集団だ。肉眼では5個から7個程の星が、一箇所にまとまっている様子が観測できる。青白くぼんやりとして見えるのは、超高温の若い星々の放つ光(温度の高い星ほど青みがかった光を発する)と、その光を反射する星間ガスのためである。 このプレアデス星団の和名が、昴だ。 たくさんの星が一つにまとまっている様子を「統ばる」「統まる」と表現し、これに中国名の昴の一字を当てている。 『枕草子』の一節、「星は、すばる」でも

          星の話をしよう②

          星の話をしよう①

          大気が冷たく冴え渡る冬は、星が美しい輝きを増す季節。 俳句の世界でも、星にまつわる言葉の多くは、冬の季語に属する。 さて、仕事に子育てに精一杯の、余裕に欠ける私には、無心になって自然の中に遊ぶようなことが少ない。 自ずと、私の句に用いられる季語は、気象天文に関わるものに偏ってくる。仕事と家庭を行き来する生活の中でも、それらは否応なく肌にまとわりついてくるからだ。 そんな我が暮らしにとって、夜空に浮かぶ星々の景色こそ親しみが深いもの。子供の寝静まったあと、煙草を一服ふか

          星の話をしよう①

          ものぐさが冬日浴びコインランドリー

          正月休みにかまけて溜めこんでしまった洗濯物。天気は朝から雪が降ったり止んだり。洗い終えた洗濯物は部屋に干しても乾きそうなものだが、面倒なのでコインランドリーに持って行き、乾燥機にかける。 どうも頭が休みボケしているが、時間は有効に使わなくては。駐車場に駐めた車を出すと、給油、食料品の買い出し、コーヒー豆の補充と走り回る。そろそろいい時間か。頃合いを見てコインランドリーに戻るも、乾燥機のタイマーはまだ10分も残っている。 このどうしようもない10分という時間が、面倒な気分に

          ものぐさが冬日浴びコインランドリー

          白熊杯に参加しようっ!

          わわっ、こういうのあるんですねー!noteの俳句コミュニティーって! なんかまだ始めたばかりで勝手知らずなのですが、記事の投稿以外にもいろいろ交流の機会があるようなので、いろいろと参加してみたいと思います。 というわけでさっそく白熊杯、参加させていただきます。よろしくお願い申し上げます。 表題の白熊のイラストがとても可愛いので、過去作も入れる言い訳に“動物縛り”で三句。 風花来る車中に主人待つ犬に どの人も寡黙なペンギン冬の街 三つ子の魂白鳥に乗り飛びたくて 一

          白熊杯に参加しようっ!

          情緒ある化学焼き芋甘く焼く

          蜜が溢れ出るほどに、トロッと焼けた焼き芋の甘さ。これは化学反応の賜物である。 デンプンを充分な量の水とともに加熱する。 するとデンプンの規則正しく並んでいた分子配列が解け、糊状に変化する。これを「デンプンのα化」という。即ち、生のさつま芋を蒸したり焼いたりすると、包丁の刃が容易に通らないほどガチガチに固かったものが、ほっくりホクホクになるというカラクリだ。 ホクホクの芋を、さらに時間をかけて加熱る。すると今度は、α化したデンプン中に含まれるアミロースやアミロペクチンといっ

          情緒ある化学焼き芋甘く焼く

          スーパーのおせちを統べし母の餅

          実家に帰らず過ごす正月。形だけでもと拵えたおせち料理も、大半はスーパーで買ってきた間に合わせだ。 紅白かまぼこに伊達巻、数の子入りのひたし豆、昆布巻きに、郷土料理のいかにんじん。ここまでは出来合のもの。それらを抑えて主役の座に着いたのは、母の送ってくれた餅だ。雑煮、納豆餅、あんこ餅と、賑やかに三種。 おせちには、私が勝手に決めている格というものが存在する。格上のおせちとは、家内で手作りしたものであり、尚かつ郷土色の強い献立だ。例年、実家で食すおせちであれば、会津地方の祝い

          スーパーのおせちを統べし母の餅

          移り来し地の鎮守へと初詣

          新年のスタートを契機に始めたnoteへの投句。一年の計は元旦にあり。と、いうことでまずは一句。 新年のけじめは初詣から。例年は帰省ついでに産土神を詣でるところを、今年は仕事の都合で叶わず。替わりとなる参詣先は住んでいる市内で名のある神社でもよかったのだが、昨年マイホームを購入し移り住んだ町内に、小さな神社があった。越してきたご挨拶も兼ねて、そこへ参ることにした。 一応は町内会に所属し、ご近所の方と挨拶を交わしたり行事に参加したりしてはいるものの、まだ馴染みの薄いこの土地。

          移り来し地の鎮守へと初詣