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幸せを生み出す仕事を作る方法

無い仕事を生み出すこと

私は子供の頃から小説を書いたりする妄想少女でした。無い世界を事細かに想像するのが得意。年間10作品以上、ダンスの作品を作りまくる20代を通して、想像力と具現化能力はかなり高まったと思います。今も私のベースとなって支えてくれている力は想像力。

そんな中で自然と生まれてきたのは仕事をデザインするということ。

私が大学の舞踊学専攻を卒業した2004年。ダンスアーティストとして生きていこうと決めた中、そんな仕事はほぼ世の中にはなく、特に地方都市である新潟に移住してからはそんなニーズも無い。当然、お客さんになる層もなく、マーケットもない状態。その中で自分のやりたいダンス、身体ワーク、表現、ということを続けて生きていくには?たった一人途方に暮れる中、模索を重ねる中で発見したのは、まずはダンスの市場を作らなければならないということ。つまり、お客さんを作り、育てていかなければ自分には仕事をする場所はないということでした。

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ニーズを探して、未来のお客さんを育てる

ダンスアートというものの存在が知られていない世界で、特に田舎では未知のものへの恐怖や拒絶反応が強い。街中にアートがあることでの良い効果よりも、音が発生することで近所にどんな迷惑がかかるか、とか、社会的な心配事の方に対する想像力の方が働いてしまうようで、とにかくさせてもらえる場所がない。15年前は公民館ですらダンスの練習をさせてもらえない新潟の現状。私が新潟に移住したのはヒップホップブームも手伝って、「ダンス=不良」(涙)とにかくダンスへの拒絶感がすごい時代。そんな中、どんな人が未来のコンテンポラリーダンスのお客さんになりうるか、どの入り口を作ったらダンスアートの市場を作り出していけるか。私が考えたその入り口がヨガでした。ヨガという、2004年当時はまだ怪しい印象のある、精神性を伴った身体ワークに興味を持っている人であれば、ヨガを突き詰めて行った時にダンスという表現に一緒にたどり着いてくれるだろう。そうイメージしたのです。(ちょうインドに通ってヨガの修行し始めたところでした。)

まずヨガのクラスを始め、徐々にヨガのフィールドの人が集まるナチュラル系のマルシェイベントなどでダンスのワークショップを始めました。

イメージ通り、ヨガのお客さん、つまり生徒さんはダンスのパフォーマンスのお客さんになってくれ、ダンスアートというものを私を通して知ってくれるようになり、少しずつダンスの市場というものが育っていきました。


ニーズを生み出すための「新しい場所」が自分のポジション

ダンス+ヨガというベースをもったなんだか新しいダンサーとして認識され始め、そこをつなげるパイプ役として機能するようになり、ダンスからヨガ、ヨガからダンスを始めるという方も出てきました。

自然とそれが私のポジションとなり、「Yoga+ Art」という新しいジャンルとして仕事として成り立つようになり、私は無事に自分のやりたいことをして身をたてるということができるようになりました。その頃の私は「仕事に合わせて暮らしをデザインする」というスタイルで生きていました。仕事が好きで、仕事が中心の生き方。できる限り、舞台を企画したり、海外からゲストを呼んでイベントを組んだり、助成金申請をしては大きなイベントをやったり、休む間を惜しんでやりたいことをやりまくり、それが仕事になるという喜びを噛み締めていました。

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暮らしに合わせて仕事をデザインする

こんな風に「無い仕事」を作り出すためにデザインしてきた「私の仕事」だったけれど、結婚して子どもが産まれると、「暮らしのリズム」ということがとても大切になってきました。

今まではやりたくてやりたくてがむしゃらにやっていたから、夜のクラスでも土日のクラスでも、一日3クラスでも4クラスでも、お客さんのニーズを優先してやってきたけれど、家族ができて「子育て」という暮らしの一部が 最重要任務になってきたところで、暮らし優先に仕事をデザインする必要が生まれてきたのです。夫が稼いでくる家庭ではなかったから、「好きな仕事を趣味の範囲でやる主婦」にはなれませんでした。しかも私は家の仕事も大好きだし、家族のご飯は私が作りたい。仕事のせいで暮らしがおざなりになるのはつまらない。暮らしを大切にしたい。だけど大黒柱としてしっかり収入になる範囲で仕事をしたい。そんなわがままを実現することは、「好きなことをして生きていく」という20代の頃の私の夢そのものでもあったかもしれません。私の欲求は「働きたい」から「心地よく暮らしたい」にシフトしていたのです。(オトナになったなぁ。。。)

