デジタルバンキングのNeonが320億円を調達しユニコーンに

2020年9月2日にブラジルのデジタルバンキングのスタートアップ、Neonが16億レアル、約320億円をGeneral Atlantic, Blackrock, PayPal Ventures, Endeavor Catalystなどから調達したことを発表しました。なお、PayPal Venturesにとって初めてのブラジルへの投資となります。

今回の調達でNeonは恐らくバリュエーションは10億ドルを超え、ユニコーン入りしたと推測されます。

9か月前に約120億円を調達したばかり。なお、この120億円で顧客獲得にアクセルを踏み、一気に3倍の950万人アカウントとなっています。これは日本のインターネット銀行トップの楽天銀行より大きいユーザー数です。

600万人を9が月で獲得。CACは5000円ということに。

2019年度の売上は約5億円とのことで、当時の口座数は250万程度と仮定すると顧客当たり売上は年間200円程度。ちょっと数字が合わない感じですが、顧客当たりの売上を上げることは急務で、前回の調達でも会社設立をサポートするMEI Facilを買収しています。個人事業主がターゲットの一つにしているようです。

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ブラジルでは無店舗型のデジタルバンキングは各社成長しており、業界トップのNubankがこの8月にやはり320億円程度調達しております。こちらは顧客数2600万人。日本のインターネット銀行トップ5を合わせた規模感です。

ブラジルでは銀行の口座手数料を取るのが一般的なこともあり、人口の3分の1が銀行口座を持っていません。一方でスマートフォンの普及率は日本並みに高く、アプリとカードだけで銀行サービスを提供するこうしたスタートアップが多くの消費者を金融インフラにのせるInclusionとして消費者の生活にも大きく貢献しています。

まだまだ成長余地が大きく、むしろデジタルバンキングが主流となったり、既存の銀行を買収するような状況は日本よりも早く起きるかもしれません。

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