オーロヴィルへの旅②
オーロヴィルでの「仕事」はコミュニティー作りから
オーロヴィルにはいくつものコミュニティー(カンパニーのようなもの)があります。資本主義的に言うと会社のようなものです。オーロヴィルでは「仕事」の感覚が少し資本主義のものとは違うのです。どの会社(俗に言う)もその中に、サスティナビリティー、文化発信、ボランティアと言う要素が含まれています。日本で言うと「なんとか財団」がやる文化発信のようなものを、必ずどの会社もやろうとしているような感じです。地元の人の雇用やインターンシップ、農とつながっての生産の連携、環境負荷の少ない形での生産、販売する際の発信の仕方など、より調和の取れた形をデザインしながら表現しています。どのコミュニティーもオーロヴィルのベースにあるサスティナブルであることが大前提で作られています。サスティナビリティーはスピリチュアリティー=精神性を育むのにベーシックに必要なことなのです。街としてもそれがルールとしてあるそうです。また私が聞いた話では、資本主義的な建物(証券会社や銀行、保険会社など)はオーロヴィル内には作ってはいけないと言うルールもあるそうです。土地やお金のことについてもルールがあると言うことで色々と話を聞きましたが、これに関しては不確かなこともあるので、コミュニティー作りを目指す人にとって有益な情報を伝えるとと言うことをテーマに記しておきます。
サスティナブルであることが前提としたビジネス
私が知っている範囲でオーロヴィルで活動しているコミュニティー(資本主義的感覚で言うとビジネスをしているカンパニー)を紹介します。
・草木染めのお洋服をデザインし作っているもの
・女性の労働支援やローカルな手仕事を支えるもの
・竹に特化したもの作りや建築をするところ
・土に特化した建築を研究するもの
・コミュニティー作りを研究し実践するもの
・ヨガやダンスワークなど心と体についてのカルチャーを発信するもの
・水を使ったボディーワークやヒーリングを提供するもの
・ローフードの研究と開発とカフェを運営するもの
・ヴィーガンのレストラン
・自然栽培の研究と実践をする所(レストランも運営)
・木を植えて、サスティナビリティやパーマカルチャーを体験する場所
・すごく自由なアートスクール
・楽器について研究している所
・ティーンネイジャーのためのセンター
・託児所。etc...
様々なコミュニティーで、サスティナブルな(環境的考慮を大前提とした)形でそれぞれが表現したいことを表現しています。もちろんお金を動かして、利益を出したりもしているのだけれど、仕事と言うよりは表現。それぞれの表現したい「調和」を宿泊滞在して体験することができたり、ワークショップに参加することで体験することができたり、プロダクトを買うことや食べることを通して体験することができたりします。それぞれの目指すサスティナビリティーの程度の差や、ビジネスの大きさに違いははありますが、どのコミュニティーも調和のとれた世界をコミュニティーなりに表現しているように見えます。
オーロヴィルでのお金
お金のことについてはいろんな意見があるようですが、私の知っているところだけ、そしてコミュニティー作りの材料として知っているといいなと参考にできる部分をお伝えしていきます。オーロヴィルでお仕事をするとオーロポイントと言うのをもらえます。ひょっとすると仕事をしなくても、ボランティアをしたことでもらえるのかもしれません。とにかくオーロヴィリアンには地域通貨が配布されるのです。その地域で使ってねって言うお金です。そのお金を使って、公共のレストランで食事をすることができるし、お店でお洋服や生活雑貨などを購入することも可能です。ワークショップにも参加することができるし、住民に対しての値段はビジターよりも大抵低価格になっているし、無料で参加できるものもたくさんあります。会社を経営している人は結構高い額を税金として納めなければならないそうです。経営者の人にそれに対してどう感じているかと聞いたところ、その税も自分たちの街作りのために使われているのだからと、治めることに喜びを感じているそうです。無駄使いされていないと言う手応えがあるからそう思える、本来あるべき姿だなぁと感動します。
オーロヴィリアンが無料で受け取れるもの
学校、お昼ご飯、病院は無料。ポイントでお買い物やワークショップ、マッサージ、セラピーなども受けられる。一人で、オーロヴィルの中だけで慎ましやかに、スピリチュアリティーを大切に暮らす分には十分だそうです。以前はスピリチュアリティーの探究のためにオーロヴィルの住人になることを選び、国に帰ることもないと言う人がほとんどだったので問題なかったようですが、現在では住民も増えて、住居もいっぱいになり、家を建てる必要が出てきたり、コミュニティーも大きくなった分、様々な異なった理由からオーロヴィルに暮らしている人がいます。自分の母国に帰るフライト代とか、子どもをインド国外の大学にいかせたいとか、ポイントでは済ませられない、コミュニティー外での活動や生活に必要なお金の確保は自力でしなければならないそうで、お金に対する大変さなどは、人それぞれ状況によって感じることが違うようです。私たちが出会った人たちも「すごく楽で恵まれている」と言う人と「本当に大変」と言う人がいました。
日常の中にある街づくりのボランティア
住民は必ずどこかで働くか、ボランティアをするかしています。またお金をもらう仕事をどこかでしていても、必ず、市役所とか、マティルマンディールとか、ガーデンの整備や見回りとかをボランティアでやっています。そういうこともみんな嫌々やっている感じはなく(少なくとも私が出会った人たちは)すごく楽しそうに自分たちのコミュニティーを自分たちで作って守っているんだという喜びを持ってやっているのです。Motherの言葉の中に、人は物質的にも自分の住む街を作ることに貢献することでコミュニティーの連帯感や一体感が育っていくと言うことがあるそうです。子供にとっても街作りやお金を介さない仕事が超日常の中にあるのっていいですね。私たちが暮らす里山の村でも同じことがあります。古い日本のシステムの中にも自然にあったやり方でもありますね。ボランティアのおかげで、思春期の子供とも、強制的に親子の時間もできるみたい。下の写真はアシュラムのガーデン作りのプロジェクトに参加した時のもの。みんなボランティア。ガーデンのデザインをしてくれるリーダー的な女性の元、みんなでアイディアを持ち寄って、まっさらの空き地にワクワクしながら庭作りをしました。
まとめ
今回はオーロヴィル内の仕事のこととお金のことについて紹介しました。オーロヴィルを紹介することを通して、私たちのコミュニティー作り、村作りに対するイメージを共有していけたらと思っています。皆さんの暮らしに優しい循環を取り入れるヒントが見つかれば嬉しいです。
・優しい循環をベースにした村作りをしています。
・統合的なヨガ=インテグラルヨガやダンス、エコロジカルな建築を通して調和を広げる活動をしています。
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