こうしたいと思ったらあとは、想像力を使ってそのようにデザインするだけ。

今まで違和感を持ちながら無理してやっていた平日夜のクラス。土曜日の昼間に遠く(片道1時間半かけていたことも!)に行ってこなしていたクラス、それらを全て辞めました。

ライフスタイルと心地よさを守るために決めた私のざっくりとしたルールはこちら

・17時以降は仕事はしない。

(・19時までに夕飯を食べれるようにする。)

・自分の哲学や方針と外れた現場では仕事をしない。

(職場のフラストレーションからのストレスを持ち込まない)

・子連れでできる仕事、子供にとってプラスになる仕事を優先。

結局子ども目線でベストな暮らしにシフトしていくと朝型で健康的なヨガ的な暮らしにシフトしていくことでもあり、もともと私が望んでいた暮らしのリズムでもあり。これでだいぶ家族がリラックスして過ごせるようになりました。私が「子連れで仕事をしたい」ということを明確に提示していたから、そういう現場からしか仕事は来ず、授乳しながら、おんぶしながら24時間子どもと一緒に過ごしながら仕事をするということがすんなり実現してしまいました。

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仕事を減らすことは余白を作り出すこと

クラスやワークショップの数だけでなく、ダンスの公演も数は減らしました。今までのように、やれるだけやっていくと、どうしても無理が生まれるから。倒れるまで無理ができる私は子供が生まれからは「無理してまでやらない」を最優先事項に。数は減ったけれど、我が子が一緒に楽しんで有意義な時間を過ごせるようにと、自然と子ども参加型の公演にシフト。私自身のクリエーション欲求を満たしながら、自分の子どもの教育の一環になるような体験の機会を作り出す。そんな風に、自分の子どもに体験させたいと思って作り出すものだからこそ、質をよく保つことができて、本質的なものを求めるお客さんが信用して参加してくれて喜んでくれる。お客さまの質がいいから、こちらも気持ちが良い。

減らした仕事の中から暮らしへの丁寧さが生まれ、その経験から新しい感性が生まれてクリエーションの質が変わってくる。

仕事を減らすことは一つのデザインで、余白を作り出すことでした。そして気づけばそれは「仕事」というより「私」の価値を高めることでもありました。

たくさんの時間、たくさん働くことがいい仕事をすることではなくて、いい仕事をするために仕事時間を減らして、家族や私自身を満たすのも大切な仕事。

仕事をするために鞭打つんじゃなくて、自分に本質的に優しくしてあげること。だから自分自身を見つめる時間や余裕ができて、自分のやりたいことがなんなのかを明確にできる。だから仕事の質が育っていく。仕事は量じゃなくて質。

直観任せでしたけれど、大胆に仕事を減らしたことで、そんなことを実体験して学んだ子育て期間でした。

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幸せを生み出す仕事のデザイン

仕事は私たちの暮らしを豊かにするためのもの。

家族や自分を犠牲にして働くのが一昔前の働き方だったかもしれないけれど、これからはもっと一人一人が自分自身の心地よさや性質に寄り添って、デザインしていくことが問われていくことになると思います。

仕事をデザインして作りだすことは、幸せを生み出すことです。そのデザインの中に、自分の幸せだけでなく、家族の幸せ、子どもの幸せ、自分の暮らす地域の木々の幸せ、土の中の生き物の幸せ、そこに生える植物たちの幸せ、動物たちの幸せ、隣の国の幸せ、隣の国の山や民族の幸せ、自然の幸せを加えていくことは、その仕事から生み出される恩恵を広い世界に広げていくことです。

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「仕事」って何?って聞かれた時に「お金を稼ぐ」という価値観から「幸せを生み出す」という価値観にシフトしていけるように。

そんな世界を子供達の未来に受け渡していけるように。

(それはきっと「本来の仕事」の意味に帰っていくことなのだけれど。)

ヨギックブランディングという、ヨガ哲学をベースとしたブランディングのコースを開催したことを通して、やっぱり仕事をデザインすることはヨガ(調和)のプロセスだと確信しました。優しさや思いやりを広げていく「仕事」がこの世界に増えていきますように。


Yogic Alchemyはヨガを超えて生きていく、変容を促すためのヨガです。

まずは「ヨガ的暮らし始めるコース」でヨガ的暮らしの入り口に立つところから。





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