『香艸茶 うゑるかをる』の由来について
はじめに…サボってました、ゴメンなさい
オリジナルの薬草茶ブランドを立ち上げようと思ってスタートした今年でしたが、早くも年末が迫ってきています…。
商品だけではなかなか伝わらないことも多いので書き始めたnoteですが、早くも放置してしました…(ごめんなさい。。)
実は、前回に投稿した2つの記事は、フランスの旅の途中で書いていました。
6月の終わりから7月の頭にかけて、お店を2週間お休みいただいて、フランスへ旅行に行ってきました。
パリ、マルセイユ、ストラスブールの3箇所を列車を使って移動したのですが、その移動中に書いたり、日中に公園を散歩しながら書いたりしていました。
環境が全く異なる異国に身を置き、仕事に追われず時間にゆとりができると、いろいろなアイディアが浮かんできます。
そんな時間に、noteを書くことはとてもベストでした。
それから帰国して、8月リリース予定だったお茶の制作の追い込みと、いつものサロンワークの日々に再び追われ、なかなか書く時間が取れませんでした…。
とりあえずお茶も無事にリリースでき、少し時間にゆとりができるようになってきたので、またポツリポツリと書き留めていきます。
ちなみに今はぶりこの休日、現代美術館のカフェのテラスで書いています。
テラスが気持ちいい季節になりました◎
『香艸茶』とは?
さて、本題。
今回は、『香艸茶 うゑるかをる(こうそうちゃ うえるかおる)』のネーミングについて、お話ししようかと思います。
まずは、『香艸茶』について。
うゑるかをるのお茶は、日本で採れた薬草をブレンドしたお茶です。
古来、まだ薬がなかった時代、昔の人たちは、身近なものを薬として利用してきました。
その多くが野草などの植物の葉や花、実などです。
これらを『薬草』と呼びます。
『薬草』というと、どんなものか、みなさんも簡単にイメージがつくと思います。
では、なぜあえて『香艸茶』にしたのか?
それは、『薬事法』のせいです。
法律で、効果効能を認められた薬以外のものに『薬』という表現は認められていません。
また『漢方』も薬の一種ですので、『漢方茶』という表現も、薬の漢方を容易にイメージさせるのでNG。(もしかしたら上手に切り抜ける方法があるのかもしれませんが、ここはあえてリスキーな選択はしませんでした…)
使っているものは薬草なのに、堂々と『薬草茶です!!』と言えないもどかしさ…。
『じゃあ、このお茶は一体何茶と言えばいいんだ?』
と、私の言葉探しの旅がスタートしました…
日本の材料のお茶だから、『ハーブ』とは言いたくない
日本茶、緑茶、中国茶、烏龍茶、紅茶…
お茶にはいろんな種類があります。
おそらく、今回私が製作したお茶は、『薬草茶』がベストでみんながわかりやすい表現だけど、それが使えない…
大別するためのお茶の種類を書きたかっただけなのに、言葉がないなんて…
こんなところで躓くとは思いもしませんでした。
欧米諸国でも漢方のように植物で体の調子を整える習慣があります。
その植物はみなさんもご存知の、『ハーブ』。
『ハーブティー』といえば、『ただのお茶ではなく、体に嬉しい作用がある』というイメージが容易にできます。
また、同じ意味合いでも『薬草茶』よりも『ハーブティー』の方が優しくて、味も美味しいイメージがある。
そういった意味でも、今回の私のお茶も『ハーブティー』と言っても良かったのですが、欧米のイメージが強い点が、どうしても私の中で引っかかってしまいました。
『日本の素材』というポイントをどうしても推したかったのです。
だって、私は鍼灸師だし、それは東洋医学だし。
そこでカタカナを使うのは、コンセプトに合わないのでどうしても使いたくなかったんですよね…
日本を意味する『和』という漢字と、『ハーブ』を組み合わせた表現も思いついたのですが、商標という大人の事情で不可能でした。
そこで、『ハーブ』を漢字で表現した『香草』を思いつき、昔の人たちから伝わる知恵という部分を強調するためにも『草』という漢字を『艸』という古い漢字にし、『香艸茶』と表記することにしました。
要するに、『日本のハーブのお茶ですよ!』というわけです。
…意外とここまで辿り着くのが大変でした…笑。
『うゑるかをる』の名前の由来
次に、ブランド名の『うゑるかをる』の由来について。
ブランド名は、はじめから植物の『植』という字を使いたいと決めていました。
お茶の材料は主に薬草=植物、さらに私の名前の一部でもあります。
今回、薬草茶事業をやりたいな、と思ったきっかけは、サロンにいらっしゃるお客様の生活スタイルから着想を得た部分もありますが、自信が漢方の効果を実感し、その漢方の多くは植物からできていること+自分の名前にも『植』という字が入っているということ=これは漢方に関わる仕事をすべきでは…!?
