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最近の記事

最近話題の研究:カフェインと甘味の摂取による睡眠リズムの変化

ふと下記の研究が話題になったので取り上げてみます。 私はオフィスで毎日ゼロカロリーのコーラを1.5リットル飲んでいましたが、今週になってからゼロカロリーのサイダーへ切り替えました。 そんなときに下記報告があり、睡眠で悩んでいた自分としては切り替えて良かったなんて思っています。 甘味カフェイン飲水によるマウス体内時計と活動リズムの変化〜甘味カフェイン飲料の摂り過ぎで昼夜逆転?!〜 | 広島大学 (hiroshima-u.ac.jp) 論文:Sweetened caffein

    • 体力医学会大会に参加しました

      9月2-4日に佐賀で体力医学会大会が開催され、弊社は協賛会社として企業展示を行いました。 私は販売促進のため、3-4日に参加しました。 当社員として学会参加は二度目、研修以外の出張は初めてです。 私用では一度日帰りで行ったことがあります。 「世界がSAGAを見ているとき、佐賀は世界を見ていた」というような、ニーチェみたいな格言や葉隠の紹介が印象に残っていました。 後でGoogle mapを見ると伝統的な施設がいくつか見られ、知らない魅力がまだまだあるような、そんな街です。

      • 酒の香りに虫眼鏡を

        今回は代謝と香気成分の話に焦点を当てます。 一般的に、酵母はアルコール発酵と同時に香気成分を生成します。 日本酒における代表的な香気成分はリンゴ様の香りを有するカプロン酸エチルと、バナナ様の香りのする酢酸イソアミルますが、これらはどのように生成されるでしょうか? カプロン酸エチルの生成 糖質の代謝はどのように行われるの? | 看護roo![カンゴルー] (kango-roo.com) 上記は生物の基本的な糖の代謝経路になりますが、クエン酸回路において、アセチルCoAが環

        • 水質と酒の味わい

          酒の話の続きです。 ただ日本酒を好きだと語る雑談|バイオリサーチセンター (note.com) 「灘の男酒、伏見の女酒」という言葉があります。これは兵庫県の灘で作られる酒が力強いのに対し、京都伏見の酒は口当たり柔らかであることを表しています。 灘の酒が「男酒」と呼ばれるのはなぜ?男酒・女酒の由来とは - 酒みづき (sawanotsuru.co.jp) 灘では「宮水」という江戸時代末期に発見された水源が醸造に使われており、リンやカルシウム、カリウム等のミネラルが豊富な

        最近話題の研究:カフェインと甘味の摂取による睡眠リズムの変化

          ただ日本酒を好きだと語る雑談

          筆者は酒――特に日本酒が好きなのです。 大学時代からビールやカクテルは飲んでいたものの、酒を飲むなら日本酒が第一選択。飲み会があるとき、周りがビールを選んでいても日本酒を選ぶ、見方を変えればマイペースな人間でもあります。 夏は日本酒を飲みたくなくなるなんて意見があっても日本酒一択、それくらいの日本酒党が私です。 エアコンが効いた涼しい部屋で、お猪口の蛇の目に酒を張る。 色鮮やかな刺身を辛口淡麗の酒で流す。 淡泊なかまぼこへ吟醸酒で香りを添える。 キムチやチャンジャには敢えて

          ただ日本酒を好きだと語る雑談

          ヒト小腸モデルの開発

          少し前にちょっと気になったニュースがあったので、共有いたします。 まずは下記報告について紹介します: 間質流を用いたヒトiPS/ES細胞由来小腸モデルの開発|ニュース|ニュース・イベント|CiRA(サイラ) | 京都大学 iPS細胞研究所 (kyoto-u.ac.jp) https://www.cell.com/cell-stem-cell/fulltext/S1934-5909(24)00220-0 端的に言うと、間質流を再現させながらヒトiPS/ES細胞を分化誘導させ

          ヒト小腸モデルの開発

          LabChartの使い方メモ②

          梅雨が明けたと思ったら毎日夕立が続く日々……洗濯物を干すタイミングが難しい状況です。 最近はお客様へのデモに向けて、社内の様々なデモ機に触れて勉強しております。 さて、今回LabChartの扱い方について触れていきたいと思います。 〇Event Managerエクステンションの活用法:一定の閾値を超えた際の刺激発信 LabChartには拡張機能として「モジュール」と「エクステンション」が存在しますが、そのうち「エクステンション」は無料でインストールすることが可能です。Ev

          LabChartの使い方メモ②

          LabChartの使い方メモ①

          梅雨が明けたのかと思いきやまたじめじめした日が来たりと、今年の気候は夏になりきるのがある意味奥ゆかしい感じです。冷製パスタが食べたくなってきます。 入社して二か月が経とうとする中、段々と社内外ともに解像度が上がりました。動物への手術に立ち会い、経験値の低い自分がやれるのだろうかと気にしつつ、研究や商品についての知識を日々積み重ねております。 さて、今回はLabChartについて自分の学習記録を残したいと思います。 〇LabChartスペクトラム解析 入社のご挨拶|バイオリ

