俺もイルミの針が刺さっているのか

俺も社会人になってはや15年。 
会社の内と外、様々な人と関わりながら仕事をやってきたが、15年もすると自分と相手の力量や度量の差が直感的に感じられるようになる。

いつの間にか、初対面の人と話す時は、"この人の頭のレベルどれくらいかな?"って測って自分より上か下かジャッジするイヤなクセがついていた。

そして、自分の方が優位と思った相手には強気で接する一方、自分よりも能力が高い人、権威がある人、影響力のある人とは、仮に考えが違っても、迎合し、媚びへつらうようになった。

そんは時、ふと昔読んだ漫画ハンター×ハンターのワンシーンを思い出した。キルアという天才少年が、格下相手にはめちゃ強ながら、ちょっとでも自分より上と感じた相手から逃げてしまうという癖に悩む話。自分を何とか奮い立たせて立ち向かおうとするが、どうしても足が震えて泣いてしまうシーンには胸が熱くなった。
実はこの逃げ癖、歪んだ愛情を持つ兄イルミが、キルアの脳に呪いの針を刺して、格上の相手には向かっていく姿勢すら持たないように、コントロールされていたもの。
キルアは自分で針の存在に気づき、自らそれを抜くことで、強敵にも立ち向かっていけるようになるー という展開。

俺にもいつの間にかこの針が刺さっていたんだと思う。長い社会人生活の中で、会社に刺されたのか、社会に刺されたのか。もちろんこの社会を長く安全に生き延びていくためには、この針は必ずしも悪いものではない。この針が抜けた先に待つのは、まだ見ぬ高みの世界か、それとも深い谷底か。

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