と、勝手にご縁を感じてしまったから、というくだらない理由もあったりします…笑
とはいえ、漢方は薬剤師さんしか扱えなく不可能なので、もう少し気軽に生活に取り入れられる、お茶に。
そんな流れで、植田が作る植物の手仕事だったので、『植える』というネーミングにしたかったわけです。
…が、こちらも商標的に引っかかることが判明…。
(英語表記のwellと被るとのこと…)
でも、どうしても『植える』は捨てがたかったので、考え抜いた末…私のファーストネームまで引っ張ってきてしまいました…笑
香おりの『香』。
香りは無駄な感情に邪魔されることなく、ストレートに脳へ働きかけます。
香りでリラックスしたり、リフレッシュしたりすることができるのは、その作用のおかげ。
植物は香りが良いものが多いです。
森林浴やアロマセラピー、切花、お茶の香りですら、癒されますよね。
『かをる』の部分は結果オーライでつけたネームングでしたが、最終的に今回のお茶のブレンドでも実感していただける、最後に抜ける優しい香りを表現してくれる、大事な意味を含んだ部分になりました。
そういったわけで、最終的に自分の名前と植物とリンクさせたネーミングと、やっぱり『古来から』の部分を強調しての古いひらがな表記を採用して、『うゑるかをる』としました。
ロゴマークにも意味があります
丸と曲線を合わせた、黒い線でできたロゴマーク。
これにも意味があります。
ロゴマークにも『日本の昔からの知恵』という意味を込めたく、字が限りなく絵に近い象形文字を中心にイメージを集めました。
うゑるかをる、のロゴマークは、象形文字から着想を得ています。
円の中の曲線部分、ここが『藝(ゲイ)』と『香』の象形文字を組み合わせて描きました。
なぜ『藝』の字の象形文字かというと、元々『藝』という漢字には『植える』という意味があったそうです。
本来の『草木を植えて育てる』意味が、『自然のものに手を加えて、良い形のものに仕上げる』という技能や技術的なものも含まれるようになり、現在の『芸』の意味になったとのこと。
よって『藝』の象形文字も、人がひざまずいて植物を捧げ持つ形になっています。
また、『自然のものに手を加えて、良いものに仕上げる』という意味が、10年前に自分のサロンに『Brico』と名付けた由来にシンクロしていた、というのも一つの理由。
『Brico』の由来は、フランス語の『bricolage』。
辞書で引くと『日曜大工』『DIY』などと出てきますが、絵画での表現技法として『今あるものを寄せ集めて、これまでにはない全く新しいものを作る』という意味合いもあるそうです。
その意味が気に入って、『Brico』と名付けました。
その気に入った部分の意味が、『bricolage』と『藝』が似ているような気がしたのです。
元々、人真似をすることが嫌いで、自分オリジナルのものを作りたい!という私の性格を、上手に表してくれている言葉です笑。
ロゴマークの人が捧げ持っている部分が、『香』の象形文字に由来するものです。
『香』は、『黍(きび)』と『甘』が組み合わさった字だそう。
なので、植物部分の黍を捧げ持たせて、文字を組み合わせてロゴマークを作ってみました。
自作ブランド、気に入っています!
自力でブランド名を考え、ロゴマークも考えて自分で描きました…!
なかなか自分で作ったものは気に入らないことが多いのですが、今回のロゴマークは気に入っています。
ま、コスト削減といえばそうなのですが…笑。
ファッション業界では、自分の名前をブランド名にしているデザイナーさんが多いですよね。
大御所な方ばかりなので、なんだかそれに張り合っているようで恐縮ですが…
でも自分の分身な気がして、ブランドを大事にできそうです◎
今回もご拝読いただきまして、ありがとうございました!
(今度は間を空けないように、定期的に書いていきます!笑)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?