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”公務員”志望者の残念な志望動機

“公務員”を目指している方によく見かける残念な志望動機が3つあります。それぞれ紹介するので、もう少し深く考えるきっかけにしてください。

① 民間企業の利益追求が嫌だ

 税金という限られた原資を使って効率的・効果的に政策の効果を上げるためには、公益の追求も利益の追求と視点はあまり変わりません。最近では、SDGsなどが浸透して、民間企業でも公益を強く意識するようになっています。公務においても、公務単独で政策を実現することが難しくなっているので、民間企業やNPOなどと連携して施策を展開することが増えており、公益と利益の垣根が曖昧になりつつあります。
 利益追求に嫌な感覚を持つことは否定しません。その感覚がなぜ生まれるのでしょうか。是非、自分なりにもう少し深く考えるようにしてください。公益と利益の違いを見いだせれば、民間ではなく、公務でなければならない理由につながります。

② この政策をやりたい

 公務員は2~3年で人事異動があります。稀に長く同じ仕事を続ける人もいますが、基本的にはジョブローテーションで異動します。このため、同じ政策に関わり続けることは難しいです。
 なぜ、特定の政策に関わりたいと思う気持ちがあるのでしょうか。その気持ちを政策として結実しようとするとき、考えられるアプローチは他にはないでしょうか。世の中は複雑に絡みあっているので、より本質的なことに目を向ければ、政策への関わり方も広く捉えられます。

③ 安定志向

 確かに公務員には身分保障があるので、勤務成績がよっぽど悪くないない限り失職することはありません。不景気でも安定的に給与が支給されます。しかし、なぜ公務員に身分保障があるのか、ぜひ、考えてみてください。
 公務員の身分保障には2つの意味があると考えています。

(1) 言いわなければならないことを言う

 公務員は法律に基づいて職務を遂行しますが、上司の命令が法律に背いている時は、「背いている」と言わなければなりません。さらに、世の中によってより善いと思うことであれば、意見として発言することも期待されています。
 上司に意見することなので、内容によっては上司から嫌われてしまう可能性があります。民間企業では、社長に意見すればクビになってしまう可能性もありますが、公務員には身分保障があるので、最悪でも左遷に留まります。

(2) やらなければならないことをやる

 公務員には、災害などの国民や市民の緊急事態にも、職務を遂行することが期待されています。国民や市民のためにやらなければならないことがあるときには、やらなければなりません。安んじて職務を遂行してもらえるように、そのような事態が生じたときにも安定的に給与が支給されています。

 ①と②の志望動機は、面接の場面でも聞かれる動機です。もし、このような動機を話そうとしているのであれば、しっかりと深掘りするようにしてください。
 ③の志望動機は、露骨にこの言葉を言う方は少ないですが、掘り下げると見えてくる動機です。ぜひ、安定している理由を考えるようにしてください。

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