ある日体に小さな山ができた話

皆さんは粉瘤というものをご存じでしょうか。
背中や横っ腹、時には顔にもできる小さな山のようなできものです。
医者にみせたときに説明されたのは、「通常垢は剥がれ落ちるものなのですが、なんらかの原因で皮膚の下に袋ができて垢を貯め、痛みもせずだんだんと黒く大きくなるもの」ということです。

私が最初に粉瘤ができたのは20代前半なのですが、父親譲りの体質らしくその後も2つ背中にできました。
対処法としては、そのまま放置か皮膚科で取り出してもらう方法があります。
間違えてもニキビのように潰して治るものではないのです。

最初の1つめを皮膚科で手術してもらった時の話

初めての手術は横腹にできた粉瘤です。
3cmほどのサイズで何度絞り出しても小さくならず、皮膚科に行ったところ手術だと言われそのまま手術されました。
最初に麻酔を注射で打たれるのですが、まぁまぁ痛い。
しかもお医者さんがおばあさんとも呼べるご年齢だからか、お腹に何か液体が当たるんですよ。絶対麻酔がこぼれているよなぁと思いました。

仰向けになりながら、嫌な想像をしてましたが、そんなはずはないと信じて何も言わなかったのです。
麻酔を打った後は数分効くまで放置されるのですが、打たれたところの感覚が全然なくならないんですよね。
「おかしいな…でもそんなはずは…」
なんて思ってたらメスを入れられ、激痛が走ったのです。
声が出ず、でも麻酔打ったし…と必死でこらえましたが、すぐに
「タイム!」
って伝えました。
看護師さんが、痛いよねぇみたいなこと言ってましたが、お医者さんが追加で麻酔を打ってくれました。
でもまた同じようにお腹に液体あたるんですよね。
それでも最初にメスを入れられたときより痛みが少なく、小さく悲鳴を上げながらなんとか終わりまで耐えました。
ぜったい麻酔漏れてたよね…
その後、待合室でお会計の順番待ちなのですが周りにちびっこがいるのも構わず、しくしく泣いてしまいました。

2回目の粉瘤手術はとにかくグロイ

2回目の手術は背中にできたものを取ってもらいに夏に行きました。
もちろん病院は変えました。
背中の腰付近にできたもので、麻酔が息が詰まるほど痛かった。
でも手術は滞りなく…いやすこし時間がかかりましたが無事に終了し、お医者さんが取り出した粉瘤を小瓶に入れて見せてくれたんですよ。(なぜか)
「ホルマリン漬けにして保存するんかな」と思いましたよね。
取り出す前、皮膚の盛り上がりは5cmほどでまぁまぁ大きかったのですが、取り出されたものは1.5cmほどの大きさの丸っとしていて、もやっとした毛が生えたような物体。
思ったよりグロテスクな見た目してました。
先生と「わー」って言いながら観察したあと、言い放たれた衝撃の一言…

「1週間お風呂入っちゃだめだよ」


ええええええええ!?ですよ。
だって夏場ですよ、毎日お風呂入りたいじゃないですか。
話によると、切った部分にばい菌が入ってはいけないため濡らしちゃいけないそうです。
あと、毎日ガーゼを変えて消毒をしなければいけない。
背中なんて1人で湿布を貼るならまだしも、ガーゼを貼りなおして消毒とか無理じゃないでしょうか。
体が柔らかければ背中の位置によってはできるのかもしれません。
私は体がとんでもなく固いので親に頼りました。
傷口は多少膿んできてしまうので、それを優しく取り除いて消毒するのですが、人によって力加減が違うので痛い目にあうことがあります(私です)。

そして肝心なお風呂ですが、必要なものやどう対処していたか後述しておりますので、ご参考ください。

手術を受けるなら必要な心構え

術後、1週間に1度病院へ行き経過を見てもらい、お医者さんからOKが出たら通院終了です。

粉瘤手術を受ける方って少ないと思いますので、とりあえずどんな準備が必要か、どのくらいの痛み、通院終了までの心構えを残しておこうと思います。

必要なもの


手術後に必要なものは、以下を参考にしてください。
・ガーゼ
・ガーゼをとめるテープ(マスキングテープみたいなの)
・ドライシャンプー(頭のにおいが気になってくるため、薬局などで売ってるスプレー式のです)
・綿棒(消毒のため、ちょっと大きめのものがあればそれが良いです)

痛みはどのくらいか

手術はちゃんと麻酔が効いていれば痛くないです。
メスを入れられているときの感覚もなく、粉瘤が取り出されるときに「なんか取り出されてるなぁ」という感覚が一瞬あるぐらいです。
我慢はできますが麻酔が一番痛い。採血のような優しさの痛みじゃないのは確かです。歯医者で抜歯するときに打たれる麻酔ぐらいの痛み。10秒ほど息を止めるぐらい。
術後の傷跡の痛みは、ちょっとひりひりするぐらいの痛みです。
体内には穴が開いたままとなるため、表面的には傷が塞がっていても体内の方が遅いのか、強い衝撃を受けたときには違和感あります。
だんだん穴が小さくなるにつれてその違和感も消える感じです。

手術から通院終了までは大体3週間~4週間


術後1週間はお風呂に入れませんので、ドライシャンプーを活用したりタオルで体をふいたりします。
夏場であれば、ボディシートが活躍します。
私は足が汚いまま布団に入るのが嫌で、服をきたまま足だけシャワーを浴びてました。
枕も頭が汚いまま使いたくないため、タオルを敷いて毎日取り換えてました。
2週間目に入ると、抜糸してもらえます。
抜糸については粉瘤の大きさによって切る範囲が違うと思うので、縫うほどのサイズになっている場合ですね。

抜糸が地味に痛いです。
ネットで痛くないとみていたのですが、思ったより痛かった。
そしてまたお風呂に入れなくなることがあります。
私がそうなのですが、多分傷の治りがめちゃくちゃ悪い体質なのです。
でも傷のふさがり具合を合わせ鏡で確認して、かるくシャワー浴びましたけど。
3週目にして、ようやくお医者さんからもう大丈夫と伝えられました。
その頃には勝手に「もう病院いかなくてよくない?」と考えてしまうほど回復しております。

その他補足

夏は手術やめといたほうがいい。
春とか、秋の寒すぎず暑すぎずの時期にやるのが一番です。

保険利用しても結局通院やらなんやらで、費用が10,000円ぐらいかかりました。
粉瘤は痛いものではなく手術に急を要するケースが少ないため、時季と自分の都合が合えば行くのがよろしいかと。

術後10年後
1回目の手術の跡は、結局粉瘤の袋が取り出せてなさそうで、2mmぐらいの穴が横腹に空いたままです。
痛くもないのですが、穴をふさぐように角栓のようなものが詰まるので絞り出しています。
2回目の手術のものは、縫っているため跡が残っています。
痛みも何もないです。

以上、私の粉瘤体験談でした。
まだ2つ(増えた)あるので、そのうち行こう…と考えております。
自分のためと、これ粉瘤かもと気づいた方のお力になればと思います。

補足

ちなみに自分で治療しようとして、針などで刺して絞り出すのはやめた方がいいです。
絞りだしきれなかった垢がとても臭く、2日ぐらい臭います。
あと、うっかり破裂なんてしたら垢を体の中でまき散らすことになるので、粉瘤取り出す手術ではなく、もっと大がかりな手術になりそうです…。




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