七十二候に並走して。【寒露】鴻雁来る
本格的に寒くなってきた今日この頃。夜は窓を開け放しておくと、いつの間にか部屋がジンと冷えるようになりました。常備しておいたアイスコーヒーが姿を消し、電気湯沸かし器が音を立てています。
日本の四季をこまやかに感じるために、七十二の候に合わせて暦を学び俳句を詠む企画です。本日は寒露の初候“鴻雁来る”。
雁という鳥を具体的に思い出すことができず、ネットにて検索。
これは外国の写真のよう。日本に飛んでくる雁でもっとも多いものは「真雁」と言う種類で、お腹の辺りがもう少し茶っぽい鳥のようです。(この写真の方は、心なしか異国の面立ち)
雁が海を越えてくる頃に吹く風のことを「雁渡し(かりわたし)」と言うそうです。V字に隊列を組んでの飛行が特徴的な雁。群れをなして冷たい海を渡ってくる懸命な姿を連想させる季語なのですね。
そして雁と交代で日本から姿を消すのがツバメ。私の住んでいる地域だと、軒先というよりも駅やマンションの出入り口に巣を作っているイメージが強く、人懐っこい存在なだけに去っていってしまうのは物悲しさがあります。
この時期になると乾燥肌の私は、保湿クリームだ入浴剤だとついつい色々目移りして洗面コーナーを賑わしがちです。物を増やすと、人間は道具を使う生き物だよなあと感じます。
環境を変えるのではなく、身一つで環境に合わせていく渡り鳥たちは、とても軽やかですね。鳥が何を考えて渡っているか、本当のところはわからないけれど……。
ポケットに二人分の手雁渡し
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