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無(最高の状態)を読んで…

 この本を読んで、驚いたことがあります。「人はみなネガティブである」というのです。理由としては、人が生存するためにネガティブであることが最適であったからです。この事象を知っている利点としては、身近にネガティブな他者がいたとしても、「ポジティブになれ」と否定したり変えようとしたりすることなく、その人のことを受け入れられる人間だと思います。
 また、「人は良い出来事をすぐに忘れてしまう」と本書で書かれています。男女関係においては、良好な関係を築いていくためによいできごとを継続することが秘訣だと思います。
 さらに、過去経験したストーリーを検索し、ネガティブになる原因を探しているのが人間なのです。自分がネガティブになったときには、過去のどんなストーリーがそうさせているのか見つける作業が必要でしょう。
 反芻思考にならないために、感情表現の語彙を増やしていこうと思いました。反芻思考になってしまう原因として、複数の感情を一つの感情に統一してしまうことが挙げられます。これは、語彙が少なく感情を細分化できないためです。反芻思考の原因が言語不足にあったというのは大きな発見でした。

以下、本書で重要だと思ったことを箇条書きで書かせて頂きました。参考までにご覧ください。

〇人類は生まれつきネガティブの根拠
・ネガティビティバイアス
マイナスなことほど記憶に残りやすい心理
・ブッタの言葉より
「人生は苦である」
※「苦」は、虚しさ、深いさ、思い通りにいかないことへの苛立ち等を含む幅広い概念として定義している

〇ネガティブ思考は生存するために「最適」であった
・人間の性質
嫌なことは後に残る
良いことはすぐに忘れる

〇苦しみの状態を定義
苦しみ=自己のニーズが満たされていない状態

〇苦しみの機能を定義
苦しみ=あなたに“不足”を知らせるメッセンジャーとして機能
・怒り=
・嫉妬=重要な資源を他人が持っていることを知らせる
・恐怖=すぐそばに危険が存在する可能性を知らせる
・不安=良くないものが近づいていることを知らせる
・悲しみ=大事なものが失われたことを知らせる
・恥=自己のイメージが壊されたことを知らせる

※恐怖や不安は未来に対して発動する
※怒りや悲しみは過去に起きた負の記憶によって起動する

〇統一された「わたし」など存在しない
自己とは、生存用のツールボックスである。
自己とは、特定の機能の集合体である。

〇自己の機能
①人生の記憶
②性格の要約
③感情の把握
④事実の知識→「私は日本人だ」のような単純な事実を理解する機能
⑤実行と所有感→行動と思考は私の意思で決まると感じる機能
⑥内面の精査→自分の感情や思考をモニタリングし、そこから得た情報をさらに新しい感情や思考につなげること
・自己は、生成と消滅を繰り返す
・「わたし」がなくてもよい状況が多く存在する

〇感情の粒度を上げることで、自分を守ることができる。
・言語の力は大事。
・言語量が少ないと、多くの事象を同じ感情にまとめてしまう。

〇感情の流動を上げる方法
・新しい感情の言葉を学ぶ
・比喩を学ぶ
・感情を比率で表してみる



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