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修行そしてピーキング

ヨーロッパのレースは寒い
特にきたのレースは、とにかく寒い日が続く。雨が降り始めれば真夏でもトレーナーは必要な場所だからこそ、寒さに強い選手に優位だ
フランスに住んでいる時、春先の北のレースは本当にただの修行だった

そう、修行の時は本当にキツイ
180km 13°C 雨は体感温度5度くらいの気温の中、とにかく逃げなんて決まらないで速いペースでレースが進んで欲しい時に限って、スタート3kmで逃げが決まる。しかも2人とか....チーン
震えてるとどんどん気が滅入り、寒いことしか考えられなくなる
今の様に完全防水なんてありえない、身体の芯まで冷え切るジャージはとにかく寒さを忘れるべく無の境地に行くしかない、念仏を唱えるしかないのだ

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寒さ耐性の高選手、体温の高いヨーロッパ人は、レース中全く寒さに動じず震えている選手なんてみた事がない
冬のある日、毛布をありったけかけて冬用の寝巻きを着て寝ようとする目の前で、カザフスタンの選手が裸に下着だけ、かけ布団はシーツ1枚でスヤスヤ寝ているのをみて、人間として違うことを感じた
身体が動かない時に必死に走っていたせいか、暖かい夏になる頃には身体ができていて、レースも調子良く走れる様になる。ちょうどその頃、春先にガンガン走っていた選手の体調が落ちてくる所を狙って結果を出す。

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1レース1レース大事なのだが、そのレースをどう使って、自分のピークを持っていくか。なぜこのレースを走っているのかを明確に自分の中で考え抜いて、ピーキングをするかがシーズンの鍵となる
僕は6月までに1度その年のピークを持ってくる、それは大体だが前年のピークと同じ高さまで持っていく。そして、2週ほどヨーロッパの片田舎の畑でもみながら気楽に過ごす。美味しいものも食べ、自然とまた自分のモチベーションを少しずつフツフツと上げていく
あの苦しさをここから逆転して今度は自分が活躍する番だ!ってね

BS復帰2

第2目のピークはその年の最高のピークを持っていく、2段かいにすることによって前年のピークを超える事ができるのだ
そのためには春先からのアプローチがものすごく重要になってくる、去年と同じではダメなので、さらに上に行くためのトライ&エラーを繰り返す
エラーはあってしょうがない、しかし去年したエラー今年した同じエラーを2度と繰り返さない事だけを自分に課す

もちろんそこにパワーメーターのデータで確認できることは素晴らしい
しかし、パワーが出た出ないだけを評価することは時に危険だ
自分の感覚があっているのかを確認するためのツールでしかなく、たまにデータから意外な事実を教えてもらうことはあるにせよ、そんなに大事ではない事が多い

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パワーメーターと睨めっこして、ストラバと睨めっこしているのに
レースになかなか勝てない選手は一度自分リセットすることもお勧めする

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