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【読書感想】『コーヒーが冷めないうちに』

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※この記事には小説のネタバレが含まれる可能性があります。読了前の方はご注意下さい。

先日、川口俊和さんの『コーヒーが冷めないうちに』を読み終えました。

『コーヒーが冷めないうちに』は時間を移動する事が出来る不思議な喫茶店「フニクリフニクラ」で繰り広げられる物語です。

もう設定の時点でワクワクしますよね。

時間を移動するタイプ作品では「過去をやり直してより良い未来に変える」というタイプのストーリーが多い印象ですが、この作品では過去に戻っても現実を変える事は出来ないという設定になっています。

さらに、時間移動をした先で会える人物は喫茶店フニクリフニクラに来店した事のある人だけ。

他にも、時間移動に付随しためんどくさいルールがいくつかあります。

そのため、喫茶店フニクリフニクラは一時期話題になったものの、人々は次第に興味を失っていきました。

作中では主に4人の人物が喫茶店で時間移動を行うのですが、ルール通り定められた運命を変えることは出来ません。

しかし、現実は変えられなくても、時間移動を行なった登場人物たちの心は大きく変わる事となります。

この運命は変えられないのに人々の心は大きく変わるという部分が切なくて、何度も泣いてしまいました...😭

この小説には胸を締め付けられるような悲しいシーンもあります。

しかし、読了後には、まるで寒い日にホットコーヒーを飲んだ後のような暖かな気持ちになりました。

『コーヒーが冷めないうちに』は、例え過去を変えられなくても、今をどう生きるかは自分自身で選択できるのだという事を強く感じさせてくれる作品です。


最後までお読み頂きありがとうございました🙇‍♀️


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