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果たして本当の自分とは?狂人ブラフマンとの出会い。

海外の旅に出ると、いつもとはちょっと違う夢なんかを見ます。
そんな時に限ってみる夢は、なんだかとても不思議な夢なのです。

夢の中に出てきた人物、彼の名前はブラフマン。
現実と虚構の間にいる人間の姿をしている魔物です。

ある友人のブログでそれは知りました。
海外旅行ツーリング、世界を旅する男として有名な人で、アマゾン川を筏下りをするなどして、その世界では有名な人です。

彼の旅はいつもギリギリの世界を旅するのですが、絶体絶命のピンチになると、自分とは違う、いろんな人格が頭の中から出てくるといいます。

その中の1人は鬼軍曹のような男で、自分がピンチになると現れて、いろいろなことを言って有無を言わせずに従わせます、合理的な指示をだして的確な判断を下す男です。

その男はとても強いので、自分がいつも怒られて、ケチョンケチョンにされて大変な思いをすると言っています。

しかし、もっとも恐ろしい人格が出てくる時があるのです。
それがブラフマンです。

ブラフマンはいわゆる狂人です。
その狂人は自分の生命さえも考えずに、後先の事を考えず自由気ままに好き勝手、いわゆる気が触れたような言い廻しをしてきて相手を翻弄するのです。

それを読んでいて、思い当たる事がありました。
私も今回の旅で、同じような経験をしました。

それは、バイクで走っている中で、パニックになり一体自分がどこにいるのか全く分からなくなりました。
右も左もわからないような世界に放り込まれて、ニッチモサッチも行かない。

このまま走り続けたら、一体、どこへ行ってしまうのだろうか?

知らない国の知らない地平線の先には何があって、最後はどうなるんだろう。
この先には、自分とは違う人生を送る人たちと、その知らない世界の住人と共に生きてゆくことになってしまうのだろうか?

でも、そんな今いる自分のことを、狂人の目から見ればはバカバカしくて、そんな絶体絶命の自分の境地が楽しくてしょうがありません。

ブラフマンはそんな時に現れて、「お前はこのまままっすぐ行って、好き勝手に走り続けて行け!」

その先は、天国が待っているのか?はたまた地獄が広がっているのか?

「そんなことは考える意味も必要もない、考えること自体がまちがっている、今いる自分を受け入れて大いに楽しもうぜ!」
と誘惑して来るのです。


狂人ブラフマンは、そんなことを頭の中から話しかけてくるのです。
「地獄の底まで行くと楽しくてたまらないぜ!」
と不思議な暗示をかけてくるのです。

もうニッチモサッチもいかなくなってもう、どうにでもなれ!
と言う境地の中、その狂人、ブラフマンと自分との語り合いの中で、知らない国明、知らない街をひたすら疾走していく自分がいるのです。

彼の言ったことが正しいかどうかは今となっては分かりません。しかしながら、そんなブラフマンとの対話する世界と、確かに走り続けることしか出来ない時間があった事は、確かにその時に自分は存在していたのです。

この地球上に存在していたのです。それを実感したのです。
とても不思議な体験でした。

それはまさに、マリファナやドラッグでハイになったり、英語でいう隠語「ストーンする!」以上に、自分自身とのインナースペースの中での対話というか、人間本来の根源的な語りべだったような気がします。

アドレナリン出まくりで、おまけにドーパミン出まくりの中、無我夢中で知らない町を走り続ける、
人生の中でもそんなには経験するようなことは、そうそう無いのではないでしょうか?

自分が正気なのか?自分の中にいるブラフマンが本当の自分で、訳の分からない人生を楽しんでいるような、そんなはかない人生の一瞬を見ているようなことを経験した1日でした。

ジャングルの彼方に光る白いつき


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