          LabChartの使い方メモ①

          入社のご挨拶

          読者の皆様、はじめまして。 私はこの6月に販売促進部として入社した者です。 もともとは食品やサプリメントの業界に勤めていましたが、ご縁あってバイオリサーチセンター(以下BRC)へ入社しました。 大学の研究分野が分子生物学で、これまでの職種が工場現場、購買、学術サポートとバラバラなキャリアを積んできており、正直言うとBRCのビジネスとは大分程遠い関係にあります。 今日までの一か月間、本社での研修や、お客様のもとへの訪問など濃密な経験を受けておりますが、ここで私の所感について書き

          電気泳動を利用する組織抗体染色法

          電気泳動法を利用する免疫染色 eFLASH eFLASH法は、電気泳動を活用した組織免疫染色方法です。この電気泳動を活用する事例として、CLARITY組織透明化技術があります。CLARITY法では、SDSの電気泳動を組織全体に施すことによって、組織内の脱脂を強力に行なうことができます。これは陰イオン性界面活性剤であるSDSが脂質の周りに吸着し、ミセルを形成すると、電気泳動によってプラス方向に移動する仕組みを利用しています。 eFLASH法では、この電気泳動で大分子である抗

          電気泳動を利用する組織抗体染色法

          SHIELD タンパク質のロスを抑制した新しい組織固定

          SHIELDとは 組織内のタンパク質や核酸といった生体分子の構造を保存するための新しい組織固定方法です。SHEILDに含まれる成分はポリエポキシ系化合物です。 生体分子のアミノ基と分子内架橋を形成することで生体分子の3次元構造を保持することができます。通常のPFA固定と比べ、熱や界面活性剤、有機溶媒、酸性pHに対する耐性が高く、組織の透明化技術へ応用ができます。 図はPFA固定とSHEILD固定をした際の、透明化手法の違いによるGFPタンパク質の蛍光強度の比較をしたデー

          SHIELD タンパク質のロスを抑制した新しい組織固定

          マウス全脳でcFos染色に成功しました!

          c-Fosの発現は、直近の神経細胞の活動の指標であり、c-Fos陽性の細胞の検出は多くの神経科学者にとって優先度の高い課題となっています。 この動画は、抗c-Fos抗体で染色したマウス全脳の海馬と大脳皮質を横断面で捉えたものです。 このデータは、LifeCanvas社のライトシート顕微鏡SmartSPIMを用いて、倍率3.6X, 4 µmのZスタックで取得しました。 c-Fosの染色は、高速免疫染色システムであるSmartLabelで行なっております。 このような膨大

          マウス全脳でcFos染色に成功しました!

          透明化組織の新しい染色アプローチ

          組織の染色には数10 µmの厚さにスライスした切片を用いることが一般的です。これは染色に使用する抗体が組織深部へアクセスすることが困難なため、薄くスライスした切片標本が必要になります。 そのため、顕微鏡で撮像する際は染色した切片画像をつなぎ合わせる作業が必要です。 透明化標本の場合、特にCLARITYなどの脱脂を伴う方法で作成したサンプルは、スライスをせず全組織のまま抗体を深部までアクセスすることが可能になりますが、通常の浸漬法では抗体を深部まで染めるのに数週間ほどかかりま

          透明化組織の新しい染色アプローチ

          CLARITYの特長

          1、透明化の速度が速い CLARITY法は何といっても透明化速度が速いのが特長です。SDS-PAGEの原理を利用して脱脂を強力に行なうことで短時間での透明化を実現できます。透明化の速度は、温度条件、電流値に大きく左右されます。これらのパラメータを適切に組織ごとに選択する必要があります。 2、あらゆる組織を透明に CLARITY法のSDSによる強力な脱脂によって、脳以外の組織も透明化をすることができます。 Stochastic electrotransport selec

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          【動画】パルブアルブミンにYFPタグしたマウス透明化脳半球

          【動画】パルブアルブミンにYFPタグしたマウス透明化脳半球

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          組織透明化手法 CLARITYとは

          CLARITY (Clear Lipid-exchanged Anatomically Rigid Imaging compatible Tissue hYdrogel) とは、、、 「アクリルアミドベース」とは、化学物質の一種です。アクリルアミドベースは、さまざまな製品や材料の作成に使用されます。 例え話で説明すると、アクリルアミドベースは料理の材料のようなものです。たとえば、ケーキを作るのに必要な小麦粉や砂糖のような役割を果たします。アクリルアミドベースがあることで、

          組織透明化手法 CLARITYとは