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コントラクトブリッジ、ポーカー、ジン・ラミーが世界三大カードゲームと言われているのはどうして?(調査メモ)

世界中でプレイされているカードゲームのコントラクトブリッジは、同じくトランプカードを使ったゲームであるポーカー、ジン・ラミーとともに「世界三大カードゲーム」として紹介されることがあります。
ですが、どうしてこの3種のカードゲームが「世界三大」と称されることになったのでしょうか。
今回は、それについて記述のある書籍を見つけたので、内容をご紹介したいと思います。

『トランプのたのしみ』

ご紹介するのは1979年に出版された『トランプのたのしみ』という書籍です。著者はカードゲームを中心に伝承ゲームの書籍を多数執筆された松田道弘さんです。

こちらの本は『トランプのたのしみ』というタイトルですが、内容はこの「世界三大カードゲーム」を中心に紹介するものとなっています。

冒頭では基本的なカードの扱い方や、カードゲームにおける基礎用語が解説されています。一般家庭で遊ぶ際はここまで考えてカードを扱っていないとは思いますが、これを知っていると上級者っぽくなれますね。


ジン・ラミー

続いて、「ジン・ラミー」の紹介です。このゲームは2人で遊びます。カードの数字を点数として数え、場のカードと入れ替えながら役を作って10枚の手札の点数を減らしていき、勝敗をつけます。そして、ゲームごとにスコアをつけ、そのスコアを先に100点取ったら勝ち、というゲームです。
この本によれば、ジン・ラミー「いま世界中でもっとも人気のあるゲーム」で、1939年頃にハリウッドの映画スターの間で人気を博したことをきっかけにアメリカで流行したそう。当時のジン・ラミーのプレイヤー人口は全世界で推定五千万人なんだとか!この本が書かれた1979年頃には世界的によく知られたゲームだったことが窺えます。


ポーカー

ジン・ラミーの次は、「ポーカー」の紹介です。ポーカーは「アス」というカードゲームが祖先と言われ、1830年頃に現在の52枚セットのトランプカードで遊ばれるようになり、「ポーカー」という名称は1850年頃には文献にも見られるようになったそう。そして19世紀から20世紀初頭にかけてアメリカの国民的ゲームとして定着していったということです。

近年ポーカーは日本でも流行しているそうで、オンラインポーカーやポーカールームなどの話題をネットで目にします。この本では「ポーカーが日本ではほとんど流行することがない理由を考えてみたい」なんていう記述もあるのですが、40年後の日本でポーカーが盛んにプレイされているとは著者の方も思いもよらないことでしょう。

ブリッジ

そして、おすすめゲーム(ハート、ファイブ・ハンドレッド、カシノ)の紹介を挟んで、いよいよ我らがブリッジのページです。ブリッジは当方のnoteでもご紹介している通り、ブリッジの祖先のゲーム「ホイスト」が16世紀頃に発生し、様々なバリエーションを経て1925年に現在の「コントラクトブリッジ」が誕生します。
この本ではホイストと、コントラクトブリッジの前身とも言える「オークション・ブリッジ」、そしてコントラクトブリッジそれぞれについて、違いを踏まえながら遊び方を紹介しています。

この章の冒頭に、ブリッジの章がこのような構成になった理由が述べられています。

ゲームはある日とつぜんアラジンのランプをこすったときのように出現するものではありません。人類が発明した最高に知的なゲームといわれるコントラクト・ブリッジはいま世界中で何千万という愛好者を獲得していますが、このゲームがいまのような形で完成されるまでには長い試行錯誤の歴史があるのです。

『トランプのたのしみ』松田道弘 163ページ

ブリッジというゲームについて語る際には、どうしてもコントラクトブリッジに至るまでの歴史に触れなくてはなりません(ブリッジプレイヤー的には、という話ですが)。この本ではこのゲームの変遷について分かりやすく説明されているので、これからブリッジについて勉強したいという方は是非この本を読んでみて欲しいと思います。

まとめ

19世紀後半から20世紀の間に、
アメリカを中心に世界中で遊ばれていたカードゲームだったことから、
この3種のゲームが「世界三大カードゲーム」と呼ばれるようになった、
らしい

この本一冊しか読んでいないので「らしい」とさせていただきましたが、この3種のゲームは19世紀後半から20世紀に流行して世界中に多くのプレイヤーがいたため「三大ゲーム」と呼ばれるようになったということが分かりました。
(「じゃあ最初に三大ゲームと言い出したのはどこの誰なのか?根拠は?出典は?」と言い出すとキリがないのでここまでとさせていただきます…)

とは言うものの、この本によると当時の日本では「セブン・ブリッジ」や「ツー・テン・ジャック」といった日本独自のトランプゲームが流行していて、この3種のゲームはそんなに遊ばれていなかったそうです。現在でも日本人ではポーカーぐらいしか知らない人が多いと思いますので、ブリッジについても知ってもらえるといいんですけどねーではー。

(余談)
この本では以前当方のnoteでも取り上げた『ひらいたトランプ』『007ムーンレイカー』についても紹介されています。

『ひらいたトランプ』のスコア表とセリフを元にハンド復元に挑んでいるページは必見です。

サポートはコントラクトブリッジに関する記事執筆のための調査費用、コーヒー代として活用させていただきますー。