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結婚→出産→希望と絶望の狭間②

当時、実家を出て私は姉と暮らしていた。結婚するなら、まずは住まい。公団を申し込んだが抽選で落ちてしまった。アパートで暮らすには、若い彼はまとまったお金がなかった。コンパニオンで稼いだいくらかの貯金がある私が出せばいい、と思った。
子どもの頃から現実的な姉は、これからお金がかかる。赤ちゃんのためにも家の2階に暮らせばいいと言ってくれた。

独身の姉は公務員。小学生の頃から自分は結婚しない、したくないと思っていたようだ。ひとりで食ってく、を覚悟し、30歳手前で土地を購入し、家を建てた。そんな姉からのなんとも有難い申し出。えっ!と思う方もいるだろう。田舎に住む者は、義家族と同居することに、あまり抵抗がないように思う。彼もそうだった。というか、お金のない彼は引け目を感じていたのかもしれない。

出産に向けて、私は会社を休職した。働いてくれている旦那さん、同居させてくれている姉のためにできること。それは徹底した家事だった。
美味しいご飯、清潔で整理された部屋、気持ちのいい寝床etc…。負担には感じていなかった。
有難いことに、つわりの時期を過ぎた頃から、体調を崩すことがなかった。ふたりの帰りを待ち侘びる程、幸せを感じていた。



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