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フランスで開発されたAIがコントラクトブリッジの世界チャンピオンを打ち破ったという話

2022年3月、世界中のコントラクトブリッジプレイヤーに衝撃を与えるニュースが飛び込んできました。
なんと、フランスで開発されたAIがコントラクトブリッジの世界チャンピオン8人との勝負に勝利したというのです。
人間とAIがマインドスポーツで対戦する例はチェスや将棋、囲碁などが有名ですが、これはいったいどういうニュースなのでしょうか?

このニュースはイギリスの新聞「The Guardian」のウェブサイトで読むことができます。(英語です)

また、日本語のニュースサイト「GIGAZINE」でも取り上げられています。


このAIを開発したのはフランスのスタートアップ企業である「NukkAI」で、世界チャンピオンたちとAIの対戦は2022年3月24・25日に行われました。

その様子はYouTubeで配信されており、アーカイブを見ることができます。(音声はフランス語)


記事によれば、この対戦ではオークションのフェーズはなく、コントラクトが設定されたハンドをプレイする形式で行われたそうです。「ディクレアラーの人間1人 対 オポーネントのAI(2体)」のゲームを行った後、同じゲームを「NukkAI社が開発したAI「Nook」対 オポーネントのAI(2体)」で行い、トータルのスコアを比べたところ、「Nookは平均して80セット中67セットで人間に勝利した(「GIGAZINE」より)」ということでした。

当方はコンピューターにも競技ブリッジにも詳しいわけではないので専門的な解説は先述の記事を参照していただきたいですが、コントラクトブリッジは52枚あるカードのうち、自分の手札の13枚とダミーの手札13枚を見ながらコントラクトの達成(もしくは阻止)をするための戦略を考えて13ターンのプレイを行います。1ターンごとに4枚ずつカードが消費され、残りのカードが誰の元にあるのか、重要なカードは誰が持っているのかを読み合う心理戦はコントラクトブリッジならではのものです。これをAIがどのように判断してゲームを行っているのか、ということは大変興味深いと思いました。

(余談ですが、フランスはブリッジが盛んな国で、ブリッジの人気アプリ「Funbridge」もフランスのゲームメーカーによるものですが、Funbridgeユーザーにはおなじみのゲーム内AI「Argine」と今回のAI「Nook」が対戦したらどうなるのかなぁとか思ってみたり…)

記事にもありますが、今回は「オークション」のフェーズがなかったということなので、この先はオークションの競り合いができるAIが開発され、オークションも含めた形でのチャレンジマッチが再度開催されることを期待したいですねーではー。

サポートはコントラクトブリッジに関する記事執筆のための調査費用、コーヒー代として活用させていただきますー。