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映画かがみの孤城の感想(ネタバレ有)

CINEPLEXにて上映していたので見てきました。
びっくりなことに、席は9割くらい埋まっていました。日本では特に話題になっていた記憶もないので、なんで人気があるのか分かりませんが好きな話なので誇らしかったです。
元々辻村深月先生の話は大好きで、映画化された際も気にはなっていたのですが中々タイミングが合わず見れなかったので今回見れて嬉しかったです。

とはいえ内容は知っていたので最後にかけてのドキドキ感は全然ありませんでしたが、やはり理不尽なことでいじめが始まりほかの人たちも巻き込んで孤立させる描写は見ていて苦しくなりました。その中でもお母さんが一緒に戦ってくれたり、本人も心を殺さずにちゃんと勉強しようとしている所が本当に眩しくて。
それからあのダメ教師のバカ加減にも大変腹が立ちました。自分の責任にされるのが嫌で本人に、というか被害者側に我慢するように仕向ける感じ。
似た経験があるからそう思うのかもしれません。味方なんて誰もいないんじゃないかって中にいると親でさえ信じられなくなるんですよね。
虐められてるなんて知られたら、あなたが弱いからって言われるんじゃないと思っていた事を思い出しました。でもその時はただ言うことが怖かったとしか考えられなくて。
こころちゃんの気持ちが想像できる分最後には泣けてきました。なんか中学生の自分も一緒に連れて行ってくれたみたいです。小説を読んだ時に、『あなたが学校に行けないのはあなたのせいじゃない』という言葉にかなり救われたのですが、第三者の声を介して聞くと思い込みでは無いんだなと実感出来て良かったです。
正直に言うと未だに人前で話すことが怖くて仕方ないし、同年代が集まるところに行く時は心の準備がかなり要ります。もうあれから10年くらい経つのにまだ乗り越えられてない自分は弱いのかなと思いますが、普段は忘れて生活できてるので良しとしようと思います。

オオカミ様とリオンの関係も、知った上で見るとケーキを持ってきた時に貰っていった時の気持ちとか、弟が大人っぽくなった姿を見た時どんな風に感じたんだろうとか思うとなんだか泣けてきて開幕から涙ぐむ変な人でした。

ただ、少し残念なのはストロベリーティーのような小説に書いていたヒントでは無い部分のヒントがあからさまに感じて。いや分かるんですよ本当に映像だったらそうなるってことは。
ただ、アヤちゃんが制服でこちらに来た時にめっちゃ着こなしに時代を感じてしまって。私服なら趣味か〜で流せそうだけど(最近YK2流行ってるし)制服だとね。
 他の部分は凄い分かりやすくて良かったし、お城についても思っていた以上にしっかりした設定で作られててありがたかったです。

今回昔の自分に期せずして向き合うことになった映画でしたがあの時学校すら行けてなかった子供がちゃんと図書館とか保健室通いから始めたとはいえ学校通えるようになって、大学まで進学してちゃんとバイトも出来るようになって。それでなんとかしてカナダまで来てるんだから立派なもんだよなって思えて良かったです。
全部時間が解決してくれました。成人式に出た時、あの時虐めてきてた子達は中卒でフリーターとか高卒でブラック勤めとかいう話を聞いて嬉しくなりました。
自分は大変性格が悪いことをその時から自覚してます。

きっとあのお城に集まった子達もその後頑張って生きて、ゲーム界での重鎮になったスバルやフリースクールの先生になったアヤだけじゃなくてきっとこれから先それぞれの道で成功しそうな人達でした。真っ直ぐで、優しくて、自分があるキャラクターたちだったからこそ虐められてしまったのかなって感じます。
集団の中で合わせない人間に対しての嫌悪というのは分からないでもないですが、思い通りにならないからと不機嫌になる人達に従わなくても良いんだって思わせてくれた本で、大好きです。
それを高いクオリティで映像にしてくれたのが有難いなと制作陣の方々に今更ながら感謝してます。

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