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キャリアプランを考えた建築アイデアコンペの受賞をめざそう

0.アイデアコンペで勝つ

全国・世界から集められた数百点から、十数点が入賞作案として選ばれる、アイデアコンペ。設計を目指したい学生さんなら、1つはやったことがあると思います。

僕は学生時とフリーランス時にいくつかのコンペの受賞をしてきました。この記事では、ただコンペに勝つのではなく、後のキャリア形成ができる&受賞するための方法を解説していきます。


1.アイデアコンペをやる目的は?

学生さんにとって、建築のアイデアコンペをだすきっかけは何でしょうか?お金稼ぎのため!という人もいらっしゃるかと思います。でも、腕試しや、就職のために出す人が多いんじゃないかな、と思います。

また最近は、社会人の方も多く参加してらっしゃいます。コンペによっては、全員受賞者が社会人ということも見られます。

僕自身フリーランス時は、施主に業務経歴の一部としてプロフィールに掲載したところ、実施案件を任される確度があがったと実感しています。

会社勤めしている人にとってコンペ参加の目的は、社内へのアピールや、転職といったことだとコンペ参加をした友人に聞きました。

某設計事務所の元同僚は、アイデアコンペで最優秀賞を取ったきっかけで、外へ向けて講演会をしたり、新しい技術を生み出すような特殊な業務を任されています。

アイデアコンペに参加して、勝つことは、自分の中のキャリア形成にも役に立つといえます。


2.アイデアコンペは、実施作の縮図

アイデアコンペは、実施作をギュッとまとめたものといえます。クライアント=主催者・審査員がいて、課題=要望があって、提出書類の種別と期日があり、賞金という対価がある。これって実施作の設計業務を、超短期化したものじゃないですか。

もちろん、アイデアコンペの案には構造設備などのエンジニアリングや法規や工事費を気にする必要はないわけですが、おおむね実施作の業務をなぞっているわけです。

学生さんたちにとっては、来るべき設計業務を疑似的に体験できるわけですし、フリーランスの方にとっては、腕試しになるわけです。

ですので、アイデアコンペを積極的にやることはとてもよいことなのです。


3.キャリアを見据えたアイデアコンペ受賞

コンペで勝たないと意味がない。。という話をよく聞きますが、晴れて受賞出来たらとても喜ばしい話でしょう。ですが、受賞しなくても良い建築案ができたら堂々と自分のプロフィールに載せることができます。

学生さんはポートフォリオに堂々と乗せることができます。

キャリアを見据えたアイデアコンペ案とは何かというと、「コンペ課題を読み込んで出てきたアイデアを元に設計された建築作品」ということです。

世の中の建築アイデアコンペには、アイデアのみでひとつの建築のかたちになっていない受賞作品があります。それはそれでエッジの効いた斬新なアイデア作品ですので、とても良いと思います。

ですが、キャリアを見据えるということでいうと、やはり建築のかたちにしておいた方が良いと思うのです。就職のエントリーや面接で、最優秀作を取ったアイデア作品と、入選を取った建築作品だったら、後者の方がアピールポイント高いと思っています。だって、面接官はいつも実在する建築を設計しているのですから、彼らはアイデアよりも、建築が大好きなんです。

エッジの効いたアイデアとしては一つレベルが落ちようと、そのアイデアから派生する建築アイデアが膨らむならば、そちらを採用した方がよいです。

例えアイデアコンペであっても、建築をひとつつくりきる、これを意識してください。


4.受賞アイデアコンペ

とはいっても、受賞したことのない人が語っても、説得力がありません。僕はこれまで、いくつかアイデアコンペで入賞しています。

受賞時のプレゼンテーションボードをひとつだけ紹介します。フリーランス時に入賞した2つは有料記事にて紹介します。


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某住宅コンペの受賞時のレイアウトです。

大学院の時に取り組み、最優秀賞の次点の「優秀賞」でした。


5.実践!アイデアコンペで受賞する

これまでのまとめとして、以下のようなことをこの記事では書いてきました。

・アイデアコンペに積極的に参加してキャリア形成を図る

・アイデアコンペは実施作の縮図で、設計業務のトレーニングにもなる

・ポートフォリオに効果的に載せるために、一つの建築をつくりきる


僕も学生の頃、学部と大学院を合わせたら10くらい出していました。もちろん、ほとんど受賞はなりませんでした。

大学の設計課題では、常に上位3くらいまではなっていたのですが、コンペではそうはいきません。全国、コンペによっては全世界で、数百単位のコンペ案が集まるので、審査員の目にかなう作品は、上位のたった数パーセントなのです。

そう、全国・全世界の腕に自信があるコンペティターが応募してくるのです。大学の設計課題のようにまともにやっていては、審査員の印象はおろか、見向きもされないでしょう。

じゃあ、強者ぞろいのコンペに入賞するためにはどうすればよいかを具体的に説明していきたいと思います。

僕自身、学生時は10案出して1つ入賞できれば良い方でした。入賞できるコンペ案とは何かを考え続け、フリーランス時に実施してみたら5案出して2つ入賞できました。入賞の確率が、10%未満から40%に上がりました。

なお、この章以降はコンペに入賞する実践編として、有料記事となります。絶対にコンペに勝つ方法はありませんが、入賞の確度を高めるテクニックはあります。学食1食分くらいの金額ですので、ぜひ。

コンペを勝ちたいみなさんのお手伝いができればと思って書きましたので、ぜひぜひ読んでください!


おわりに。。

ただ、コンペに漫然と参加するのではなく、しっかりとキャリア形成ができる案をつくれるコンペに参加しましょう。

みなさんの良いコンペライフとなりますように。


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