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(1年目の記録)2021.10月~11月中旬
【ししとう栽培】~更なる病気・ゴテゴテ対応編~
10月初旬 ついに決意
" 斑点病 " を発見し2週間程経過。
病葉の取除き以外の対策をしてこなかった事もあり、10月初めには全体的に広がりを見せ実の生育も悪化。
収穫後の実に [軸腐れ] の症状も多発。
[軸腐れ]とは・・・
収穫した軸の先端が萎れたり黒くなっている状態
そのまま放置すると症状が進行し、腐敗の原因となる
自分が認識している範囲での、簡単説明。
だが、調べていると柑橘類では〔軸腐病〕というのがあるが、シシトウでは見付からない。
見付かったのはトウガラシ(ししとう・ピーマン)〔ヘタ腐病〕
〔ヘタ腐病〕とは・・・
症状:収穫後の軸(果梗:かこう)先端が黒く変色
時間と共にヘタ、果肉へと症状が進行
実の外観は軟く腐敗した様な状態になるが、皮は腐敗なし
その後、実の表面に白いカビが発生し多数の胞子(黒粉状)も発生
原因:圃場の植物残渣で増殖した腐生生物(死物生物)の胞子のう(袋)胞子
が飛散し、軸(果梗)の切り口から感染する
気温25~30℃、湿度100%で発病しやすくなる
対策:午前中に収穫を終了させ、よく切れるハサミを使用
収穫後は速やかに圃場外へ移動させ、出荷まで出来る限り低温で
乾燥させないよう保存
圃場内の衛生管理(落葉・枯葉の撤去、通気性や排水等)
主に、施設(ハウス)栽培で発生する病気のよう。
多くの病気や症状があり葉や果実の痛々しい姿は、人間の病状画像を見ている感覚と似ていた。
そして、これは多くの説明や解説文を読んでいて思う事。
(なんで、そんな小難しく分かりにくい言葉や言い回しするの?)
もちろん専門用語を使用しているせいもあるけど、とにかく堅苦しい。
上記の ↑ 〔ヘタ腐病〕の説明も、あれでもかなり嚙み砕いたつもり。
では、本題に戻りまして、、、
“軸腐れ”になった場合出荷は基本不可だが、選別時に断定はできないが“疑わしきモノ“を発見した際、軸の先端を切り出荷をする。
大幅に切断が必要なモノは“切り過ぎ”となるので、出荷不可。
そして、袋・パック詰め完了後でも出荷する前に再度問題がないか確認。
異変があれば実を入れ替える等をして、出荷となる。
更に、JAの方でも数量や状態を確認し問題のあるモノは除かれ、市場へと行く。
なので、苗や実に異変が起こると収穫も出荷作業も更に大変になる。
健やかに育てることの重要性と難しさを知った。
そうこうしている内に、何やら別の症状もちらほら…
これは、、、“ うどん粉病 ”?
下葉に白い粉状のものが付いている…もう手遅れで後手後手感は満載だが、ようやく薬剤散布に踏み切る。
[うどん粉病]とは・・・
症状:葉が白い粉(糸状菌:カビ)で覆われる
進行すると、葉の黄化・縮れ・枯れ・落葉
風等により、カビ菌が伝染
原因:連作、密植
窒素の多い肥料の与え過ぎ
発病:気温:24℃前後、時期:5月〜11月頃(真夏を除く)
春・秋の日中乾燥+朝夕の冷え込む時期に多発傾向
注意時期:うどん粉病の病原菌胞子形成促進条件
夜間の多湿(湿度45〜100%)気温(15℃前後)
朝夕の冷え込む時期
水やり・雨上がり後
湿度が高かった翌日(夜露など)
予防:水はけのいい土壌作り
連作や密植を避ける(日当たり・風通し)
窒素肥料分の見直し
圃場周りの除草
泥の跳ね返りを防止(マルチ、藁等使用)
耐性の強い種や苗選び
薬剤散布(定期的に作用の異なる薬剤散布の組合せ)
対策:重曹スプレー(早期発見時)
薬剤散布
葉の除去(圃場外へ)
野菜のみならず、花き類などほぼ全ての植物に発生する病気です。
発症してから重症化までのスピードが早く、自分の様にタラタラしているとその後の防除が難しい病気でもあります。
[補足]・・・
伝染源:絶対寄生菌(生きた植物から栄養を摂る)
栽培中の作物、圃場周りの雑草で増殖 → 病原菌となる
病原菌の胞子が風で飛散し、感染 → 葉や細胞内に侵入、感染拡大
ただし・・・
同科の作物のみに感染
かぼちゃに感染した[うどん粉病菌]は、同じウリ科の作物のみに感染
→ キュウリ、スイカ、ズッキーニ、メロン等
他科の作物には、感染しない
病原菌の種類は多種(植物により感染する菌が異なる)
!!益虫【キイロテントウ】!!
なんと!“うどん粉病の病原菌”を幼虫〜成虫が食してくれるとな!
