ヨガって何かを確認しよう

１、ヨガってなんだっけ？

いきなり結論ですが、ヨガのアサナは心身の毒を出し、つまり（ブロック）を取り、肉体的、エネルギー的にスムーズなカラダを作り、「瞑想しやすいカラダと心を育むためのもの」です。

ではなぜ瞑想をするのでしょう？

瞑想は、肉体と思考を完全に休め、「意識」と言う領域に栄養を与え、育てていくものです。食べ物やエネルギーを摂取して体が成長していくように、「意識」はそちらに「意識」を注ぐことで育っていきます。まずは「意識」という領域があることに気づくこと、まずそれが意識を育てるための第一歩なのです。

2,意識ってなんだろう？

「意識」という領域は「霊」とも表現されることがあります。どのような顔をしているか、どのような性格をしているか、ということのように、あなたがどのような「意識」であるかということは、あなたがどういう「霊」的存在であるかということでもあるのです。

「霊」ってなんだろう？っていうと、それは物質として重さを持たないものですが、確かに存在する空気のようなものです。たとえば「色」や「味」を想像してください。

「あの人のことを思い出すとなんだかピンク色のイメージが浮かぶ」とか

「あの人との思い出は甘酸っぱい」とか

「今日はドヨーンとした灰色の空のような気持ち」とか、これは霊の姿を言葉で表したものです。このように多かれ少なかれ、私たち人間は「霊＝意識」として物事や生き物を捉えているのです。

ヨギは「意識」というフィールドを超えていくために瞑想をします。アサナとプラナヤマと生活を通して、「肉体」「心」「意識」のバランスを調整し、というあらゆる「カラダ」を瞑想に適したものにしていきます。

3,瞑想ってなんだろう？

「瞑想」という行為に出会ってその実践を始めた時に、何か違和感ややりにくさを感じたとしたら、それはそれら多次元に渡るカラダのどれかが（ひょっとするとどれもが。）瞑想に適した状態ではないということでしょう。

たとえばパンを焼くことを想像してください。パンの材料がバランスよくこねられていて、窯の温度がちょうど良い時に、その中にパンを入れると、私たちが努力しなくても、ちょうどよく美味しいパンが焼けます。分量のバランスが良くなかったり、混ぜ合わせている素材そのものの質が良くなかったり、窯の温度が低すぎたりしたらパンは生焼けのまま固まってしまったり、焦げ付いたり、美味しくなかったりします。瞑想は「パンを焼く」という最後の仕上げのような状態で、そこばかりを一生懸命にやってもうまくいくような種類のことではないのです。

「瞑想」はその練習をするより以前に、瞑想をするための準備によって、その質が変わってくるのです。

４、瞑想は、純粋な質の良い素材でよく捏ねたパンを焼くこと

ヨガのアサナ（体操）やプラナヤマ（調氣法）はパンの素材を混ぜ合わせて捏ねている段階だとすると、ヤマニヤマ（生活規範）はパンの素材集めです。

どんなパンを焼きたいかによって集めてくる素材は違ってくると思います。ヨガのヤマニヤマで集める素材は、エゴから選んだのではない素材。

「こんな風にもっと美味しく」

「こんな風に綺麗に」

「ちょっと硬めでとんがった感じに」とか、

エゴを反映させたパンではなく、あらゆる欲望を超えて、思いやりと慈しみにあふれたパンです。そんなパンを焼くために必要な素材をどうやって集めたらいいのか、どうしたら集めようとしなくても、そのような素材で自分が溢れている状態になるのか、それを教えてくれるのがヨガの生活規範であるヤマニヤマ。

５、パンが宇宙から生まれていることに気づくこと

そして、最終的にパンを焼くこと（瞑想）を通して私たちが発見していくことは、そのパン（肉体と心）を構成している小麦も、水も、油も、小麦を育む太陽も、火を焚くための薪も、その木を育てる水も太陽も土も、全てが大きな大きなあなた自身であるということです。

「私」はこの大きな宇宙、自然の一部であり、イマというこの一瞬に肉体という枠組みを持ち、同じように大きなものの一部である命を宇宙中から集めてきて、何かを確かめるために、捏ねて丸めてパンを焼き、そしてそれを食べている。

太陽と山と水と風と火とあらゆる命が育んだものに、少しだけ手を加えて「パン」という一瞬だけ形になるもの（肉体）を作っている。そして、パンを捏ねた私自身（意識）は永遠にここにいて、パンを焼き続けるのでは無く、あるとき、その小麦が来たところ、水がきたところ、火が来たところへ帰っていく。

私たちの命は大きな海の中の一つの波のように、現れては消えていく。肉体は消えていくけれど、いのちという大きな営みは決して消えていくことはない。

瞑想での体験はそれを教えてくれます。

だけどもし、瞑想でそのような体験に至って、それを悟り、大きな意識の変容が起こらなかったとしても、その知恵の元に一人一人の選択や生活の基準が変われば、世界の調和は少しずつ取り戻されていくのです。

オンラインでヨガ的暮らしを広げていくコースをやっています。

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