ボクにはピアノがない、だけど、キミにはドラムがある
子供の頃の流行歌だった
西田敏行の
「もしもピアノが弾けたなら」
まだ幼かった僕は、この歌のサビの歌詞、
だけど、僕にはピアノがない
君に聴かせる腕もない
を聴いて、文字通り、
両腕がない男性の歌だと思って、必要以上に切ない気持ちになったのを昨日のことのように思い出せる。
まあそんなどうでもいい記憶はさておき、こんなにも音楽が大好きな僕はあくまでいわゆる聴き専に過ぎず、ピアノに限らず楽器の類が全く出来ない。
実際、大学時代の夏休み、実家でアコースティックギターを猛特訓したけれど、自分の壊滅的な才能のなさに挫折してしまったし…。
だから、幼稚園の年長のときに、息子がドラムをやりたいと自ら言ってきたのには、正直、驚いた。
あと、テレビで初めてイエモンの演奏を聴いてやりたくなったという理由もなんだか印象的でよく覚えている(ちなみに僕も妻もイエモンが特別好きというわけじゃない)
正直、僕らには楽器のセンスがない(妻も小さい頃、ピアノを習わされていたけど、すぐに嫌になってやめた)から、彼もどうせすぐに諦めるだろうとタカを括って、近所にあるドラム教室に通わせたのだけど。
しかし、これがところがどっこい、彼は持ち前の集中力を発揮して、割と厳しい先生の指導に何度も辞めたいって泣きながらも、ずっと辛抱強く通い続けて、メキメキとドラムの腕前も上げていったのだった。
ちなみに、これまで彼が演奏会(オンライン含む)で披露した楽曲は以下の通り。二曲目だけ、お父さんの趣味が入ってるけど(笑)、あとは本人の選曲である。
LiSA「紅蓮華」
Nirvana「Smells like teen spirit」
Eve「廻廻奇譚」
メレンゲ「スターフルーツ」
SEKAI NO OWARI「Habit」
しかし、彼には実は2年間のブランクがある。
学校でのあるハプニングがきっかけで体調不良になった彼は、ドラムのスティックを握るどころか、毎日を生きるだけで精一杯な日々を過ごしていたからだ。
けど、去年の秋頃からようやく体調が回復した息子は、僕らに向かって、
「またドラムやりたい」
と言ってくれたのだった。
そして、実は彼が休んでいる間も「ずっと待ってるからね」と言ってくれていたドラムの先生も彼の復活を心から喜んでくれた。
そして、この2年の間に値上がりしていた月謝もあの時のままでいいですって言ってくれたのも僕らには何気にありがたかった(笑)
そして、今
昨年、引越した自宅から1時間以上かけて、彼は毎週一人でドラム教室に通っている。
完璧主義で、演奏会が迫る頃には、めちゃくちゃ鬱になっているけど(苦笑)、普段の生活の中で、例えば、駅のホームのベンチで座っている彼にふと目をやると、腕と足を小刻みに動かしながらドラムの練習をしていて、その姿に
なんかめちゃくちゃカッコいいやんけ!
と萌え萌えしている僕がいる←親バカ
ちなみに次回の発表会の演奏曲は、彼が大好きなEveの「いのちの食べ方」
たまに駅前のスタジオで練習に付き合っている妻から彼の最近の上達ぶりを聞かされているから、正直、今から楽しみで仕方ない。
そして、彼の才能はきっとばあばの隔世遺伝(子供の頃からピアノが上手で音楽の先生を目指していた)だろうから、今度こそは演奏会に彼女を招待したいと思っている。
できれば、サプライズでね😁
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