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映画 スタンド・バイ・ミー(ドラえもんじゃない方) 感想


 私の好きな映画の一つです。
 初めて見た時の状況も、私にとって大切な思い出です。なので、そこから書いていこうと思います。

[見ることになったきっかけ]
 初めて見たのは小学6年生くらい。2つ年上の姉が英語の授業でベン・E・キングの歌、スタンドバイミーを習いました。どうやら映画の主題歌であるらしいこと、その映画が近々深夜にやるということを知り、姉と私、2人で深夜に地上波で見ることに。
普段厳しい親も、この映画は名作だからと、見ることを許してくれたのだと思います。

[初めて見た時の感想]
 見終わって、姉と一緒に、この映画面白い!歌も最高!となりました。
 この時は主人公達と年齢が近かったため、親の眼の届かないところで冒険をする所に惹かれたんだと思います。
 ところどころギャグとかユーモアもあるところも面白く感じました。
 ちなみに、姉はリバーフェニックスがイケメンであると言い、ネットで調べたりしていました。

[今見た感想]
年を取って、より色々なことを感じるようになったので、書いていきたいと思います。

1 主人公達の抱える悩みと、支える友人
 主人公達はそれぞれ悩みを抱えています。
 ゴーディーは、年の離れた兄がいました。親の注目や期待は全て兄に行きますが、ゴーディー自身も兄に尊敬、憧れの気持ちを持っているため、家庭内のバランスは取れていたようです。
兄が亡くなったことにより、家庭は火が消えたようになってしまう。親の気持ちは亡くなった兄に向いたまま。父親からはひどい言葉をかけられてしまいます(ここが真実なのか、ゴーディーの想像なのかちょっと判断がつきかねます。でも、真実だと私は考えます)。
 それゆえ、自分はいなくなった方がいいのだという気持ちを持っているゴーディー。自分の将来のことも真剣に考えられません。
 クリスは本人は今いる環境から抜け出したいと思いつつも、周囲(学校の先生も)からは「兄が不良で家庭環境も悪いのだから、あいつも将来不良になるに違いない」というレッテルを貼られてしまっています。
 テディは自身の父親が精神疾患を抱えており、幼い頃に凄惨な虐待を受けています。自身を虐待した父親ですが、太平洋戦争で活躍したことをテディは誇りに思っています。でも周囲は「頭のおかしい父親」と馬鹿にします。
 バーンはマイペースなので、何かと友人から馬鹿にされています。主人公達の中で1番悩みが軽そう(バーンごめんね)です。しかし映画の終盤でテディに食ってかかるシーンがあるので、やはり本人は悩んでいたのではと思います。
 主人公達は旅の途中で、自らの悩みに直面して、涙します。その時にそばで励ましてくれたり、あるいは何も言わず話をただ聞いてくれたりします。
 本来は悩みがあるなら親に相談、とも言いますが、主人公達は親に相談できない事情を抱えています。というか親そのものが悩みの根源なのです。
 普段はバカ話や冒険で一緒に楽しめる友人。でも苦しい時、悲しい時にそばにいてくれる友人。とてもいい人間関係だなと思いました。

2 「握手しようぜ」のシーン
 冒険を終えると、テディとバーンは家に帰り、ゴーディーとクリスは丘の上?から街を見下ろします。

 クリス「いつかこの街を出られると思うか?」
  ゴーディー「君ならなんだってできるよ」
  クリス「握手しようぜ」 
 
 クリスにとって自分を認め、励ましてくれるゴーディー。2人の絆を感じさせるシーンです。クリスが亡くなったことを伝えるナレーションが入ると、クリスの姿が徐々に消えていきます。ここでとても切ない気持ちになります。

2 友人たちとの別れと思い出
 あんなに仲が良かった友人達とも、環境が変わることにより、疎遠になっていきます。
 クリスが亡くなったことは、新聞で知ることとなります(映画の序盤で明らかになります)思い出は色褪せない。ゴーディーは「彼ら以上の友人はいままでいなかった」と語ります。
 これはおそらく、心から共に楽しんだり、悲しんだりすることができた友人だからなのでは?と思いました。
 私の場合、大人になってからは妙に遠慮してしまうというか、心をさらけ出した友人関係は築けませんでした。
 子どもだったからこそ、遠慮なく、お互い傷ついたり傷つけられたり(ケンカですね)する友人関係が築けたのかもしれません。
 話は戻りますが、ゴーディーは友人との思い出を小説にすることで、永遠に消えることのない思い出へと昇華させました。それだけ彼にとって、かけがえのない思い出だったのだと思います。

3 エンドロール
 映画のエンドロールとともに主題歌のスタンドバイミーを聴くと、より深く感動します。主題歌が名曲だからだけではなく、歌詞の内容と、映画の内容がマッチしているからだと思います。
 ちなみに、原作のスタンドバイミー(スティーブンキング作)の冒頭には、「心で思っていることを言葉にすると、いつも上手く表現できない」といったことが書かれています。
 この映画を見た時の感動をすべて文章にするのはとても難しいです。でも書きたくなって、書いてしまいました。

[原作の小説]
細かい違いはあるものの、映画はほぼ原作通りに作られています。ゴーディーの心情や、クリスとの関係がより細かく書かれているので、読んでよかったと思いました。

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