見出し画像

病は気からと言うけれど?

以前受けた子宮頸がんの手術、広汎子宮全摘術は術後の排尿訓練などで入院期間が長かったので、なかなか生んだばかりの我が子に面会できず、排尿訓練もなかなか思うようにいかず、かなり落ち込んでた時期があります。

過去記事↓



入院中はいろいろな方にお世話になり、家族以外にも面会に来てくださった方がいましたが、面会に来てくれた私よりもだいぶ年上の知人に、

「病は気からなんだから。落ち込んでないで頑張らなきゃ!もうお母さんになったんだから!」

と言われました。

家族以外の人が面会に来てくれた時は、努めて落ち込んでいる様子は見せず、明るくふるまっていたつもりですが、どうやら私の落ち込みようは隠せず滲み出ていた模様。

それを言われた時、笑顔でそうですねと返していたが、
私の心の中の本当の気持ちは、、、
「病は気からなんて、そんなのわかってる。母親になったんだからしっかりしなきゃって自分だって思ってる。それでもそんな簡単じゃないんだ、そんなこと言ってられないくらい辛いんだよ。」 でした。

病院までわざわざ来てくれて、いろんな気遣いをたくさんしてくれて、私の家族にも声をかけてくれて、元気づける為に言ってくれた優しさの言葉を、心の中では素直に受け取れていなかった私。

緊急帝王切開の出産直後に癌宣告され、産後・術後の休養もままならないまま検査などで忙しく動き、出産一か月後には再度開腹し広汎子宮全摘術。そして結果の不安や排尿訓練の辛さ、子供に会えない寂しさ、、、その時の私は、疲れ切っていて余裕がまったくありませんでした。


「病は気から」ってよく言うけれど、精神的なストレスが免疫力を低下させたり、笑顔やポジティブな思考でいた方が健康的でいれるのは、自分の体を通しての実感も、科学的に言われていることからも、その通りだなと思います。その後の数々の体調不良からも感情や普段の気持ちの在り方が大切だなと痛感しています。

私はあの時、声をかけてくれた知人の元気づけてくれようとする優しさを、ただ素直にそのまま、受け取ればよかったんだな。

私の落ち込みや心配に常に寄り添い、一緒になって悩んで、一緒に上がって行こうともがいてくれた姉の優しさも、常に冷静に動いて、どんな時でも受け止めてくれた夫も、どれだけの心配も言葉にせず黙々と新生児の子供の世話をしてくれた母も、いつも温かく声をかけてくれた義理の両親も、病は気からだよと声をかけてくれた知人も、全部愛からの行動、言葉。

「病は気から」だけれども、自分の感情に蓋をするのは逆に不健康。
人間なんだから、今までにないような大変なことが起こった時は、すぐに気持ちの切り替えなんて言わず、悲しい時は悲しむ。
辛い時、大変な時はつらいよね、大変だよねって自分に情けをかける。
泣きたい時は泣いて泣いて泣く。それでいいと思います。
そしてそれはとっても大切で重要なこと。

そして底を見たら、次は上を向いて生きるしかない。

底まで行って自分を救えるのは、「この人生を精一杯生きる」と決めた自分を信じているから。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?