2004年(2)-5年後

前会社を解雇されてから、次会社を決めるまでに相応の時間が過ぎる。
その間、職安の講座を受講したり、ごく短い期間だが派遣として働いていた。
見つけた職場はデータ入力会社。
入力専用端末機の前に座り、帳票類や各種資料をみながら内容をひたすらに打ち込んでいく仕事。
誰でも出来そうだと思う、なのでこの仕事を選んだ訳だが・・・

入社当時の状況(2004年)の話であって、現在(2023年)とは大きく異なる。
結論から言うと、適性がないと無理。誰にでも出来る仕事ではない。
入力にはキーボードを使うが、ローマ字入力ではない。
カナ入力ができないと全く仕事にならない。
数字入力だけの仕事もあるが、かなり限定される。
連想入力というコードを使った入力になる。
全ての文字を2つのキーを組み合わせて表示していく。
栞(Eネ)とか窓(ウイ)とか、東京という文字を表示させるならば(トンキヨ)など。
対応する字に対するコードを一つ一つ覚えなければならず、瞬時に思い出し、正確に早く入力していく。
コード表と呼ばれるリストもあるが、調べながらの入力では200-300文字で一日が終わってしまう。
給与は時給制ではなく、入力分しか貰えない出来高制。
早く打てば良い訳ではなく、あまりにもミスが多いと仕事それ事体から外される。
ずっと端末の前に座りっぱなしなので、慣れないとかなり堪える。
初期の頃はバランスがつかめないので、入力するだけでも腕がだんだん痛くなってくる。
時間帯や曜日に関係なく、どんなに疲れていても常に一定のペースと正確さを維持できないと務まらない仕事。
とはいっても、そんなことができるのは職場の上位5-10%ぐらいの人間で、あとは必死に食らいついていくしかない。
データ入力だけで食べていきたいのならば、この上位5%ぐらいの能力がないとおそらく無理だろう・・・と思う。個人的見解だが。

この職場には5年程在籍していた。
なんとか連想入力を一通りは入力できるまでにはなったが、生来の鈍さはどうにもならなかった。
運動神経や反射神経を鍛えられる訳がない。
精神的不調から仕事に支障をきたすようになり、最後は雇用契約を解除される。





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