今まで、【黄色いてんとう虫】など見たことがない(と思う…)
是非!お近付きになり、我が圃場へ招待したいところ。
え〜、説明や補足が長くなりましたが…話戻します。
どんな薬剤を使用していいのか分からず、担当に相談。
本来なら予防や発生発見時すぐの利用が望ましいのだが、蔓延してからの対応。
ハッキリ言って、散布の効果が見込めるかも怪しい感じ。
それに、何でも使用していいわけではなくきちんと出荷可能な薬剤を使う必要がある。(そりゃそうだよね、中には使用可能でも劇物とかあるし…)
取扱には十分注意が必要。
使用した薬剤は、有機JAS法に適合した有機栽培や特別栽培での病害防除にも使用可能な殺菌剤。
[有機栽培(有機農業)]とは
化学的に合成された肥料及び農薬を使用しない
遺伝子組み換え技術を利用しない
農業生産由来の環境への負荷をできる限り低減した農法を用いた取組の農業
[特別栽培]とは
農産物が生産された地域の慣行レベルと比べ、↙︎が50%以下で栽培された作物
・節減対象農薬の使用回数
・化学肥料の窒素成分量
ちなみに、[有機]=[オーガニック(有機JAS)]です。
なので、[オーガニック栽培]はもちろん[有機栽培]も上記説明にある様に、無農薬ではありません。
あくまでも、“ 化学肥料・化学農薬 ”を原則として使用しないという事です。
散布後、順調に思われたのも束の間、やはり蔓延後での対応では遅かった様子。
元々主には予防のための薬剤であり、治療薬ではなかったのも理由かな。
数日後には、“ うどん粉病 ”苗を1株撤去処分。(うどん粉病にも対応してなかったしね。)
自分があまりにも対応ゴテゴテにも関わらず、あくまでも“農薬”を使用したくないと主張したので、担当も“じゃあ、この辺りで”の指導だったのかもしらん。
どっちにしろ、もう手遅れなのは分かっていたと思うしね。
再度担当に相談し、残りの収穫期間も考慮し下記ご指導をいただきました。
・収穫終了まで現状維持(残り1ヶ月程、薬剤散布はしない)
・全体に病状が出た苗の撤去処分(根元から切断し、圃場外へ)
そして、少し気になっていた“ うどん粉病の粉 ”
→ 人体への影響はなし、野菜や果物は食せる(味は多少落ちる)
→ 自分的には然程味気にならんかったけど…(味音痴かな?)
10月中旬〜
その後、病葉を取り除きながら収量は多少落ちたものの、収穫と出荷を行う。
中旬には、更に1株撤去。
そして、ラストの追肥。
下旬に入る頃、風も冷たくなり収量も更に減少しまた病苗の撤去。
そして、薬剤ではないが“ 重曹散布 ”を決行してみることに。
この頃、まだ収穫のできていた圃場奥のナスには” 重曹散布 “済み。
散布後、数日して少し収量が回復したかと思われたが、一時のみ。
下旬には、実成りを待つのに2日程収穫作業をお休み。
(もうそろそろ、終わりかな? すでに限界来てた感あったし…)
11月〜
ほぼ諦めてはいたものの、11/1に再度“ 重曹散布 ”を試みる。(諦めが悪いw)
朝晩冷えては来たものの、ここ2〜3日天候が良かったせいか?実の成長が良くなった!?
、、、気が、していた?だけだった。
寒暖の差や病気などのストレスにより、黒い実が増加。
食して問題は全くないが、「秀品」としては出荷できない。
他の【ししとう栽培】者の方々は冬場は【菜花】の栽培をする方が多く、既にそちらへの栽培をスタートさせている様子。
集荷場へ持ち込んでも、出荷している方はガクンと減った。
自分は他に「圃場」を持ち合わせていない為【菜花】の生産は諦めた。
というか、【ししとう栽培】を終了させても作業はある。
ー 圃場の片付け ー が。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/107118798/picture_pc_8a49cca844728831b95bde0eb3e273ec.png?width=800)
11月に入ってから中旬までに、出荷はたったの4回。
『まだ片付けてない』
というお声が聞こえたり、聞こえなかったり。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/107118834/picture_pc_d702b341de277aad9942b17fe2c6008a.png?width=800)
【ししとう栽培】を通じて
農業というか、作物を栽培し始めて思ったこと・感じたことがある。
それは、、、
周りに流されないこと
いかに、自分のペースで作業ができるか?
いかに、自分のペースで作物と向き合えるか?
いかに、自分のペースでしたい作業ができるか?
いかに、自分のペースで作業を省けるか?
いかに、自分のペースで周りの声を取り入れるか?
要は、嫌いにならず楽しんで作業をするための自己中思考。
それが、周りに流されないこと
多くの意見を聞くのは大切であり、自分のためにもなる。
が、聞いて選別するのと、ただ聞き入れ取り入れるのとでは全く違う。
自分に合う合わないもあれば、圃場に合う合わないもあり、作物に対してもそう。
作業の仕方やペースや時間帯も。
もちろん、作物のためには多少自分のペースを変える必要はある。
けど、「農業とはこうではる」に絶対従う必要もないと考える。
だから、時期的にはもう【ししとう栽培】を終了させる時期であっても、自分の中で(一体いつまでこの状態で栽培可能なのだろうか?)と思った時点で、自分ペースでの栽培がスタート。
「病気でなければもっと長く栽培できるのか?」
「土壌の状態が最高であれば、もっと長く収穫できるのか?」
「寒さが増せば、土壌・健全苗であっても関係なく収量は減る?」など。
色々と疑問が湧いてくる。
これは、多分、農業に限らず色んな分野で言えることではなかろうか?
まぁ、なかなか「自分のペース」で仕事をするのは難しいとは思うが…
それができれば、結構楽かも。
その為には、何かを諦めたり・無視したり時には強くなることも必要かな。
と、思うのでした。
そして、残るは圃場の ー お片付け ー
あ、今更ながら ↑ 圃場とは → 畑・作物を栽培する場所のことです。
(以前にもご説明しておりましたら、すみません)))
では、今回はここまで!
〜つづく〜
次回は、【ししとう栽培】〜圃場片付け・発掘…編〜
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